篠田 青衣

商社に勤務しているキャリアウーマン。年齢は26歳。何をやらせても完璧にこなすクールな美人。すらっとした長身で、すっきりしたショートヘアにしている。女性からはカッコイイと言われ、学生時代からモテている。一方、男性からはあこがれの的として崇(あが)められはするが、スキがなくて声をかけづらいと思われている。一見完璧に見えるが、実はアイドルユニット「SE2NA」の大ファン。特にメンバーの一人、瀬戸翔羽にはかなり入れ込んでおり、彼のメンバーカラーである赤を意識した小物を多く所持している。実は10年前、一世一代の決意で告白した相手にフラれ、傷心していた時に偶然にもメジャーデビューを果たしたばかりの翔羽から声をかけられたことがあった。プロモーションのためのビラ配りとセールストークだったが、彼の言葉は卑屈になっていた青衣の心を解きほぐし、ときめかせた。それ以来、すっかりSE2NAの大ファンになり、イベントやライブにこっそりと参加し、10年にわたり翔羽一筋で追っかけを続けてきた。平日の昼食は基本的に一人で取ることを決めており、誰から誘われても考えごとをしたいからと断っていたが、実は一人でSE2NAを堪能したいことが本当の理由。SE2NAの巨大看板がよく見えるとっておきの店の特等席で、一人きりの自由時間を楽しんでいる。そのオタクぶりがバレないように、アイドルの追っかけをしていることは誰にも話していない。会社ではクールを装っているが、翔羽引退のニュースに打ちひしがれていた時に偶然にもその様子を瀬戸深月に見られてしまい、アイドルオタクがばれてしまった。誰かに執着すること自体を否定する深月とは、一時的に険悪になりかけるが、その後和解。これをきっかけに、今まで隠してきたこともすべて打ち明けられる関係になり、次第に親しくなっていく。その後、深月からの告白を受け、交際をスタートさせるが、何しろずっとアイドルオタクに徹してきたため、男性との交際の経験はなく、深月のような「生身のイケメン」に気後れする場面も多くあり、基本的に深月にリードされる形で関係を深めていく。その後、1年後輩の佐野玲奈から、深月への思いを打ち明けられる。深月との関係を指摘されるも否定すると、なぜか彼女の恋愛相談に乗ることになり、さらに協力を求められることになるが、深月から正式に断られたと報告を受けると、それ以来互いになんでも話せる女友達として信頼を築き始める。