苺シンドローム

高校2年生の古瀬樹は、4年前、中学1年生のときに隣のアパートに越してきた日野冬馬に恋をする。彼は教師を目指している大学生だった。以来3年半、樹は片思いを続け、クリスマスイブの夜に告白。日野のOKをもらい、二人は付き合うことになった。そして翌春、数学教師となった日野は、樹の高校に赴任してきた。こうして二人の恋愛は、はからずも禁断の恋となった。とにかく日野のことが大好きで、いちゃいちゃしたい樹は、彼からのキスを待っていた。しかしクールで照れ屋の日野は、樹を子供扱いして誤魔化してばかり。学校でも様々な手段でキスをアピールする樹だが、失敗続き。そんなある日の放課後、一人で教室に残っていた樹のもとに、日野が教材の忘れ物を取りにくる。寂しそうな樹の様子を見た日野は、彼女が持っていたアリクイのぬいぐるみにキスをして、それを樹の唇に当てた。間接キスだった。日野は顔を赤らめながら「学校ではできない」「自分の心の準備ができていない」という理由で、今はこれで我慢してくれと言った。樹はそれを了承するが、「そんなに我慢強くないからね」と返す。こうして二人の距離は少しずつだが縮まっていくのであった。