概要・あらすじ
ごく普通の女子高生、護塔水面は受験や学校、家のことなど、繰り返される日常に嫌気が差していた。そんな彼女はある日、猫を追いかけて飛び出した車道で謎の光に包まれる。気を失った水面が目を覚ますと、そこは見たこともない廃墟と化した神殿だった。状況を把握する間もなく、崩れた床の崩落に巻き込まれた水面は、その先で台座に突き刺さる不思議な剣「竜騎」と、自らを「勇者を導く者」と語る青年、沙棗に出会う。
間髪入れず、神殿の奥深くから現れた怪物に襲われる水面に対し、沙棗は、ごく普通の女子高生として怪物に食われるか、勇者となって竜騎を操り世界を救うかと問いかける。水面はその問いかけに、勇者となることを選択するのであった。
登場人物・キャラクター
護塔 水面 (ごとう みなも)
日常に鬱屈とした閉塞感を感じている16歳の女子高校生。短くまとめられた髪型に、品のない言葉遣いをするボーイッシュな雰囲気の少女。受験に勉強と、同じことが繰り返される日常に息が詰まる思いで、積極的に死にたくはないが、生きていたいわけでもないという無気力感に襲われていた。ここではないどこかへ逃げたいという逃避願望を抱えていたところ、「竜騎」の勇者として異世界へ召喚される。
沙棗 (さそう)
異世界へ召喚された護塔水面が、目覚めた時に出会った謎の青年。緋色の背中まで伸ばした長い髪が特徴的。自分のことを「勇者を導く者」と称し、勇者として召喚された水面に、封印されていた「竜騎」を解放して与えた。古い知り合いというメリー・アンからは「化け物」と呼ばれ、暗に200年以上生きていることが示唆されるなど、謎の多い人物。
メリー・アン (めりーあん)
「竜騎」の勇者として目覚めたばかりの護塔水面を狙って現れた謎の少女。ふわふわとした長い髪の毛が特徴的な幼い外見をしているが、「まだ200年も生きてない」と口にするなど、外見と実年齢が伴っていない。竜騎の勇者の命を狙う「四天王」の一人で、石骸兵(ゴーレム)を呼び出したり、魔光弾(マジックバレット)を放つなど、魔法全般を得意としている。 勇者の命を狙っていながら、勇者の存在を信じておらず、水面が勇者であることを強く否定している。
サラちゃん
「竜騎」の勇者として目覚めたばかりで、力の扱い方を知らなかった護塔水面の修行相手として呼ばれた火の妖精の女性。長い髪の毛に4枚の羽を持ち、扇情的な衣装を身に纏っているが、体は水面の顔程の大きさしかない。異世界に召喚される前の水面と猫の姿で会っていた。
シド
「竜騎」の勇者の命を狙う「四天王」の一人。前髪を上げたオールバックの髪型をした男性で、冷酷な性格をしており、任務のためであれば仲間の命を奪うことに躊躇いがない。刀を武器としている。
鎧羅
「竜騎」の勇者の命を狙う「四天王」の一人。巨大な西洋風の甲冑で全身を包んでおり、無口であるために性別や人格、年齢などが一切明らかにされていない。
集団・組織
四天王
ドメルという人物が率いる組織。メリー・アンをはじめに、残虐な性格をした女性であるダーキニー、冷徹な性格をした刀を持つ剣士であるシド、西洋風の巨大な甲冑に身を包んだ無口な人物の鎧羅といった4人で構成されている。「竜騎」の勇者を討伐することを任務としている。
その他キーワード
竜騎
護塔水面が呼び出された異世界に封印されていた力のこと。剣の形をしており、意思を持っている。「竜騎」の勇者として呼び出された水面に、沙棗が封印を解放することで与えられたが、水面のことを完全に主と認めていないために、その力は完全には発揮されていない。その一方で、自分に自信を持てない水面に助言をして導くなど、水面の中にある可能性を信じている素振りを見せる。 普段は剣の形ではなく、玉のような形となって水面の手の甲に収まっている。
烈火昇竜弾
「竜騎」として目覚めた護塔水面が使用する魔法の一つ。サラちゃんとの修行中に使用方法を教わった。呪文を唱えることで発動する、炎の弾を敵にぶつける火系の魔法で、本来ならば遠当てに使える魔法である。ただ、竜騎に認められていない水面は小粒程度の炎の弾しか生み出せず、遠距離に放つことができないため、至近距離から敵に直接ぶつける。 力を完全に使いこなせていない水面の烈火昇竜弾ですら、岩を砕くほどの威力を持つ。
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