クロスゲーム

クロスゲーム

小学5年生の時に最愛の幼なじみを失った少年が、徐々に野球にのめり込み、[甲子園]優勝を目指す姿を描いた青春高校野球漫画。「週刊少年サンデー」2005年22・23号から2010年12号にかけて連載された作品。2009年、第54回小学館漫画賞少年向け部門を受賞している。

正式名称
クロスゲーム
ふりがな
くろすげーむ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
野球
レーベル
コミック文庫(青年)(小学館)
巻数
既刊11巻
関連商品
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あらすじ

第一部(第1巻)

コウ(樹多村光)と月島若葉は、同じ日に同じ病院で生まれた幼なじみ。2人はよく行動をともにしており、毎年誕生日になると、お互いにプレゼント交換をするほどに仲が良かった。いつしか光は、明るく天真爛漫な若葉に惹かれ、同時に若葉も光に惹かれていく。お互いがお互いを想い合い、楽しい日々を過ごしていた2人だったが、小学5年生の夏の日、光のもとに悲報が入る。それは、若葉が通っているスイミングスクールが行ったキャンプ先で、若葉が川で溺れて死んだというものだった。

第二部(第2巻~第14巻)

月島若葉が事故死し、数年の月日が流れた。その間、コウは生前の若葉に言われていた、月島青葉と同じ野球の練習メニューを忠実に実行していた。そして光は星秀学園高等部に入学し、野球部に入部。ピッチャーとして徐々に頭角を現し始め、1年生の時には球速135km、2年生時点ではついに球速150kmを計測をするまでになる。しかし2年生までは、同地区で大本命と目される名門、竜旺学院の大きな壁に阻まれ、甲子園出場を果たせずにいた。そして、光にとって最後の甲子園出場を賭けた、最後の夏が幕を開ける。この時には、光はすでにその名を全国に知られるほどのピッチャーに成長しており、星秀学園高等部は竜旺学院の対抗馬と見なされるまでになっていた。

第三部(第15巻~第17巻)

コウの高校最後の夏。甲子園出場を賭けた地区大会を順調に勝ち進み、星秀学園高等部はついに決勝戦にまで駒を進める。決勝の相手は、かつて敗北を喫している名門、竜旺学院。この年の竜旺学院は史上最強の呼び声も高く、今大会優勝候補の大本命であった。光はこの竜旺学院を相手に、自身の持てる力をすべてぶつけることを誓う。これまで光を支えた両親や仲間たち、そして一番近くで光のことを見ていた、月島青葉が星秀学園高等部の勝利を祈る中、とうとう運命の決勝戦が開始される。

メディアミックス

TVアニメ

2009年4月から2010年3月まで、関田修監督によるTVアニメがテレビ東京系列にて放送された。メインキャラクターデザインは近藤優次、構成は土屋理敬が担当している。主なキャストは樹多村光役を入野自由、月島青葉役を戸松遥、月島若葉役を神田朱未がそれぞれ務めている。

登場人物・キャラクター

樹多村 光 (きたむら こう)

「キタムラスポーツ用品店」の一人息子。右投げ右打ちで、ポジションはピッチャー。幼少期からスポーツ用品に囲まれていたが、野球に関しては長らく興味を抱くことはなかった。しかし、近所の「月島バッティングセンター」にはよく通っており、特に直球に対するバッティングは、当時から大人顔負けだった。千川北小学校5年生の時の草野球では、誰も打てなかった赤石修の球速100kmを超える直球をジャストミートし、ホームランにしている。また、それと同時期に月島青葉の美しい投球フォームを見て憧れを抱くようになり、野球に対する興味が湧くようになる。6月10日生まれで同じ誕生日の月島若葉とは両想いだった。若葉の勧めもあり、青葉と同様のトレーニングメニューを「日課」としてこなしていた。夭折した若葉の夢を果たすため甲子園を目指す。 星秀学園中等部に進学後は、「自信がなかった」として野球部に入部しなかった。しかし、小学生時代から続けていた「日課」と、中西大気と行っていたピッチング練習により、ピッチャーとしての基礎はすでにできあがっていた。高校は、星秀学園高等部に進学し、ついに野球部に入部する。変化球はあまり得意ではないが、直球には定評があり、高校1年時点では135kmだった球速が、高校2年生になると150kmを計測し、高校3年生の夏には、最速158kmを記録するまでになる。持ち球はストレートの他、青葉から教えられたスライダー、カーブ、カットボールに加え、チェンジアップも投げることができる。また、身体能力も高く、チーム一の俊足の持ち主でもある。バッティングも得意で、他校からは「東雄平の次に危険」と警戒されている。

