概要・あらすじ
有力政治家の長男として生まれ、政治家となった西郷大。そして、大学卒業と同時に石焼きイモの屋台を引いて世界をまわる沢村大。同年同月同日に生まれ、同じ名前を持つ二人の男たちは、それぞれ別々の道を歩んでいた。二人が31歳になった1984年、理想に燃える西郷は、有力政治家の後ろ盾を得たこともあり、若くしてエリート街道を邁進していた。
一方、アメリカを放浪していた沢村は、ラスベガスで若き実業家ジェフ・キングダムと出会う。巨大企業キングダムグループを率いるジェフは、世界政府を建設するために、日本の企業と民族を解体するという計画を持っていた。ジェフに認められキングダムグループの中枢に昇りつめた沢村は、日本経済乗っ取りの橋頭堡としてキングダムグループジャパンのボスに就任する。
登場人物・キャラクター
西郷 大 (さいごう だい)
1953年7月15日、衆議院議員西郷創太郎の長男として生まれる。大学卒業後、通産省に勤務し、父の創太郎の死後、大物政治家田口角太郎の後押しもあり、父の跡をついで自由民主党田口派から衆議院議員となる。田口と竹丸登志雄の間に起こった政争を解消することに尽力し、35歳の若さで外務大臣となる。 キングダムグループ総帥となった沢村大の日本経済乗っ取りにいち早く気づき、その計画を阻止するために沢村と対立する。
沢村 大 (さわむら だい)
1953年7月15日、宮大工沢村良一の長男として生まれる。小学校1年生の時に、バス転落事故で両親を亡くし、養護院で育つ。大学卒業後、石焼き芋の屋台を引いて世界中を旅する。ラスベガスでジェフ・キングダムに気に入られキングダムグループの一員として迎えられる。その後、紆余曲折を経て35歳でキングダムグループ総帥の座をジェフから譲り受ける。 そしてジェフの日本経済乗っ取り計画の橋頭堡としての活動を始め、西郷大と対立する。
ジェフ・キングダム (じぇふきんぐだむ)
アメリカの巨大企業キングダムグループの総帥。ラスベガスで沢村大と運命的な出会いを果たし、沢村をキングダムグループに招き入れる。アメリカの軍産企業、ソ連の共産主義、中東のイスラム国家を現代社会における世界的な問題と考えており、経済によってそれらを解消するという計画を持つ。そしてその計画のために、日本という国家と民族の解体を進めている。 暗殺を装って表舞台から退き、沢村にそれらの計画を進めさせようと画策する。
田口 角太郎 (たぐち かくたろう)
元首相。汚職事件により政治家を引退してもなお政界に絶大な影響力を持つ西郷創太郎の友人であり、ライバルでもあったことから、その息子の西郷大を支える。その後、竹丸登志雄を筆頭に田口派の議員たちが離反して竹丸派を結成したことに激怒。脳卒中で倒れながらも竹丸派議員への復讐を誓うが、最終的には西郷にすべてを委ね、政界から退く。 モデルは実在の政治家の田中角栄。
ディニィー
ジェフ・キングダムの秘書。ジェフの命令で沢村大の補佐を行っているうちに、次第に沢村に惹かれ始める。
葉山 京子 (はやま きょうこ)
有名女流プロデューサー。西郷大の愛人。西郷を日本の新たなリーダーとしてプロデュースするという目的を持つ。
ビル・キングダム (びるきんぐだむ)
ジェフ・キングダムの弟。キングダム・グループの裏の仕事を取り仕切る人物。ジェフ・キングダムと反目するようになった沢村大を暗殺するため、沢村の前に現れる。
竹丸 登志雄 (たけまる としお)
大蔵大臣。田口派の議員であったが、独立し創正会を結成。田口派から離反して、政権を取る。その後、首相となるが、田口角太郎の反撃を受ける。西郷大の行動により竹丸派の壊滅は免れるが、混乱を収めるために首相の座を退き、西郷を新政権の外務大臣に任命する。モデルは実在の政治家の竹下登。
ミハイル・ゴルバチョフ (みはいるごるばちょふ)
ソ連共産党書記長。シベリアでジェフ・キングダムと極秘の会談を行い、それをきっかけにして米ソ首脳会談へと踏み切る。モデルは実在の政治家のミハイル・ゴルバチョフ。
サダム・フセイン (さだむふせいん)
イラク大統領。石油の生産量をめぐってクウェートとアラブ首長国連邦を非難。クウェートに侵攻し、湾岸戦争を引き起こす。単身中東を訪問した西郷大と会談を行う。モデルは実在の政治家のサダム・フセイン。
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