羽柴楓はときめきたい

恋する感情を知りたい楓

頭脳明晰（めいせき）で容姿端麗な羽柴楓は、そのかわいらしい見た目から入学してすぐに男子生徒から告白され、付き合うことになる。しかし感情の起伏のまったくない楓は、あっという間に振られてしまう。楓はこれまでの人生で「人を好きになる」「胸がときめく」などの経験がいっさいなく、恋するときめきを感じたいと独自の研究を重ねていく。そんな中、楓は1年生ながら、生徒会に参加しないかと先生から勧められる。すると自分以外にも、イケメン二人組「オダモリコンビ」として知られる織田陽光と森庵司が参加すると知った楓は、恋するときめきを感じるチャンスだと生徒会への参加を決める。そして楓は、オダモリコンビに恋する感情を教えて欲しいと直訴する。楓の突拍子もない言葉に引き気味の庵司とは対照的に、女性へのサービス精神に長けた陽光は快諾する。こうして楓は二人と行動を共にするようになるが、一部の女子生徒からは楓が陽光か庵司と付き合うことが目的ではないかと、敵視されるようになる。

初めての生徒会イベント

羽柴楓、織田陽光、森庵司の三人は、初めて生徒会主導のイベント企画を任される。生徒同士のつながりを持ちたいという多くの声に応え、楓たちは学校で合宿イベントを企画する。そして当日は楓たちの頑張りもあり、合宿イベントは大盛況で1日目が終わろうとしていた。しかし、朝から発熱していたことを隠しながら奮闘していた陽光は、ついに倒れてしまう。保健室のベッドで横になっていた陽光は、いつもの天然気味で飄々（ひょうひょう）とした性格は鳴りを潜め、楓に弱音を口にする。陽光の意外な一面を知り、さらに彼が2日目のイベントに参加できるかどうかわからない状況に、楓は生まれてはじめて胸の高鳴りが止まらなくなる。

気持ちが通じ合う楓と陽光

生徒会主催の合宿イベントを通して、羽柴楓は織田陽光に恋心を抱いていることを自覚する。すると陽光はそんな楓を受け入れ、二人はいっしょに勉強をしたり、夏祭りに行ったりと楽しい時間を過ごす。楓としては幸せな毎日であるものの、陽光が自分に優しくしてくれると、途端にぎこちなくなってしまう自分が許せないでいた。そして、自分のぎこちない振る舞いが陽光を傷つけてしまうのではないかと悩んだ楓は、陽光から文化祭はいっしょに回ろうと誘われるが、思わず断ってしまう。