概要
辺鄙(へんぴ)な場所にあり、スマートフォンで検索してもその場所を知ることはできない。村の出入り口となっている小さなトンネルには、「不法侵入を許さない※高電圧通電中※」の看板が掲げられており、有人の見張り小屋も設置され、門番によって人の出入りが監視されている。つねに人の出入りを警戒している様子で、村に入るには身分証明書の提示が必要となる。また、村人が村の外に出るには村長の許可が必要で、基本的には村から出ることはできず、外部からの移住もできない決まりとなっている。この村の発祥は、疫病や不治の病に苦しんでいた人々が、迫害や差別ののちに新天地を目指し、この土地に集落を築いたのが始まりとされている。この地で生活を始めると、誰もが健康を取り戻して長寿となる。そしてそれは神の御業とされ、神話として語り継がれることになった。古くから女性の占める割合の多い村で、現在も村の人口の三分の二以上を女性が占めている。中でも女性は特に若々しく、美しいといわれている。水嶋悟が住む家の裏にある山の奥には桃王母という神様が住んでいるとされ、村の掟で入山が禁じられている。その山の奥には小さな泉と不老不死の桃の実がなる木があり、現在は神の子孫である七海によって守られ、山の中はつねに警備の巫女が巡回しているため、人の侵入をいっさい許さない厳戒態勢となっている。実は神の子孫である女性には相手となる男性が定められており、代々入江神社の宮司である入江家の次男と決められている。その男性は神の子孫と子供を作ったあと、生贄として食い殺される運命にある。また、入江家の長男は次の儀式のための男児を産んでもらうため、村外の女性を娶ることが決められている。この因習は、入江家の血を引く人間が神に手を出し裏切ったことから始まった罰でもある。この因習をはじめとした村の秘密すべてが外部に漏れることがないように、村人は一致団結してすべてを監視し、それを侵したものは消される運命にある。4年に1度、入江神社で行われる「蟠桃祭」は、桃王母を祀(まつ)る大切な行事で、村の一大イベントとなっており、村人全員の参加が必須となっている。また村内にある学校の教師は、すべて教員免許を持っていない。勉強で使用する教科書は、かなり古い教科書を再利用しているため、村の教育はふつうとはかなりかけ離れたものとなっている。ちなみに、「木村」が村で3番目に多い名字であることが判明している。
登場作品
秘密の果実 (ひみつのかじつ)
引っ越し先の峰花烔村で、入山禁止の山に迷い込んだ男子高校生の水嶋悟は、美しい女性、七海と出会う。一人の女性と、不老不死と謳われる秘密の果実を巡り、閉ざされた村で奔走する悟の姿を描く恋愛サスペンス。「少... 関連ページ:秘密の果実
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