紅たん碧たん

紅たん碧たん

テキ屋のささにしき組に養女として訪れた高校生の山野紅葉。しかし、義父になるはずの組長はすでに他界していた。さらに慌て者の組長の手違いで紅葉は妻になってしまう。東京下町を舞台にした任侠ドタバタコメディ。

正式名称
紅たん碧たん
ふりがな
あかたんあおたん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

両親と育ての親を亡くした山野紅葉は、足長おじさんのように陰で見守ってくれていたささにしき組の親分を訪ねる。しかし、親分は急逝しており、その内縁の妻の紅葉の面倒を見ることを約束する。そこに弁護士がやってきて、書類の手違いで高校生の紅葉が妻に、が養女になってしまう。へんてこな関係の中で任侠の世界に起こるトラブルが面白おかしく繰り広げられる。

登場人物・キャラクター

笹本 紅葉 (ささもと もみじ)

高校生。関東ささにしき組の組長。もともとは花札を作る札師の娘だったが、両親を亡くし、叔母に育てられていた。さらにその叔母も亡くなってしまうが、その際に関東ささにしき組組長の養女になる話があることを告げられる。叔母が亡くなったあと、ささにしき組の組長・万蔵にあいさつに行くが、その万蔵も前月に急逝したことを知る。 その際に養子縁組と婚姻届の書類が間違えて提出されていて、万蔵の妻となり、未亡人になってしまったことがわかる。亜麻色の髪をしていて、身体は細身で到底ヤクザ世界には似合わない容姿をしているが、度胸は据わっていて大組織の親分を前にしても物おじしない姿を見せる。

笹本 碧 (ささもと みどり)

関東ささにしき組の組長・万蔵の内縁の妻。万蔵の死後は組を切り盛りし、仕切っていた。紅葉が組に訪れた際に、万蔵が書類を書き間違い養女になっていたことを知る。紅葉が万蔵の妻になっていたため、書類上は紅葉の子どもということになってしまう。深川の芸者だった過去を持ち、博打場でツボ振りもしていた。 その頃、隠し牡丹の通名を持っていたが、それは背中に白粉彫りという手法で彫ったボタンを持っていることから来ている。おっちょこちょいなところがあり、勘違いからこしひかり組に乗り込んだり、「足長おじさん」を「胴長おじさん」と言い間違えたりすることも度々。沖田総司の愛刀・菊一文字を持っている。

笹本 万蔵 (ささもと まんぞう)

関東ささにしき組の組長。短気な性格で、極道を地で行くような人物。紅葉の父親とは幼なじみで、陰で紅葉を見守る優しさを持っていた。せっかちな性分から書類を間違い、紅葉を妻に、碧を養女にしてしまう。その事実を知らぬまま急逝する。

前田 京 (まえだ みやこ)

紅葉の高校の学友。父は産婦人科の医師で、医学部へ進学し後を継ぐよう頼まれている。転校してきた紅葉とは席を隣にしており、毎日のように登校時に迎えに来ている。学校の内外問わず紅葉と行動をともにし、親友的な立場でもある。

高山 初太郎 (たかやま はつたろう)

紅葉の通う高校の1年生。高校の体育館で行われた古米連合との勝負を見てヤクザに憧れる。学校の廊下で紅葉を呼び止め仁義を切り、組への入門を打診する。その後、盃を受けささにしき組に入り、兄貴分の三吉とともにシマの見回りを任されるが、映画などで見るヤクザとの違いに辟易する。 しかし、町で暴れていたゴロツキを相手に三吉が切った仁義を見て組に残る。

ジュリアーノ・ロッシ

イタリアンマフィアのロッシ家の次男。万蔵とジュリアーノの父は第二次世界大戦時の旧知の仲。古い日本の任侠道に精通し、武器として日本刀の備前長船を持つ。5人の姉と、ジョバンニという兄がおり、家督相続のため、碧を嫁にする目的で来日。しかしジュリエットという恋人がいるため、家督をとるか恋人をとるか板挟みになっている。

ジョバンニ・ロッシ

ジュリアーノの兄。ジュリアーノ同様に、家督争いのため来日。弟を根暗といい、自分は明るく美しいと公言する。性格は臆病で図々しい。乙女心を多少は理解しているようで、その点は紅葉も認めている。考えていることをそのまま口に出してしまうところがあり、失言から碧に度々叩かれる姿が見られる。

ジュリエット・マッセリーノ

イタリアでも三指に入るマフィアのマッセリーノ家の娘。ジュリアーノの恋人であるが、ジュリアーノがロッシ家を継がない場合は結婚ができないという条件があり心を痛めている。しかし、ジュリアーノを追って来日。そのお腹には子を宿している。

六甲寺 純 (ろっこうじ じゅん)

帝京ホテルチェーンの若きオーナー。継母の美波子は春香という源氏名の芸者で、碧とは因縁を持つ間柄。継母の一回忌に合わせ、因縁のもととなった10年前の浅草勝負を碧に申し入れる。

(ぎん)

関東こしひかり組の幹部。左頬に大きな傷がある。ドス銀の異名の通り、短刀を武器として持つ。細身の色男だが女に弱いことでも知られており、碧が着物から内ももを見せただけで鼻血を吹き出してしまうほど。

陣吉 (じんきち)

ささにしき組の組員。特に役職はないが長年組に仕え、他の組員からは兄貴分として見られている。万蔵の死後には碧の補佐を行い、出入りの際にも真っ先に付き従う。ひとこと多いところがあり、うっかり口を滑らせて碧の叱りを受けることもよくある。酒好きで縁日のお神酒をくすねて飲んでしまうほど。

三吉 (さんきち)

ささにしき組の組員。ひょろっとした容姿でヤクザにはまず見えない。初太郎が入門した後、その面倒を見ることになる。シマ内の見回りを担当しているが、主に町内の一人暮らしの老人の家を回る御用聞き。しかし、任侠としての誇りは強く、町内で揉め事に出くわした際には多勢相手に仁義を切って対抗する度胸も見せる。 町内の信望は厚い。紅葉いわく「優良ヤクザ」。

集団・組織

関東ささにしき組 (かんとうささにしきぐみ)

『紅たん碧たん』に登場する組織。万蔵が組長を務めていたテキ屋。万蔵の急逝後、碧が組の面倒を見ていたが、手違いで紅葉が万蔵の妻になったことから跡目を次ぐ。極道渡世とは少しかけ離れた人情味のある組で、町内の祭り事や御用聞きなども行う。組員の結束は固く、町からの信頼もある。

関東こしひかり組 (かんとうこしひかりぐみ)

『紅たん碧たん』に登場する組織。ささにしき組と駅を挟んだ反対側の地域を取り仕切るテキ屋。子どものような性格の組長が跡目を継いでいる。組幹部の銀が主に組み内部を取り仕切っている。ささにしき組には対抗意識を燃やしており、神社での祭りの際には屋台勝負を挑んできた。

古米連合会 (こまいれんごうかい)

『紅たん碧たん』に登場する組織。関西の大勢力のヤクザ組織。関東に勢力拡大を画策している。紅葉の通う学校の生徒にアヤを付け、手打ち代わりに花会を開くことを提案。さらに、ツボ振り勝負で組の存亡をかけての大一番を仕掛けてくる。

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