概要
「すずしろノースクリニック」の精神科医を務める男性。認定セックスセラピストとして、性にまつわるさまざまな悩みを抱える人々の相談に乗っている。つねに仕事優先のいわゆるワーカホリック。担当の患者に対して介入しすぎるところがあり、周囲からはいつも釘(くぎ)を刺されている。日々患者には性の悩みを恥じなくていいと伝えているが、実は霜鳥壱人自身も性に関する悩みを抱えており、定期的に「加瀬南口クリニック」に通院している。担当医である加瀬鈴鹿のカウンセリングを受けているが、自分が悩んでいることを人に知られるのが怖いと感じている。壱人自身の悩み事は、セックスに関することだけではなく、人と深くかかわることや、誰かを愛したり愛されたりすることに対して恐怖心を抱いている。そんな中、小学生の時のクラスメイトの市之瀬祐美と18年ぶりの再会を果たす。当時から魅力的だった祐美にひそかに思いを寄せていたが、小学5年生のある日、学校の花壇でいきなり祐美からキスされたことがあった。その後、家庭の事情で突然転校することになり、祐美とのかかわりも途絶えることになったが、再会したことで再び気持ちに火が付いてしまう。加瀬からも誰かと深くかかわることを勧められていたことも後押しとなり、自分を変えたいという強い思いから祐美と交際を始めることになる。実は、壱人自らが抱えているセックスの悩みは深く、何年も前からセックスに恐怖心を覚えている。しかしセックスをしたくないわけではなく、いざ行動に移してもその瞬間になると性行為に対して嫌悪感が湧き上がり、胸の辺りが息苦しくなって気持ちがどこかへ消えてしまう。その原因は両親にあり、小学校5年生の時にママの不倫が発覚。その怒りで冷静さを失ったパパに連れられて向かったのが、ママと新川の不倫現場であり、壱人はリビングのソファで全裸でセックスに興じる母親の姿を目にする。窓越しにその様子を見ることを強制され、あれがセックスなのだとパパに教えられたうえ、パパがハンマーでガラスを叩き割って家の中へと侵入。そのハンマーを不倫相手の新川の足に何度も振り下ろした凶行が、すべて壱人の目の前で行われた。その際、パパは「深く関係がつながるほど壊れた時は悲惨なんだ」とつぶやき、壱人に人間関係の闇を刷り込んだ。そのすべてがきっかけで、壱人の中でセックスはトラウマとなり、人と深くかかわることをも遠ざけるようになった。そのため、祐美との交際はうまくいかず、そのすべての原因が自分にあると思い詰め、祐美を思うあまり自ら別れを告げてしまう。非常に几帳面で掃除好きでもあり、一人暮らしが長いこともあって料理上手。
登場作品
SとX ~セラピスト霜鳥壱人の告白~ (えすとえっくす せらぴすとしもとりいちとのこくはく)
性にまつわる悩みを相談できる専門機関「すずしろノースクリニック」では、認定セックスセラピストの資格を持つ医師たちがさまざまな人々の相談に乗っている。その一人、精神科医の霜鳥壱人も、セックスセラピーによ... 関連ページ:SとX ~セラピスト霜鳥壱人の告白~
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