月島 青葉 (つきしま あおば)

月島清次の娘で、月島家の三女。右投げ右打ちで、ポジションはピッチャー。幼い頃からトレーニングを欠かすことなく、野球に打ち込んできた。小学生の時点でその野球センスはすでにずば抜けており、特にその投球フォームは美しく、樹多村光に憧れの対象として見られたほど。当時は、自身が特に好きだった姉の月島若葉が、光を可愛がってベッタリくっついていたため、光に対して嫉妬心を抱いていた。そのため、光に対しては当たりが強くなったり、つっけんどんな態度を取ったりしていた。成長に伴って態度は徐々に軟化はするものの、基本的には大きく変わっていない。 一方で、当時から光の野球の実力は認めていた。中学生になると、星秀学園中等部の野球部に所属し、中学3年生の時には星秀学園高等部のレギュラーメンバーに対して、バッティングピッチャーを務めた。その際、直球と多彩な変化球でレギュラーメンバーを翻弄し、東雄平からも空振りを取るなどして周囲を驚かせた。その後、星秀学園高等部に進学し、野球部に入部する。性別の関係上、試合には出られないものの、バッティングピッチャーを務めたり、光に対して変化球指導をするなど、チームの練習に非常に協力的で、また貢献度も高い。ちなみに、野球の実力は他の部員と比べて遜色なく、女子野球日本代表の一次選考にも合格するほどレベルが高い。また、本人は自覚していないものの美人で、校内の男子に非常に人気がある。なお、好きな男性のタイプは少し変わっており、「160kmのストレートが投げられる男」としている。

月島 若葉 (つきしま わかば)

月島清次の娘で、月島家の次女。コウ(樹多村光)と同じ日に同じ病院で生まれており、幼少期からよく行動をともにしてきた。光に好意を寄せており、毎年プレゼント交換をする仲で、20歳で婚約指輪をもらうと、予定表にも書き記していた。天真爛漫で明るく、誰でも分け隔てなく接するため、皆から好かれていた。スイミングスクールに通っており、泳ぎは得意だった。ところが、小学5年生の夏の日に行ったキャンプで、川の深みに足を取られた小学3年生の女の子を助けようとして溺死している。死の前日に、甲子園にコウが投手、赤石修が捕手として出場する夢を見ていた。

月島 一葉 (つきしま いちよう)

月島清次の娘で女子大生(連載開始時は高校1年生)。月島家の長女。高校時代から「☆月島バッティングセンター」の店番を手伝っており、迷惑な客に対しては、それが男性であっても平気で手を出して追い出すなど、凶暴な一面があった。しかし、大学進学後は落ち着いた性格になった。母親のいない月島家において、妹の面倒もよく見るしっかり者。家事に長けており、料理も上手で、清次が営む「喫茶クローバー」は、滝川あかねがアルバイトに入るまで一葉一人で切り盛りしていた。厨房を任せられることもあり、得意メニューはナポリタン。 過去に付き合った男性は何人かいるが、「別れたら好きになったこと以外はすべて忘れる」と語っており、恋愛遍歴については多くを口にしない。

滝川 あかね (たきがわ あかね)

聖泉女学院に通う女子高校生。そば処滝川の一人娘。喫茶クローバーでアルバイトをしている。誕生日は6月25日で、血液型はA型。成績優秀で、美術部に所属している。絵が上手く、高校2年生の時、月島青葉をモデルにした絵で「全国高校野球選手権大会ポスター用原画コンクール」のグランプリを受賞している。他校の男子に高い人気を誇るが、彼氏は未だにいない。月島若葉に似ており、若葉を知る者からは、その姿を見ただけで驚かれるほど。昔から体が弱く、外で遊ぶ子供のことをうらやましいと思っていた。 高校3年生の夏に入院したが、北東京大会決勝戦の日に手術を受け、成功する。

