月の街、花の都

「月光街(げっこうがい)」で生きる享吾

廃墟の街「月光街」はいくつかのブロックに分かれており、東雲享吾はイースト・ブロックを縄張りにして活動する少年自警団のリーダーとして、エリアの治安を守っていた。頭の回転が速く、優れた統率力を持つ享吾はエリアに住む人々からも信頼されていたが、素性の知れない一葉に部屋を与え、彼と親しくしていることだけは、快く思わないメンバーも多かった。そんな中、イースト・ブロック内では少年自警団のメンバーが突然行方不明になったり、ほかのブロックから奇襲攻撃を受けたりと、不可解な出来事が続出。そして一葉は享吾に対して、自らが東雲宗玄から依頼を受けて彼を連れ戻しに来た内通者だと打ち明け、このままだとイースト・ブロック内の秩序が乱れていくと脅しをかける。享吾は本来は裕福な人間が集う街「花都」出身の大企業の御曹司（おんぞうし）であり、養父である宗玄の性的虐待から逃れるため、イースト・ブロックに身を隠していたのだった。

享吾と一葉の再会

東雲享吾は廃墟の街「月光街」のイースト・ブロックの治安を乱すことはできないと、東雲宗玄が待つ裕福な人間が集う街「花都」へと戻る。宗玄は逃げ出す前と変わらずに享吾と身体の関係を持ち、彼を自分の後継者として二度と自由にするつもりはないと豪語する。享吾は自分だけでなく、月光街に住むすべての子供たちの人生を弄ぶ宗玄に怒りを覚え、彼に従順な振りをして、宗玄を抹殺することを決意する。一方で宗玄は、享吾と一葉の気持ちが通じ合っていたことを知り、一葉に自分たちの性行為を見てもらおうと、悪趣味な提案をする。

享吾の復讐の始まり

ゴウとイサミは、廃墟の街「月光街」のイースト・ブロックから突然姿を消した東雲享吾を探しているが、なんの手がかりもつかめないまま時間だけが過ぎていく。そんな中、以前から享吾の人生を哀れに思い、同時に東雲宗玄に嫌悪感を抱いていた八重樫慶はゴウとイサミに接触を図り、享吾の救出に手を貸してくれないかと誘う。こうして三人は、一葉やレイとも合流し、享吾を宗玄の支配から救うために動き出す。