異世界で聖騎士の箱推ししてたら尊みが過ぎて聖女になってた

世界にその名を知られる要塞国家アハト・オーアイン。その強さの秘密は、尋常ならざる練度で鍛え上げられた聖騎士隊と、彼らに奇跡と加護を授ける「オーアインの聖女」であった。時の聖女、エナ・ミレーナは、歴代の聖女の中でも圧倒的な魔力を持っていたが、じつは転生者である。彼女の前世は、平凡なOLの江波レナ。ブラックな仕事の合間に、必死でアイドルグループを「箱推し」（グループ全体を応援すること）していたアイドルオタクだった。ある日、あっさりと命を落としたレナは、気がつくとファンタジー世界の農民の娘、エナ・ミレーナに転生していた。そして、聖騎士隊のトップに君臨する聖騎士三人に惚れ込んだ彼女は、彼ら三人を「箱推し」する。聖騎士は神の化身であり、彼らを崇（あが）めることは神を崇めることと同じである。神は信仰の強い人間に力を授ける。そのため、聖騎士への「尊み」が高まるほど、ミレーナは聖女としてどんどん成長していった。そしてついにミレーナは、「オーアインの聖女」として、聖騎士三人のそばに仕えるまでに上り詰めたのだ。こうして異世界でも「推し活」を続けるミレーナは、萌えたり、尊んだりするという、趣味と実益を兼ねた行為で、チート級にジョブレベルをアップしていく。