組長の娘は異世界で最強の組を作るため極道無双はじめました

鮫島組組長の娘、鮫島千登世は、14歳の少女ながらステゴロ最強。規格外の強さを誇るヤクザだった。ある日千登世は、お目付け役の鮫島組若頭、富山経義とともに、異世界に転生してしまう。見慣れない風景に啞（あ）然としていると、獣人族のツキノワという少年が、千登世を襲ってきた。あっさりツキノワを退けた千登世は、彼のしっぽを気に入りペットにすることを宣言。ツキノワの家に押しかけ、食べ物を用意させる。ツキノワによると、この世界では人間たちが「勇者兵団」を組織し、圧倒的な武力で魔族領に侵攻。むやみに魔族を狩り、奴隷にしたり死骸を売ったりと、悪逆非道な行いをしているという。事情を理解した千登世は、ツキノワを舎弟に加え、しばらくこの獣人の里に留まることにする。翌日、勇者兵団がこの里にもやってきた。物理結界（エンチャント）が仕込まれた鎧（よろい）を身にまとう彼らに、獣人たちの攻撃はまったく通用しない。獣人族最強の女剣士、キクノハですら歯が立たず、勇者兵団の兵長に捕らわれてしまう始末である。負け犬人生を送ってきたツキノワだったが、勇気を振り絞り、自作の移動式大砲で兵長に立ち向かう。しかし大砲は自爆してしまった。兵長は鋼鉄製の巨大メイス（棍棒（こんぼう））をツキノワに振り下ろす。そこに姿を現したのが千登世である。彼女は腕を組んだまま、メイスを頭で受け止め「飼い犬のケンカは私のケンカ」と言い放つ。強烈な左ストレートで、兵長を宙高くふっとばした千登世は、さらにヘッドバッドで追い打ちをかける。兵長がはるか彼方に吹っ飛んでいくのを見た勇者兵団たちは、恐れをなして撤退した。こうして獣人の里を守った千登世は、この土地を「鮫島組」のシマ（縄張り）にすることを宣言。アガリの5割をみかじめ料として支払うことを要求する。女の子ゆえに現世では組の跡目をつげなかった千登世は、異世界で新しい組を設立。念願の組長として新たな人生をスタートした。