逆襲インフェルノ

養護施設「ひかり園」にいる、中学三年生の日向アスキが主人公。アスキは、同じ施設にいるユッコが通う女学院にやってきた。ユッコが、変態教師の嫌がらせを受けていると聞きつけたからだ。品竹という教師を問い詰め、謝らせようとするアスキだが、まったく反省の色がない品竹は、逆にアスキを一撃で叩きのめす。裕福な家庭に育った品竹は、護身のためにあらゆる武術を習っていたのだ。

アスキを痛めつけながら、ユッコへのセクハラを続ける品竹。その品竹の目の前に、ヒモで吊るされたスマホが現れる。アスキと同じ施設出身のユウイが、三階の窓から品竹の危険な言動を盗撮していたのだ。あわててスマホを奪おうとする品竹だが、三階から飛び降りたユウイの下敷きになり、完全に気を失ってしまう。

アスキたちは、品竹を縛り上げ、パンツ一丁にして動画を撮影。二度と仲間に悪さをするなと脅しをかける。事件は一件落着したかに思えたが、品竹は執念深い男だった。その日の夜、高台にある公園で、アスキとユウイが話していた時のこと。公園の外から二人を眺めていたユッコを、品竹が捕まえて人質にしてしまった。

ユッコにナイフを突きつけた品竹は、スマホを壊して高台から捨て去り、さらに自らも飛び降りるよう、ユウイに命令する。落ちたら確実に命がない高さだが、ユウイは仕方なくフェンスを乗り越えて飛び降りる。驚くアスキとユッコ。ユウイの安否を確認するため、品竹はフェンスから身を乗り出した。すると、ユウイにその髪の毛をわし摑みにされる。

ユウイは落ちたわけではなく、高台の縁にしがみついていたのだ。その隙に、ユッコは無事に脱出することができた。品竹をボコボコにした後、アスキはユウイの元に駆け寄るが、ユウイは胸をナイフに刺されていて、高台から落下寸前であった。フェンスを摑んで、必死で手を差し伸べるアスキ。なんとか二人の手が触れ合ったかと思われた次の瞬間、アスキは見知らぬ世界にいた。

そこは人っ子一人いない街だった。そして街の先には、果てしなく広がる荒野があった。わけも分からず、荒野を歩くアスキの前に、ゆっくり飛行する巨大な怪物が現れた。四つの眼でアスキを睨みつけた怪物は、触手のようなものでアスキを捕らえて、その巨大な口に運ぼうとする。あわやというところで、怪物は巨大な針に切り裂かれてバラバラになり、アスキは命拾いする。

針のような武器を操っていたのは、二人組の青年だった。ここはどこだと問うアスキに、青年は「地獄」だと答える。アスキは死んだというのだ。呆然とするアスキを置いて、二人組はサイドカーつきのバイクで去っていく。自分が死んだことが信じられないアスキは、二人を追って荒野をさまよう。

そして歩き疲れて倒れてしまった。気がつくと、アスキは牢屋のような場所に閉じ込められていた。やがて朝になり、今度は鬼のような化物が牢の前に現れる。化物はアスキを摑み上げると、外へと向かった。そしてアスキを大きな穴に放り捨てた。穴を滑り落ちた先は、コロッセウムのような場所だった。化け物たちの大観衆に迎えられたのだ。その中に、豪華な椅子に座ったボスのような鬼がいた。

ボス鬼は剣を投げ入れ、アスキに向かって、目の前のヤツと殺し合うよう命じる。目の前にはアスキと同じ年頃の少年がいた。少年は剣を手に取ると、アスキに斬りかかってきた。こうして、アスキの地獄でのサバイバルが始まった。