月島 紅葉 (つきしま もみじ)

月島清次の娘で、月島家の四女。母親と姉を亡くしているが、当時は幼稚園児ながら死という概念もしっかりと理解できていた。小学生になってからは樹多村光のキャッチボールの相手をしていたこともあり、中学時代の月島青葉の暴投をジャンプして捕球するなど、野球センスも優れている。また光のことは、年上ながら呼び捨てで呼んでいる。小学5年生になると赤石修から月島若葉の面影を重ねられるなど、若葉そっくりに成長している。

赤石 修 (あかいし おさむ)

星秀学園高等部野球部に所属する男子。連載開始時は千川北小学校5年生。樹多村光とは小学生からの付き合い。右投げ右打ち。小学生の頃にリトルリーグに所属しており、小学5年生ながら100kmを超える速球を投げるピッチャーだった。また、小学生の頃は腕自慢で喧嘩っ早かったが、星秀学園中等部に進学して野球部に所属してからは、一切喧嘩をしなくなった。それでも、実際は当時一番強いと評判だった中西大気に、「俺より強い」と認められるなど、腕っぷしには自信を持っている。星秀学園中等部の野球部に所属してからはキャッチャーに転向。これは、小学生当時に想いを寄せていた月島若葉が、赤石修がキャッチャーをしていた夢を見て、それを修に、「本当にカッコよかったんだから」と伝えたことがきっかけ。キャッチャーとしても類まれな才能を発揮し、適切な判断力と強肩でチームを支える要となっている。高校3年生の時には、地区で1、2を争うキャッチャーと評されるほどの選手となった。野球部では当初、光と共にプレハブ組の一員だったが、後に正捕手として光とバッテリーを組む。中等部3年と高等部3年では主将を務める。 月島若葉が好きだったが、光がいたために想いを伝えることができなかった。

中西 大気 (なかにし だいき)

星秀学園高等部野球部に所属する男子。樹多村光とは千川北小学校時代からの付き合い。右投げ右打ち。小学生の頃の光に、初めて野球を教えた人物。肥満体型でケンカが強かった。光の口車に乗って小学校で野球チームドアーズを結成し、ユニフォームと野球用具を売りつけられる。星秀学園中等部に進学し、野球部に入部するが、3年生部員全員を殴って退部。高校に入ってからは減量に務め、見事成功。身軽になって華麗なフィールディングを見せるようになり、選手として成長した。 高等部ではプレハブ組の1塁手、1軍では3塁手。

東 雄平 (あずま ゆうへい)

星秀学園高等部野球部に野球留学生として入学した強打者の男子。左投げ左打ちで、ポジションはファースト。長打率が8割を超えるホームランバッターで、走力と守備力にも定評がある超高校級の選手。1軍に所属していたが、1軍がプレハブ組との再戦に敗退し、他のメンバーが他校へ去るのを見送って残留。樹多村光を高く評価しており、同じチームにいることが甲子園への近道だと考えている。特待生でなくなったため寮を出て、樹多村家に居候中。 関心のない選手のことは、チームメイトであってもまったく覚えられないが、光をはじめ三木竜正、三島敬太郎など、実力を認めた選手の顔と名前は即座に覚える。口数が少なく、表情もほとんど変らないポーカーフェイスだが、野球部員の中では女子に一番モテる。しかし、雄平自身は月島青葉に好意を抱いており、他の女子にはまったく興味がなく、もちろん覚えもしない。 自分を守るため兄の東純平がケガをし、野球を断念した過去がある。そのため兄の果たせなかった甲子園出場に固執している。純平が月島一葉と結婚しており、月島家とは姻戚関係となった。月島青葉に告白したことがある。

東 純平 (あずま じゅんぺい)

