概要・あらすじ
35歳という若さで課長になった中上登は、往復4時間の通勤や体力の衰えなどから、どうしようもない空虚感に襲われていた。そんな中、社内一の美女と評判の二葉由美と深い関係になり、生きる喜びを取り戻す。しかし、ほどなく不倫が会社にバレて2人は破局を迎え、中上は京都支社へ飛ばされてしまう。由美を失った喪失感が癒えぬ中上だったが、京都でひょんなことから出会った女子大生・羽鳥淳子から好意を抱かれる。
登場人物・キャラクター
中上 登
相互興産東京本社で営業二課の課長を務める36歳の男性。眼鏡をかけた平凡な容姿の普通のサラリーマン。酒を飲むぐらいで、趣味もない。1年前、社内でもトップ級のスピード出世で課長に就任した。郊外に建てたマイホームで妻と幼い2人の子供とともに暮らし、往復4時間をかけて通勤している。そのため睡眠時間もろくに取れず、休みの日は家族サービスで疲れ切っている。 同じ営業二課に所属する社内一の美女と評判の二葉由美と深い関係になり、身も心も夢中になる。しかし、不倫が会社にも家族にもバレて京都支社へ飛ばされ、由美とも終わりを迎える。単身赴任となった京都では、女子大生・羽鳥淳子と恋に落ちる。
二葉 由美
相互興産東京本社の営業二課に勤める26歳の女性。代々木のマンションで一人暮らしをしている。黒髪のロングストレートの髪型で、社内一と評判の美女。若い男はつまらない、と恋人と別れ、上司である中上登との不倫に走る。会社にバレて辞職するが、次のいい就職先がなかなか決まらず、中上と別れて故郷の山口へと帰った。この別れが、中上に深い喪失感を長きにわたって与えることになる。
羽鳥 淳子
京都にある名門お嬢様大学、京華女学院大学に通う大学1年生の女の子。セミロングのヘアスタイルでヘアバンドをした、まだあどけなさの残る可愛らしい顔立ち。京大生の久雄と交際しているが、まだキスしかしていない。やたらと体を求めてくる久雄に疲れており、ひょんなことから出会った中上登に惹かれていく。
久雄
ハンサムで背も高い京大生。羽鳥淳子の彼氏。淳子と交際を始めて半年になるが、まだキスまでしか許してもらえず、SEXすることで頭がいっぱい。淳子が男子禁制の女子会館暮らしで、久雄も男子寮のため、SEXへ持ち込むチャンスがない。我慢できずに、個室喫茶で押し倒すが淳子に拒絶される。以降はヤルためだけに男子寮を出て、一人暮らしを始める。 しかし久雄のファッションも話題も中身がなさすぎて、淳子からは愛想をつかされつつある。
山形 総一郎
中上登の単身赴任先の相互興産京都支店で外商課長をしている38歳の男性。大学時代にラグビーでならしたマッチョな肉体で、スポーツマンらしいさっぱりとした性格。実は中上と同じく不倫が原因で、2年前に京都支店へ飛ばされて来た。単身赴任で家族から距離を置いたため、妻や子供とは逆にうまくいくようになった、と中上に話す。中上の先輩としてよき飲み仲間であり、相談相手となる。
井上
中上登の単身赴任先となった相互興産京都支店の支店長の男性。眼鏡をかけ、髭剃り跡の濃い人物で、中上と同じく単身赴任中。家族の暮らす東京本社へ戻ることを切に願っている。少年の頃は宮大工になるのが夢だったと中上に語り、日本のサラリーマンには夢も希望もないと漏らす。無事に東京本社へ戻れることになるものの、その後、悲劇に見舞われる。
秀二
中上登の妻の弟。年齢は28歳。口髭を生やし、渋谷で美容院を経営している。中上の家を訪れ、脱サラして自分の美容院の仕事を手伝わないかと誘う。共同経営者として、給料をいまの2倍出すという条件を提示した。
谷村
山形総一郎の後任として、相互興産広島支店から京都支店へやって来た初老の男性。仕事はそつなくこなすが、高卒のため定年を2年後に控えて、やっと外商課長昇進となった。陰気なタイプで、飲みに行ってもネチネチとグチをこぼす。仕事を生きがいとし、昼食はいつもアンパン1個と牛乳という苦労人。
矢代
井上の後任として相互興産京都支店長に就任した男性。東大卒の超エリート。中上登よりも年齢が1つ下で、年下が上司になったことで中上にショックを与える。いつも笑顔で温厚そうな見た目だが、定年間近の谷村を、みんなの前で中卒以下の出来だとこき下ろす辛辣な性格。中上登を尾行して、羽鳥淳子との不倫を確かめるなど、ねちっこい。
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