百瀬 明葉

デザイン会社「森田デザイン」に勤めるデザイナーの女性。初登場時の年齢は27歳で、旧姓は「大加戸」。大雑把かつズボラで、気が強くマイペースな性格の持ち主。独身で現在は恋人もおらず、今まで付き合ってきた男性ともうまくいかずに別れている。周囲が結婚したり婚活に励んだりする姿に焦りを覚えながらも、今の仕事に充実感とやりがいを感じているため、「生涯独身上等」「お一人様最高」などと言いながら自由な独身を謳歌している。愛称は「アッキー」「明ちゃん」。結婚願望はないが、偶然出会った百瀬柊から、唐突に偽装結婚をしたいとプロポーズされる。その理由が不毛な片思いをカモフラージュするためと知りつつも、その時は断って極力かかわらないようにしていた。しかし、入院した大加戸初恵が大切にしてきた小料理店「はつや」を守るために借金を背負い、肩代わりしてくれると言う柊に頼む代わりに、彼が以前言っていた、偽装結婚して表面上の妻となる話を受ける。これ以来、お互いの目的のために愛情のない形だけの偽装夫婦となり、柊が借りた一軒家に引っ越し、二人で同居することになる。この際に柊に借金をすべて返したあとは離婚するという条件をはじめ、食事や寝室は別々にしてお互いに深く干渉しないといった、いくつものルールを柊と定めた。ズボラな一人暮らしを送ってきたことから、当初は堅物で生真面目な柊とは価値観やライフスタイルの違いからうまくいかないこともあったが、柊の家族である百瀬家の人々との出会いや、仕事や日常を通した交流を重ねるうちに少しずつ打ち解けていく。やがて柊の片思いの相手が百瀬美晴だと知り、彼女に敵わないと理解しながらも彼に思いを寄せるようになり、恋心を隠しながら偽装妻として振る舞っている。柊といっしょにいられるなら、今は本当の恋人や夫婦になれなくてもいいと考えていたが、両親が帰国して借金を完済できたことにより、偽装結婚生活に終わりが近づく。なんとかこの生活を引き延ばそうとした結果、美晴の家出騒動を心配した柊からも今の生活と関係を続けてほしいと言われ、その後もさまざまな出来事を経て彼との距離を縮めていく。しかし、フランスへの転勤が決まった柊から離婚を告げられ、訳がわからないまま離婚する羽目になり、名実ともに彼と他人となる。離婚後も柊と暮らしていた家に残っておもちを預かっていたが、彼がフランスにいるあいだにすっかり思いは冷めてしまい、仕事では独立を果たす。3年後に帰国した柊と再びいっしょに暮らすようになったことで彼から告白され、反発を繰り返しながらもかつての恋心を思い出し、彼としっかり向き合うことを選ぶ。