東雄平の兄で、八百屋に勤務している。朗らかな性格で、笑顔を絶やさず、無口で無表情な弟とは正反対のタイプ。元高校球児であり、鷲尾実業高校のエースで4番を務めていたプロ注目の選手だった。しかし、3年の夏の地区大会決勝戦当日に、階段から落ちそうになった雄平をかばった際に、足のじん帯を断裂。その事故で甲子園はおろか、のちの選手生命まで断たれることとなった。それでも雄平に恨み言一つ言うことなく、明るく振る舞っている。雄平には再三「野球を楽しめ」と言い聞かせている。 八百屋として喫茶クローバーに出入りするようになり、それがきっかけで月島一葉と知り合い、アタックを繰り返してついにゴールインする。

千田 圭一郎 (せんだ けいいちろう)

星秀学園高等部野球部に所属する男子。右投げ右打ち。星秀学園中等部野球部時代にはエースで4番を務めていたが、名門校からの声は一切かからなかった。(樹多村光)とは中等部で同級生。 ナルシストなお調子者で、「女の子にモテモテの重要人物」を自称している。実際にはチームメイトをはじめ、あらゆる人からその存在を忘れられたり、名前を間違えられたりするなど影が薄い。中学生の頃から月島青葉に想いを寄せており、交際を希望しているが、まったく相手にされていない。 高等部では一軍に所属するも、バッティング・ピッチャーだった。壮行試合と最後の一軍選抜テストを兼ねたプレハブ組との対戦に登板するが、3失点して、途中降板させられ、同時にプレハブ組に移籍という憂き目を見る。目立ちたがり屋かつ強肩という特徴を、監督の前野千太郎に買われ、途中からショートへコンバートされている。

前野 千太郎 (まえの せんたろう)

星秀学園高等部野球部で監督を務めていた男性。新たに大門秀悟が監督として赴任してからは、二軍であるプレハブ組の監督として、部員たちを見守っていた。野球に関する知識は豊富で、選手を見る目も確か。樹多村光の素質をいち早く見出したり、千田圭一郎のショートとしての適性を見抜いた。普段はにこやかな好々爺だが、最後の試合となる3年生をなんとかベンチ入りさせてほしい、と秀悟に頭を下げたり、秀悟相手に監督退任を賭けた試合を提案するなど、熱い一面を持つ。当初は勝敗にこだわりはなかったが、プレハブ組を率いて一軍のメンバーと勝負をすることになった際には、勝ちへの強い執念を見せ、熱血指導をしていた。練習はスパルタ気味だが、持ち前の野球の知識と確かな指導力で、プレハブ組の実力をメキメキと上げた。その手腕は部員からも高く評価されており、「本気を出せば一度くらいは甲子園に行けただろうに」といわれている。対一軍戦で勝利し、野球部監督に復帰する。

大門 秀悟 (だいもん しゅうご)

志堂英太郎の紹介で、星秀学園高等部野球部の監督に就任した男性。サングラスをかけ、顎ひげを蓄えている。これまで4つの高校を渡り歩き、春夏合わせて8回の甲子園出場を達成。そのうち優勝1回、ベスト4が2回と、成績だけを見れば文句なしの名監督。 しかし、それだけの実績を残しながら、今まで率いたチームからは、1人として大成した選手はいない。選手は使い捨ての駒としてとしか考えておらず、チーム力の底上げができるのであれば、練習で潰すことすらいとわない。星秀学園高等部野球部に来てからは、二軍であるプレハブ組を見下していたが、監督退任を賭けた一軍対プレハブ組の試合で敗北。その後は黒駒実業に赴任。そこでも監督として大型選手の補強を繰り返しながら、甲子園出場を狙っていたが、都立瀬名高校に敗退している。

志堂 英太郎 (しどう えいたろう)

加藤校長が病気療養中、星秀学園高等部の校長代理を務めている男性。「黙っていても生徒が集まる時代は終わった」と考えており、独断専行で星秀学園と自分の名を高めようと、野球部を甲子園出場校にすることを目指している。そのために、過去に甲子園優勝の経験を持つ大門秀悟を新監督として招聘した。 野球留学生をかき集めさせ、惜しげもなく予算をつぎ込んだ。こういった不正を内部告発されて、理事長から対プレハブ組戦での勝利で不問にするとの条件を与えられるが、敗退し、系列校へ左遷させられる。

