あらすじ
第1巻
高校で英語を教えている吉野貴和子は、桐崎玲央を中心とした生徒たちが好き勝手に振る舞い、まじめに授業を受けてくれないことに悩んでいた。さらに桐崎から心無い言葉を浴びせられ、授業中なのにトイレに逃げ込んでしまう。その後、なんとか気持ちを落ち着かせ教室に戻るために廊下を歩いていると、落し物の砂時計を見つける。その砂時計で時間を10分ほど止められることを知った吉野は、時間停止中に大胆な行動を取るようになる。そんなことを繰り返すうちに吉野は精神的にも安定し、教師としての威厳も出てくるようになるのだった。こうして教師として充実した日々を送っていたある日、吉野は片思いしている先輩教師の野島から声を掛けられる。
登場人物・キャラクター
吉野 貴和子 (よしの きわこ)
東京都立画報高等学校で教師を務めている女性。年齢は24歳。教師になって2年経つが、いまだに生徒からバカにされており、授業中は学級崩壊寸前となっている。ずっとまじめな優等生として過ごしてきたため、やんちゃな生徒の対処方法がわからず、トイレに逃げ込んでは泣く日々を送っている。もともとは、生徒のことを第一に考える実直な教師だったが、指導力不足で学級を崩壊寸前にしたことを思い悩んでいた。偶然「時間を止められる砂時計」を手に入れ、これまで考えもしなかった大胆な行動を時間停止中に行い、何回も繰り返すうちに考え方が変わり、自分に自信を持てるようになる。新任の時に野島に助けてもらったことで、理想の教師像そのものの野島に好意を寄せるようになる。
野島 (のじま)
東京都立画報高等学校で教師を務めている男性。年齢は26歳。教師として吉野貴和子より2年先輩。少し不器用ながら純朴で生徒からの人気は高い。生徒からは「のじー」というあだ名で呼ばれて慕われている。しかし、心の中では生徒のことを猿と馬鹿にしている。また吉野が拾った「時間を止められる砂時計」の前の持ち主で、砂時計を使ってスリや盗撮などを繰り返していた。砂時計を失くしたあとに吉野の雰囲気が急に変わったことで、吉野が砂時計を拾ったことを確信し、取り返すためになにかと理由を作っては吉野に接近する。
桐崎 玲央 (きりさき れお)
東京都立画報高等学校に通う男子。授業を妨害する問題児で、吉野貴和子にも侮辱的な言葉を投げつけている。二十代半ばの姉からこき使われることが多く、そのため年上の女性を嫌っている。クラスメイトの北島とは学校や家など、ところ構わず年中セックスしている。最近、雰囲気が変わった吉野のことを気にかけているが、これまで吉野に対して自らがやってきたことや、教師と生徒という関係が頭をよぎって素直になれずにいる。
北島 (きたじま)
東京都立画報高等学校に通う女子。読者モデルに何度もスカウトされるほど容姿は整っている。遊んでいそうな見た目から、自由奔放な性格と思われがちだが、実は非常に嫉妬深い。桐崎玲央のことを一途に思っており、桐崎が求めるがままにセックスに応じている。桐崎が吉野貴和子を気にかけていることを知り、吉野にライバル心を持つようになる。
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