概要
旗本筆頭である鷹松家の当主を務める青年。物語開始時の年齢は22歳。幼名は「長松」で、本名は「鷹松左衛門尉伊綱」。養子に出された甲斐の実兄。武士であるにもかかわらず頭を剃らず総髪で、一見して現代のオタク風の風貌をしている。身長は低く、茶屋の看板娘を推すことをライフワークにしている。酒に弱く基本的に飲めないが、少量でも酒が入ると勃起してしまう。洞察力に優れ、些細な違和感も見逃さない鋭さを持っている。武芸の才能に長け、幼少期より父親の鷹松聖山から厳しい訓練を受け、「剣聖」と評されるほどの強さを手に入れる。しかし、左門自身の努力と忍耐を無視した聖山からの長年の叱責により、自己否定の塊と化したメンタルになってしまう。過ぎた過去を思い出し、マイナス思考にとらわれて安眠できる日は少ない。武芸に励んでいたため、凧揚げなどの遊びをほとんど経験したことがない。「ヘッポコ侍」と呼ばれると、過去に聖山から受けた罵倒としごきを思い出し、我を忘れて暴走して攻撃的になる。また、自らが推す茶屋娘にセクハラを働いた者の手首を切り落とそうとするなど、思考が極端。見ている者が本当に刀があるように錯覚するほど、切腹のパントマイムがうまく、一連の動作を左門自身は「エア切腹」と名づけている。聖山のむちゃな特訓から幾度となくかばって救ってくれた母親・染のことが大好きで、染が亡くなった今でも思い出が詰まった書道を嗜んでいる。自分自身の中で消化できない出来事があると、手紙として書面に気持ちを込める癖があるが、筆が乗って気持ちが昂ると書き始めと後半で話の内容が変わることがよくある。この癖によって、過去に越後少将と些細なことでトラブルになった際、「詫び状」として書き始めたはずの手紙はいつのまにか「決闘状」となり、松平家に届けられた。この時、おじけづいた越後少将に代わって、決闘に参上した龍姫の兵を蹴散らしたことで彼女から惚れられ、求婚されるようになった。また、過去に推していた水茶屋の看板娘である胡蝶が、吉原に身を堕としたと聞きつけ、救出に駆けつけたことから胡蝶からも惚れられ、側室の座を狙われている。しかし、左門自身は清純でおしとやかな娘が好きなため、武家に固執する龍姫や自ら遊女となった胡蝶が苦手で避けている。現在の最推しの茶屋娘はお蜜である。聖山が住まう実家の屋敷には寄りつかず、壁一面に美人画を貼り付けた安い長屋に居を構え、旗本筆頭の当主とは思えないような生活を送っている。左門自身の住まう長屋には床下から外へ出られる仕掛けを施し、突然訪ねてくる龍姫や徳川綱吉から逃げる準備を怠らない。実は「生類憐みの令」の発案者は左門である。
登場作品
めんへら侍 (めんへらざむらい)
時は元禄13年。戦国時代も過去の出来事となり、時代は「武断」から「文治」へと移り変わる中、豊かな市民は娯楽を求め、芝居や屋台、銭湯、音曲といったさまざまな大衆文化が花開いていた。そんな時代に、名門旗本... 関連ページ:めんへら侍
関連リンク
- 関連人物・キャラクター