志堂 理沙 (しどう りさ)

星秀学園高等部野球部でマネージャーを務める女子。志堂英太郎の娘で、帰国子女。「ミス留学生」に選ばれるほどの美貌を誇るが、マネージャー業務には熱心ではなく、逆に部員をパシリに使うこともしばしば。将来は有名人になることを夢見ている。 「グラビアアイドルの女の子が幼なじみの男と入れ替わって、高校野球で大活躍してプロ野球入りを果たす」という映画のオーディションを受け、最終選考まで残った。その際に行われることになった野球の実技試験に向けて、血豆が潰れるほど練習を繰り返すなど、夢のためであれば努力を怠らない一面もある。最終的にオーディションには合格したが、主演ではなく、「ヒロインをいじめる野球部のマネージャー役」だった。それに伴い、星秀学園高等部野球部野球部を退部し。芸能界入りする。

大久保 博子 (おおくぼ ひろこ)

星秀学園高等部野球部でプレハブ組、後に野球部のマネージャーを務める女子。ふくよかな体型をしており、髪は1つに結んだおさげで、顔の中央にはそばかすがある。あだ名は「デーブ」。部員からぶっきらぼうに命令されても、嫌な顔をせずによく働いており、マネージャーとしての貢献度は高い。実は帰国子女で理事長の孫娘。

大久保 横道 (おおくぼ よこみち)

大久保博子の祖父。赤石修の実家の酒屋によく訪れる常連客。星秀学園高等部野球部に頻繁に顔を出しており、当初は周りから、ただの酔っ払いの爺さんくらいにしか思われていなかった。ちなみに、その正体は星秀学園高等学校の理事長。志堂英太郎の不正を把握しており、一軍対プレハブ組では志堂に、勝利すれば不問にすると条件をつける。

月島 清次 (つきしま せいじ)

月島青葉や月島若葉らの父親で、月島家の大黒柱。「月島バッティングセンター」と「喫茶クローバー」を経営している。面倒見が良く、お人好しの性格をしている。高校時代は控えだったが、甲子園に出場経験のある高校球児で、ポジションはキャッチャーだった。そのため、もし男の子が生まれたら野球選手にしようとしていた。大きな笑い声は今も昔も変わりはないが、若葉を事故で失った後には、酒を飲むたびに人知れず涙を流していたこともあった。働き者で娘想い。ヘビースモーカーで火のついていないタバコをいつもくわえている。

月島 洋子 (つきしま ようこ)

月島清次の妻で、月島青葉や月島若葉らの母親。若葉が小学2年生の頃に他界している。四姉妹全員の名付け親でもある。月島家には、小さな写真立てに笑顔で写っている写真が飾られている。故人なのでほとんど登場しない。

朝見 水輝 (あさみ みずき)

星秀学園高等部山岳部に所属する男子で、月島家4姉妹の母方のいとこ。父親で登山家の朝見勇にくっついて、世界中あちこち回って育った。「高校生活だけは日本で過ごしたい」という水輝本人の希望で、月島家に居候している。夢は父親のような登山家になることで、ハイキングレベルがせいぜいの山岳部での練習に加え、独自にトレーニングを積んでいる。 他のクラスの女子からも騒がれるほど容姿端麗で、上級生の女子からもよく告白されているが、その申し出はすべて断っている。昔からいとこの月島青葉のことが好きで、高校生になってからも変わらず好意を寄せているが、野球に全く興味がないこともあり、相手にされない。帰国子女なので得意科目は英語。幼い頃からキャンプを幾度となく経験しているので料理も得意。高い所が大好きで、学内でも建物やフェンスの支柱を登攀し、たびたび注意を受けている。

朝見 菊次 (あさみ きくじ)

月島洋子、朝見勇の父。朝見水輝の父方の祖父で、月島家4姉妹の母方の祖父。カメラが趣味で、幼い頃の樹多村光と月島若葉の写真を何枚も撮っていた。貴重な思い出となる若葉の記録を多く残しており、その写真はアルバムにまとめられている。

