三多摩大学山岳部の活動を描く青春群像劇
本作は自然や登山をテーマに、三多摩大学山岳部のメンバーたちの日常と部活動を中心に描く青春コメディ。廃部寸前の山岳部に入部した新入生の真菜、加賀直美、入間聡子の視点で物語が進行し、時には先輩部員の視点から描かれるエピソードも交えられるなど、群像劇としての側面が色濃く表れている。日本各地の実在する山や山荘が多数登場するほか、登山シーンだけでなく、事前の体力作りや登山道具の選び方、登山者を悩ませる病気など、登山にかかわるさまざまなテーマを丁寧に扱っている。登山初心者だった真菜たちが、楽しくも厳しい部活動を通じて山の魅力を知り、友情を深めながら成長していく姿も大きな見どころとなっている。
初心者インドア女子三人の入部
伝統ある三多摩大学の山岳部は、部員不足により廃部の危機に直面していた。2年生の黒木世都子、金田良雄、草場透の三人は、部の存続を懸けて新入部員の獲得に奔走していた。新歓オリエンテーション最終日、新入生の真菜、直美、聡子が仮入部し、世都子たちは胸をなでおろす。しかし、彼女たちは登山初心者どころか運動経験すら皆無で、「虚弱体質」「本の虫」「ゲーム好き」と、登山とは縁遠いインドア女子だった。それでも、ようやく六人体制が整った山岳部は、真菜たちを正式な部員として迎え入れ、活動を再開する。しかし、登山に欠かせない基礎体力すらない彼女たちに、どうやって山の魅力を伝えるかという難題が、世都子たちを悩ませるのだった。
山岳部新入部員の挑戦と成長
山岳部の新入部員である真菜、直美、聡子の三人は、先輩の世都子たちから脱初心者を目指すための課題を与えられた。登山に欠かせない「三種の神器」の調達から始まり、運動経験のない彼女たちは基礎体力作りに励み、さらにはロッククライミングまで、初心者には非常に厳しい内容ばかりだった。それでも真菜たちは、それぞれの特技や持ち前の意欲を武器に、互いに協力しながら課題を乗り越えていく。そして夏が近づく頃には、部活に慣れた彼女たちは先輩に頼ることなく、三人だけで登山に挑戦することになる。
登場人物・キャラクター
南部 真菜 (なんぶ まな)
神奈川県にある三多摩大学文学部に在籍する1年生の女子。山岳部に所属している。長野県出身。黒髪をポニーテールにまとめ、眼鏡をかけている。新入部員の中では最も小柄な体格で、控えめな性格をしている。幼少期は体が弱く運動を避けてきたが、競争やノルマのない登山に魅力を感じ、山岳部に入部した。登山に対するモチベーションは非常に高いが、時おりネガティブな思考に陥り悩むこともある。しかし、入部後は直美や聡子と共に課題をクリアしていく中で、自信を深めていく。料理が得意で、アウトドア料理もすぐに習得した。
加賀 直美 (かが なおみ)
神奈川県にある三多摩大学文学部に在籍する1年生の女子。山岳部に所属している。北海道出身。茶色のポニーテールで、太めの眉とそばかすが特徴的。読書が好きで、特に山岳文学に親しむうちに登山に興味を持ち、山岳部に入部した。新入部員の真菜や聡子よりも背が高く、最もアクティブに行動する活発な性格の持ち主。著名な登山家や山小屋を建てた職人たちに強い関心を寄せている。かつては自作小説などの創作活動にも挑戦していたが、現在ではそれを黒歴史としてとらえている。
入間 聡子 (いりま さとこ)
神奈川県にある三多摩大学理工学部に在籍する1年生の女子。山岳部に所属している。秋田県出身。愛称は「イリマー」で、一人称は「俺」。紺色のボブヘアで、訛(なま)りのある口調で話し、上下関係にはあまりこだわらない性格の持ち主。新入部員の中で唯一の理系女子で、つねにノギスを持ち歩いている。通学以外の運動は極力避けるほどのゲームオタクだが、あらゆることを科学的に分析しようとし、登山の楽しさを科学的に証明することを目標としている。実家は米農家を営んでいる。
書誌情報
山を渡る -三多摩大岳部録- 8巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉
第1巻
(2018-12-15発行、978-4047353343)
第2巻
(2019-12-13発行、978-4047357877)
第3巻
(2020-09-14発行、978-4047361058)
第4巻
(2021-08-12発行、978-4047366183)
第5巻
(2022-10-15発行、978-4047370449)
第6巻
(2023-10-14発行、978-4047376274)
第7巻
(2024-10-15発行、978-4047380950)
第8巻
(2025-10-15発行、978-4047385603)








