瞬きの音

瞬きの音

『惡の華』『血の轍』などで知られる押見修造の連載作品。舞台は現代の日本。作者である押見修造が、脳腫瘍により15歳の身体のまま成長が止まった弟を描くことで、自らの半生を振り返る自伝的作品。小学館「ビッグコミックスペリオール」2025年1号から2026年8号まで連載。

正式名称
瞬きの音
ふりがな
まばたきのおと
作者
ジャンル
兄弟・姉妹・双子
 
自伝・伝記
レーベル
ビッグ コミックス(小学館) / 小学館
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

実話をもとにした自伝的作品

本作の主人公は、大学生時代の作者、押見修造。これまで語られることがなかった実の弟が登場する、実話をもとにした自伝的作品である。作者が「ぼく」という一人称で過去を語る回顧録で、私小説的な要素が強い点が最大の特徴となっている。焦点となるのは、15歳だった弟の身に起きた不幸な出来事だが、作者自身が初めて漫画を描いたときのことや初めての単行本に対する家族の反応、彼女との馴(な)れ初めから結婚に至る過程なども同時に描かれる。

15歳から抜け出した兄と15歳に閉じ込められた弟

東京で一人暮らしをして4年目、大学に全く行かずに漫画と彼女のことで頭がいっぱいになっていた21歳の「ぼく」のもとに、父から電話がかかってくる。それは、弟が脳腫瘍になったという報せだった。手術後、弟は後遺症のために成長ホルモンが出なくなり、15歳のまま成長が止まってしまう。「ぼく」にとって15歳は特別な意味がある。父に与えられた本やレコード、絵によって作られた「本当の世界」に惑わされ、母には女の子との交際を激しく叱責され感情をつぶされた。15歳の時に「両親に殺された」と思った「ぼく」は、中学生時代に閉じ込められて抜け出せないと思っていた。その後、漫画を描くことによって生き返れると思ったとき、15歳の弟が病気になった。自分が15歳から抜け出し、弟が15歳に閉じ込められたことから、「ぼく」は弟を身代わりにしたと考えるようになる。

本作制作のきっかけ

小学館の漫画サイト「ビッコミ」に掲載された、押見修造と伊奈子の特別対談の中で、本作制作のきっかけに触れている部分がある。「これまで、弟のことだけはなぜか描けなかった」という押見は、「今回は弟をそのまま描きたくなったんです」と言い、「フィクションを織り交ぜて描くのは『血の轍』でやり切ったので、今回はノンフィクションとして描こうと」したという。さらに読者に向けて「フィクションを描いていた人間が限界に追い詰められていく様子を、ぜひ見守ってほしい」「漫画家としての“最後”を見届ける気持ちで読んでいただけたらと思います」とメッセージを送っている。

登場人物・キャラクター

ぼく

作者である押見修造をモチーフにした男性。本作の語り手。群馬県出身で、両親と6歳年下の弟がいる。高校卒業後は東京の大学に進学し、一人暮らしをする。21歳の時、漫画の新人賞を受賞後、初めて漫画が商業誌に掲載される。大学へはまったく行かずに漫画に没頭していた時、弟に脳腫瘍が見つかったという連絡を受けて帰省。その後、15歳のまま成長が止まってしまった弟との関係を考えるようになる。弟からは「兄」と呼ばれる。

きみ

本作の語り手である「ぼく」(押見修造)の6歳年下の弟。作中では「きみ」と呼ばれる。なお、単行本第3巻には名前がわかる描写がある。15歳の時に脳腫瘍が見つかり、その後遺症で身体の成長が止まってしまう。高校卒業後は東京の大学に進学。卒業後は故郷である群馬県に戻る。兄のアシスタントをしていたこともあり、兄と同じように漫画家になりたいと考えていた。

書誌情報

瞬きの音 3巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2025-05-30発行、978-4098634194)

第2巻

(2025-10-30発行、978-4098636228)

第3巻

(2026-02-27発行、978-4098637829)

瞬きの音 4巻 小学館

第4巻

(2026-03-30発行、978-4098638116)

SHARE
EC
Amazon
logo