朝見 とき枝 (あさみ ときえ)

月島洋子、朝見勇の母。朝見水輝の父方の祖母で、月島家4姉妹の母方の祖母。

朝見 勇 (あさみ いさむ)

朝見菊次、朝見とき枝の息子で朝見水輝の父。月島洋子の弟で月島家4姉妹の叔父。世界的な登山家で、中学生までは水輝を連れて世界中を旅していた。東雄平もその存在を知っているほどで、認知度は日本国内より海外の方が高い。

樹多村 健作 (きたむらけんさく)

コウ(樹多村光)の父親。キタムラスポーツ用品店を経営している。野球が好きで、光が幼い頃に、キャッチボールをしたこともある。その時に光の顔にボールを当ててしまい、それからキャッチボールをすることはなくなった。東京ヤクルトスワローズの大ファンで、東京読売ジャイアンツを嫌っている。

樹多村 君江 (きたむら きみえ)

コウ(樹多村光)の母親。夫の樹多村健作が経営する「キタムラスポーツ用品店」の手伝いをしている。得意料理は手作りコロッケで、月島青葉からの評判も上々。千田圭一郎の名前を、なぜか「山田くん」と間違えて覚えている。

三木 竜正 (みき たつまさ)

星秀学園高等部野球部に所属した男子。大門秀悟監督がスカウトした野球留学生の選手。右投げ右打ちで、ポジションはセンター。器用なバッターで、球種を問わず外寄りのコースを得意としており、追い込まれるまでは内角のコースに絶対手を出さない。中学時代にはエースで4番を務め、6つもの高校から声をかけられていたが、それらを蹴って星秀学園高等学校に進学した。その決め手は、東雄平と一緒に野球をしたかったからである。しかし、大門監督指揮のもと行われた夏の地区大会3回戦で、監督の指示を無視したプレーを決行。それが結果的に、大門監督の采配ミスを部員たちに気付かせるきっかけとなった。その出来事以降、部内でも随一の実力があるのにも関わらず、スタメンを外されるようになった。そのような経緯から、自分本位な采配を行って、選手に対して冷たい大門監督のことを反面教師としており、星秀学園高等学校野球部を退部。 「勝ったら全員で抱き合える野球」を理想としており、夏の地区大会終了後に、野球の無名校である都立瀬名高等学校に転校する。3年の夏、瀬名高等学校のエースで4番となり、移籍した大門が監督を務める黒駒実業高校を倒し、借りを返すが、古巣の星秀学園には惜敗。

巻原 (まきはら)

星秀学園高等部野球部に所属する男子。右投げ右打ちで、ポジションはサード。樹多村光たちの2年先輩にあたる。星秀学園中等部野球部に所属していた時からサボり癖があり、ろくに練習をしていなかった。そのため、中等部の時は、そのあまりにも不真面目な態度に激昂した中西大気に殴られ、ボコボコにされている。性格はお調子者で単細胞。しかし、前野千太郎からは、その単純なところが「唯一の長所」と評されている。

宮 俊男 (みや としお)

星秀学園高等部野球部に所属する男子。樹多村光が2年生の時にキャプテンを務めていた。ポジションはレフト。バントを得意とする技巧派だが、反面パワー不足で、2年生になるまでは前野千太郎からも「宮のスイングなら台風でもない限りフェンスは越えなかった」と言われてしまうほどだった。しかし、キャプテンに指名されてからは、素振りを繰り返してパワーを付け、ホームランも打てるように成長する。元プレハブ組。

加藤 (かとう)

星秀学園の校長を務める男性。眼鏡をかけ、鼻の右下にホクロがある。病気療養のため長期休職して、しばらく志堂英太郎に校長代理を務めさせていたが、志堂の失脚後、復職する。

糸山 徹 (いとやま とおる)

星秀学園中等部野球部の監督を務める男性。モミアゲまで達する立派な顎ひげを蓄えている。星秀学園高等部の野球部監督である大門秀悟には頭が上がらず、敬語を使って低姿勢で接している。

