闇神コウ ~暗闇にドッキリ!~

闇神コウ ~暗闇にドッキリ!~

幼なじみを守って鬼に殺害された少年・広瀬鋼が、自らも鬼となり、人間に戻るために、鬼の魂を求めて戦う和風ファンタジー。「週刊少年ジャンプ」2003年18号から35号にかけて掲載された。

正式名称
闇神コウ ~暗闇にドッキリ!~
ふりがな
やみがみこう くらやみにどっきり
作者
ジャンル
和風ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

曲がったことが大嫌いな少年・広瀬鋼は、幼なじみの榊原茜を襲った謎のに立ち向かい、そのまま殺害されてしまった。現世に干渉できない、無力な魂となってしまった鋼は、骸錬師の少女・芦屋路蔭から、鬼となることを勧められるが、鬼に対する嫌悪感からそれを拒絶する。しかし、再び謎の鬼に襲われてしまった茜の姿に動揺した鋼は、彼女を守るために、鬼を倒す鬼・闇神になることを決意し、圧倒的な力で見事に鬼を撃退する。

闇神となった鋼は、人間として生き返る条件となる鬼の魂を100体分集めるために、路蔭とともに世に仇をなす鬼たちと、人知れず戦い抜くことになるのだった。

登場人物・キャラクター

広瀬 鋼 (ひろせ こう)

高校2年生の少年。鼻に十字の傷が入った、真っ直ぐな性格をした熱血漢で、不正や弱いものいじめが大嫌い。腕っ節も強く、複数の不良を相手にしても、軽く叩きのめせる空手の達人。そのため、近隣の不良界隈では「十字傷の狼」と呼ばれて恐れられていた。潜在的に高い霊力を持つため鬼が見える体質。謎の鬼に襲われていた幼なじみの榊原茜を守ろうとして返り討ちに遭い、殺害されてしまう。 その後、骸錬師の少女・芦屋路蔭の勧めで、鬼を倒す鬼・闇神となる。そして、人間に戻る条件となる鬼の魂を100体分集めるため、人に仇をなす鬼を倒し続けることになる。守銭奴で自分勝手な路蔭とは度々衝突していたが、幾多の実戦を経て、互いの心が通じ合う名コンビとなっていく。

芦屋 路蔭 (あしや ろいん)

鬼退治を生業とする骸錬師の少女。美人で聡明だが、「お金のために一直線に生きてるんだもの」と断言するほどガメつい守銭奴。報酬を得られない鬼退治には興味を示さないドライな性格。実際に茜の叔父を鬼から守った後に、100万円という高額な報酬をせしめていた。骸錬師としては超一流の能力を持ち主で、鬼によって殺害された広瀬鋼を、実験体のつもりで、鬼を倒す鬼・闇神として蘇らせる。 その後は、闇神となった鋼を存分にコキ使いながら、各地で鬼を倒し続けることになる。コンビとなった初めは直情的な鋼を馬鹿にしていたが、数々の戦いを経て、鋼に対して徐々に信頼を寄せるようになる。本名は「芦屋聖子」で、大人っぽく見えるが、まだ鋼と同じ高校2年生。

榊原 茜 (さかきばら あかね)

高校2年生の少女。広瀬鋼の幼なじみ。早くに両親を亡くしており、現在は叔父と同居している。不良に苛められていた子猫を1人で助けようとするなど、正義感が非常に強い。謎の鬼から自分をかばって死んだ鋼の死を、誰よりも悲しんでいた。彼との楽しかった思い出を忘れないように、笑顔で日々を過ごしていた。実は1000年に1人しか生まれない霊的特異変質者・北辰巫女で、身の周りの霊気や妖気を無尽蔵に吸い取ってしまう特殊な存在。 闇の天帝を復活させ、この世を闇へ導こうとする織田信長によって、その身を狙われていた。

月御門 醒明 (つきみかど せいめい)

天才陰陽師と称される端正な顔立ちをした若き男性。呪符から式神と呼ばれる下僕を作り出し、自在に操ることができる。過去の因縁から闇神を危険視しており、広瀬鋼に異様な敵愾心を向け、陰陽師の血筋にかけて彼を消滅させようとした。武蔵坊弁慶との戦いで図らずも鋼と共闘し、鋼の力と心構えを目の当たりにして、その決意に迷いが生じ始める。

武蔵坊弁慶 (むさしぼうべんけい)

数百年の間、陰陽石に封じられていた巨大な鬼。主君である「源義経」を裏切った人間を憎むあまり、鬼と化した僧兵。複数の腕を持ち、巨大な刀を振り回して相手を攻撃する。一時的に力を合わせた広瀬鋼と月御門醒明のコンビネ-ションの前に敗れ去った。

風魔 小太郎 (ふうま こたろう)

