義理の姉妹が紡ぐハートフルコメディ
日本でOLとして一人暮らしをしていた千晴は、ある日突然、海外にいる母親の再婚を知らされる。再婚相手の連れ子であるルイは、日本で祖父に育てられていたが、祖父が亡くなったあと、葬儀の場で親戚たちからたらい回しにされていた。その理不尽な光景を目の当たりにした千晴は、ルイを自宅に引き取ることを決意する。こうして、血のつながりはなく、これまでほとんど面識もなかった二人は義理の姉妹となり、いっしょに暮らし始める。一方的に再婚を告げられた千晴と、父親と離れて暮らしてきたルイ。それぞれ複雑な家庭環境を抱えながらも、日々の生活を通じて互いに向き合い、姉妹としての絆を少しずつ深めていく。
年齢と立場が逆転した美少女OLとイケメン小学生
千晴は仕事をそつなくこなし、その端麗な容姿から職場のマドンナ的存在として親しまれている。しかし、ルイといっしょに暮らし始めると、彼女はルイの魅力にメロメロとなり、家では甘えん坊な一面を見せるようになる。一方、小学2年生のルイは、自発的に家事を手伝い、勉強にも熱心で、ケンカや悪口はいっさい言わない、非の打ちどころのない優等生。さらに、そのクールな言動から周囲には「イケメン」と評されている。女の子でありながら本人も「自分に“ちゃん”付けは似合わない」と言い、周囲には「ルイくん」と呼ばせている。そんなイケメン小学生のルイを、千晴はますます溺愛し、感極まって暴走する彼女をルイがなだめて落ち着かせるという関係が定着している。周囲からは、立場や年齢が逆転している様子を微笑(ほほえ)ましく見守られている。完璧で大人びた小学生と、外見の美しさとは裏腹に家ではポンコツなOLとの共同生活のギャップこそが、本作の大きな魅力となっている。
家族の絆と二人の成長を描く
千晴とルイは、それぞれ家族にまつわる複雑な事情を抱えており、日常の中で少しずつその過去が明らかになっていく。本作には、多様な家族関係を持つ登場人物が登場し、千晴が同僚との会話をきっかけにルイの運動会のお弁当作りに励んだり、ルイが家族関係に悩むクラスメイトに声をかけたりと、家族にまつわる出来事が自然に日常生活に溶け込んでいる。二人の抱える問題は簡単には解決しないが、心のあり方や行動の変化が少しずつ周囲とのかかわり方を変えていく。両親とのあいだに問題を抱える千晴とルイをはじめ、家族がいるからこそ生まれる悩みと、それに向き合う人々の姿が丁寧に描かれている。巡る季節と共に、義姉妹の絆だけでなく、彼女たちを取り巻く家族関係もまた変化していく。
登場人物・キャラクター
香田 千晴 (こうだ ちはる)
会社に勤める女性。艶やかな黒髪が印象的な美人で、優しい性格で仕事もそつなくこなすため、職場では男女問わず慕われ、まるでマドンナのように扱われている。ある日、母親から海外で再婚したことを突然知らされ、さらに再婚相手の連れ子であるルイを引き取ってほしいと頼まれる。当初は戸惑っていたが、祖父の葬儀で親戚たちにたらい回しにされているルイの姿を見て、彼女といっしょに暮らすことを決意した。外ではしっかり者として振る舞う一方、自宅では仕事の疲れからルイに弱音を吐くなど、意外に甘えん坊な一面もある。大人としてルイをしっかり育てようと考えているものの、実は家事が苦手で、料理もよく失敗して落ち込んでいる。しかし、そのたびにルイに励まされるなど、家庭内では精神的な立場が逆転している。ルイを大切に思い、彼女の何気ない言動に喜びを感じながら成長を見守り、共に生活している。ルイが初めて小学校に行く日には、本人以上に心細くなって涙を流し、逆にルイに励まされるほどで、ルイからは「かわいい女」と言われている。ルイの生活を支える一方で、かわいがりすぎて暴走してしまうこともあり、そのたびにルイがストッパーとなって千晴を制御している。
天原 ルイ (あまばら るい)
小学生の少女。2年3組に在籍している。物語開始時の年齢は7歳。肩まで届くプラチナブロンドの髪と澄んだ碧(あお)い瞳を持つ。母親はすでに他界しており、父親が千晴の母親と再婚したことで、千晴の義理の妹となった。母親の死後、父親は海外に滞在していたため、祖父に育てられていたが、その祖父も亡くなり、葬儀の際には引き取り手が見つからない状況に置かれていた。幼いながらも「一人で生きる」と決意していたが、その姿を見た千晴に引き取られることになる。年齢の割に落ち着いており、「ちゃん」付けを嫌うため、千晴からは「ルイくん」と呼ばれている。家事を手伝い、勉強にも励むしっかり者で、褒め上手なため、仕事で疲れた千晴を励まし癒す存在として非常にかわいがられている。学校に通い始めてからは、クラスメイトとの交流や遠足、買い物など、小学生らしい経験も積んでいる。千晴とは血のつながりはないが、共同生活を通じて互いに気遣い合い、姉妹のような関係を築いている。身長より高い場所から宙返りをしながら着地できるほど身体能力が高く、これは生前の祖父が「地球が爆発しても生きていける女性」に育てるという教育方針によるもの。そのため、野山でのサバイバル生活も可能なほどさまざまな技能を身につけている。また、祖父からは「ケンカをしない」「人の悪口を言わない」といった独特の価値観を教えられており、その達観した言動には祖父の影響が色濃く表れている。
タマ
香田家で暮らす黒猫。猫種は不明だが、ルイによれば「イケメン」だという。ルイとだけ会話ができる不思議な猫で、よくいっしょに遊んだり、ルイの悩みにアドバイス送っている。タマはルイが香田家に来る前から住んでおり、千晴がさまざまなおやつやおもちゃを用意している。近所の子供たちにも人気があるが、気まぐれな性格のため、ルイ以外の子供とはあまり遊ばない。千晴はタマが会話できることを知らず、ルイがそのことを尋ねても「今はその時じゃない」と答えを濁している。実はタマは幽霊で、千晴には姿が見えていない。何匹もいっしょに捨てられた子猫のうちの一匹で、千晴に保護され病院に連れて行かれた際、唯一助かった子猫だった。それ以来、千晴に飼われ、瞳の色が「玉虫色」だったことから「タマ」と名付けられた。生まれつき心臓が弱く長生きはできなかったが、千晴から大切に育てられていた。亡くなってから1年が経った今も、遊んでいたおもちゃは手入れされ、おやつがお供え物として置かれている。タマの姿が見えるのはルイや子供たちだけで、大人には見えない。香田家から離れることはできないらしく、ルイに遊びに誘われても何かと理由をつけて断っている。
書誌情報
晴れ晴れ日和 9巻 KADOKAWA〈MFC キューンシリーズ〉
第1巻
(2021-05-27発行、978-4046802712)
第2巻
(2022-01-27発行、978-4046810298)
第3巻
(2022-09-26発行、978-4046816863)
第4巻
(2023-07-27発行、978-4046824578)
第5巻
(2024-03-27発行、978-4046833693)
第6巻
(2024-11-27発行、978-4046841490)
第7巻
(2025-07-26発行、978-4046849977)
第8巻
(2026-02-27発行、978-4046857453)
第9巻
(2026-10-27発行、978-4046607393)