寺田 (てらだ)

竜旺学院高校野球部監督を務める男性。名門野球部の監督として結果を残し続けている名将。春夏2年連続で甲子園に出場、三島敬太郎たちが3年生の時の春の選抜高校野球では優勝を果たす。しかし三島敬太郎の実力を恐れた志摩野忠に、「敬太郎を出せば自分は出ない」と言われた際には、敬太郎をスタメンから外すなど意志の弱いところもある。いわゆる悪人顔ではないため、月島青葉からは「今一つ敵として憎めない」と評されている。

三島 敬太郎 (みしま けいたろう)

竜旺学院高校野球部に所属する男子。右投げ右打ちで、ポジションはサード。樹多村光とは同学年で、東雄平からも顔と名前を覚えられている、超高校級のスラッガー。夏の大会では、竜旺学院で1年生として唯一スタメン出場を勝ち取っており、その試合でホームランを打つなど結果も出している。しかし、その直後の守備で骨折してしまい、全治6か月の重傷を負った。その後は、実力を認めて恐れた志摩野忠からの圧力もあり、試合の出場機会は少なくなった。それでも本人はまったく腐らず、「おれの野球人生は甲子園のずっと先まで続くんだ」と発言し、マイペースに野球に取り組むなど余裕を見せている。 2年生の時、星秀学園戦で、志摩野の骨折退場によりレギュラーに復帰。

及川 卓郎 (おいかわ たくろう)

竜旺学院高校野球部に所属する男子。樹多村光とは同学年。右投げ右打ちで、ポジションはピッチャー。竜旺学院が誇る左右二枚看板の1人。球速140kmを超える直球に加え、まったく同じ腕の振りからさまざまな球種を投げ分けることができる。決め球はフォーク。また、ランナーを背負ってクイックで投げても、球威と制球力が落ちず、牽制も上手い。バッティングも得意で、ピッチャーということもあって打数は少ないものの、五割を超える高打率を誇っている。松島とは対極的によくしゃべり、監督からは「おしゃべりエース」と呼ばれている。しかし、そんな表向きの姿とは対照的に、相手や状況をよく見て即座に分析するなど、理知的な一面もある。3年目の夏の地区大会では、球速150kmを計測しているが、決勝では光に決勝本塁打を浴びる。

志摩野 忠 (しまの ただし)

竜旺学院高校野球部に所属する男子。樹多村光の1学年上。左投げ左打ちで、ポジションはファースト。高校通算50本塁打を放つプロ注目のスラッガー。甲子園のスターなので、竜旺学院内では偉そうにサインをするなどスター気取り。特に下級生からの評判が悪い。同じスラッガータイプの三島敬太郎の存在を恐れており、監督に「敬太郎を出せば自分は出ない」と圧力をかけて、敬太郎の出場機会を奪っていた。当の敬太郎からは冷めた目で見られており、「あの人が通用するのは高校野球まで」と相手にされていない。対星秀学園戦で打球を素手で止めて骨折退場。

松島 (まつしま)

竜旺学院高校野球部に所属する男子。左投げ左打ちで、ポジションはピッチャー。樹多村光の1学年上のエース。竜旺学院が誇る左右二枚看板の1人。球速140kmを超える直球と、キレ味鋭い変化球が持ち味。中でもスライダーのキレが抜群と評判。一方で、スタミナに難があり、[◆及川卓郎]からは「食事の好き嫌いをなくさないと9回持たない」と言われている。常に冷静で、「静かなエース」の異名を持つ。

野球留学生 (やきゅうりゅうがくせい)

『クロスゲーム』に登場する大門秀悟監督の甲子園優勝の実績と、志堂英太郎教頭から供給される奨学金でかき集めた有力選手たち。一軍の中心選手として扱われていたが、大門追放により、特別待遇がカットされ、ほとんどの選手が星秀学園を去ることになる。

ノモ

月島青葉の家で飼われている猫。白黒の模様で首に鈴をつけており、「なー」と鳴く。毎年正月になると、月島家の面々が親戚の家に行くため、その期間だけは野良猫に戻って自由な生活を謳歌している。