風魔一族の棟梁。織田信長の配下の鬼。戦国の乱世で活躍していた忍一族だったが、戦う場所を求めて信長の軍門に下った。北辰巫女として覚醒した榊原茜を狙い、下僕である風魔の忍を使って、茜を信長の下へ連れて行こうとしていた。他の鬼と合体して戦闘力を高めることができる強敵。

織田 信長 (おだ のぶなが)

甲冑で身を包み、長いマントを羽織った強大な鬼。人間を愚かと見下して憎んでおり、闇の天帝を復活させて世界を闇に包み込み、すべての人間を粛清する野望を抱いていた。そのために北辰巫女である榊原茜をさらい、彼女が持つ無尽蔵な霊気を手中に収めようとする。北辰巫女が現れるまでの400年間、力をためながら闇で過ごしており、その戦闘力は絶大。 腕一本使わずに、広瀬鋼の攻撃を跳ね返していた。

高山 響 (たかやま ひびき)

スピード狂の鬼。山中のハイウェイをバイクで爆走し、多くのバイカーを事故に追いやっていた。もともとは地元で敵なしの最速ライダー。スピードの出しすぎで事故死した後に、最速に対する強い執着心から鬼と化した。骨で作られた闇神仕様のスーパーカーに乗った鋼と、速度を争って対決する。

茜の叔父 (あかねのおじ)

榊原茜の叔父。会社を経営している中年男性。両親を亡くした茜を引き取り、家族として育てていた。表面的には誰もが羨む成功者だが、実は嫉妬からくる劣等感によって、茜の父親を交通事故に見せかけて殺害した張本人。茜を引き取ったのも、彼女を傷つけることに真の目的があった。のちに鬼となった茜の父親に殺害される。

冴島 玲子 (さえじま さえこ)

グラマラスなボディをしたT大学の女性教授。科学者の一家に生まれた才女で、超常現象で金銭を得ているインチキな霊媒師が大嫌い。超常現象のすべてを科学で解明できるとして、悪性電磁場をマイナスイオンで除去する装置を開発。霊現象が発生するという地域へ出かけては、装置の力を試していた。

幸司=P=繁村 (こうじぱうえるしげむら)

トレジャーハンターをしている日系人の男性。世界中の遺跡を探索しては掘り返し、埋蔵品を発掘している。発掘の確率は低く、世間的には穴を掘るだけの「ダメダメトレジャーハンター」呼ばわりされている。海賊の隠し財宝を探すため、縄文島で乱暴な発掘をしていたところ、やって来た広瀬鋼らと鉢合わせする。

沢村 (さわむら)

気が強く、陰湿な性格をした女子高生。故人。何かと目立つ優等生である芦屋路蔭の存在が気に食わず、友人と徒党を組んで、意味もなく突っかかるなどの嫌がらせを繰り返していた。ヒマ潰しでイジめていた生徒が自殺後に鬼と化し、その恨みで殺害されてしまう。

その他キーワード

骸錬師 (がいれんし)

形代に人間の魂を憑依させ、闇神として使役できる能力者。もともとは陰陽師の能力の一部だったが、1000年前に闇神が起こした騒乱のために禁術とされた際に、陰陽師から切り離され、骸錬師という独立した存在となった。頭以外なら、闇神の体のどこが損傷しても復元可能。闇神となった広瀬鋼に、自然界の守護精霊「四神」を融合させ、強大な力を発揮させていた。

闇神 (やみがみ)

骸錬師が形代に魂を吹き込んだ式神の一種。自我を持ち、鬼と同等の力を持つ強力な存在。骸錬師の芦屋路蔭は、闇神となった広瀬鋼に、自然界の守護精霊「四神」を融合させ、強大な力を発揮させていた。1000年前に制御を失った闇神が京都の街を滅ぼしかけた事件が発生して以来、陰陽師からは鬼と同じ敵扱いをされている。

(おに)

極度の怨念を抱いた人間の魂が変質した末に生まれる、異形の化け物。理性や過去の記憶をすべて失い、怨念の成就を目的として活動する。怨念の対象がいなくなると、破壊と殺戮の本能のみが残るため、非常に危険な存在となる。1000年以上前から、人間社会の裏で跋扈している存在で、陰陽師などがこれを退治していた。

北辰巫女 (ほくしんのみこ)

1000年に1人生まれる霊的特異変質者。身の周りの霊気や妖気を無自覚に吸い取ってしまう能力を持つ。吸収できる容量が他の生命体とは桁違いで、その莫大な霊気を、闇の天帝復活を画策する織田信長に狙われてしまう。現代の北辰巫女は榊原茜だが、本人には自覚はなかった。茜の幼馴染である広瀬鋼の霊力が目立たなかったのも、彼女が鋼の霊気を吸い取っていたことに、その理由があった。

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