平成少年ダン

1999年へ

令和の時代、32歳の大鷹団は、唯一の仕事だったマンガ家のアシスタントも連載が終わって、無職となってしまう。そんなある日、団はレトロショップのウインドー越しに1999年の週刊少年ジャンプを見つけ、奇妙な懐かしさを覚える。まだ9歳だった平成時代に戻りたいと漠然とした思いを抱いた団は、生まれ育った団地を訪ね、屋上に隠していた宝物を詰めた缶を見つける。そこには、9歳の誕生日プレゼントとして親からもらった、パチモンのファービー人形「シージー」が保管されていた。そして、平成時代に戻りたいと強く願う団を強烈な雷が貫き、目が覚めるとそこは1999年の自宅だった。そして団はシージーの姿となり、9歳の自分と対面する。

母の死の回避

23年前の1999年にタイムスリップし、パチモンのファービー人形「シージー」に転生した大鷹団は、再会した母親・大鷹恵子の姿を見て涙する。恵子は団が19歳の時に乳ガンで亡くなっていたのだ。そこで、シージーに転生した団は、母親に健康診断を毎回受けるように説得する。恵子がそれを受け入れると、団の体を再び強烈な雷が貫き、団は令和の時代に元気に過ごす母親の姿を一瞬見る。過去が改変されたことで、恵子がガンで亡くなる未来が変わっていたのだ。

イチカ

パチモンのファービー人形「シージー」に転生した大鷹団は、9歳の自分と共に当時仲のよかった元太、ヒバリ、オジョウと楽しく過ごす日々を満喫していた。ある日、いつものようにみんなで遊んでいると、イチカという少女も仲間に加わる。イチカは団に自分のお気に入りの曲を録音したMDをプレゼントしてくれた少女のような気もしたが、イチカに関する記憶がまったくないことに気づく。