アイドルA (あいどるえーす)

『クロスゲーム』に登場する映画作品。原作はあだち充。志堂理沙がヒロインのオーディションに参加。ヒロインの座は逃すが、意地悪なマネージャー役を獲得する。

集団・組織

星秀学園 (せいしゅうがくえん)

『クロスゲーム』に登場する中高一貫教育校。樹多村光たちは中等部から通っている。高等部野球部は不良の溜まり場と化していたが、志堂英太郎教頭が、校長の病気療養中に校長代理となって独断で予算を動かし、甲子園の常連だった大門秀悟監督を招聘し、野球留学生を集めて革新をはかる。しかし自己の名声と利益しか頭にない志堂・大門体制は一軍・二軍制度を取り入れ、二軍は「プレハブ組」(dwbt9irtd-jp)と呼ばれて、部内でも肩身の狭い思いをしていた。しかし、戦力外だったプレハブ組によって覆され、強豪チームとして再生する。

プレハブ組 (ぷれはぶぐみ)

『クロスゲーム』に登場する星秀学園高等部野球部の2軍的なグループ。新任の大門秀悟監督が行った選抜テストに落ちた選手、テストを拒否した選手が追いやられる。部室は物置同然の「ふあ~む」と書かれたプレハブ建築なので、こう呼ばれる。指導者は一軍監督を追われた前野千太郎監督。ことごとく差別的扱いを受けているが、主人公のコウ(樹多村光)をはじめ実力のある選手が多い上に老練な前野監督に鍛えられており、野球留学生中心の一軍との対戦では勝利を収め、志堂英太郎教頭・大門監督を追放することに成功する。

竜旺学院高校 (りゅうおうがくいんこうこう)

『クロスゲーム』に登場する野球名門校。星秀学園と同じ地区に所属する。夏の甲子園ベスト8、春の選抜ベスト4など、近年輝かしい成績を残している。上位から下位まで切れ目のない打撃陣に加え、球速140kmを超える左右の本格派投手、及川卓郎と松島を二枚看板として擁し、「全国制覇」を目指している。

千川北小学校 (せんかわきたしょうがっこう)

『クロスゲーム』に登場する小学校。コウ(樹多村光)、月島家の姉妹、赤石修、中西大気たちの母校。

都立瀬名高等学校 (とりつせなこうとうがっこう)

『クロスゲーム』に登場登場する高校。野球部員12名という無名チーム。星秀学園野球部を退部した三木竜正が3年生時にエースで4番としてチームを牽引し、夏の北東京大会では、因縁の大門秀悟監督率いる黒駒実業高校と初戦でぶつかり、僅差で勝利。次の試合では星秀学園と対戦し、善戦するも敗退する。

黒駒実業高校 (くろこまじつぎょうこうこう)

『クロスゲーム』に登場する高校。星秀学園を解雇された大門秀悟監督を迎え、同じ手法で有力選手を集めたが、夏の北東京大会では無名の都立瀬名高等学校に初戦敗退の憂き目を見る。

アニメ

クロスゲーム

家がスポーツ用品店の樹多村光と、バッティングセンターで喫茶店を営んでいる月島家の四姉妹はお馴染み。中でも光と一番の仲良しは小学校一のアイドル月島若葉。そんなふたりは小学5年の夏、お祭りに行く約束をして... 関連ページ:クロスゲーム

書誌情報

クロスゲーム 11巻 小学館〈コミック文庫(青年)〉

第1巻

(2018-08-08発行、 978-4091933881)

第2巻

(2018-09-14発行、 978-4091933898)

第3巻

(2018-10-12発行、 978-4091933904)

第4巻

(2018-11-15発行、 978-4091933973)

第5巻

(2018-12-14発行、 978-4091933980)

第6巻

(2019-01-15発行、 978-4091933997)

第7巻

(2019-02-15発行、 978-4091934000)

第8巻

(2019-03-15発行、 978-4091934161)

第9巻

(2019-04-15発行、 978-4091934178)

第10巻

(2019-05-15発行、 978-4091934185)

第11巻

(2019-06-14発行、 978-4091934192)

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