青春ヘビーローテーション

基本情報

『きっと愛だから、いらない』に次ぐ、水瀬藍の連載作品で代表作の一つ。

要旨と舞台設定

現代の高校を舞台に、素直で明るい性格の小坂奈緒と、奈緒が高校受験の日に出会った榛名圭司の恋愛を描く。クラスメイトになった榛名はモテるがゆえに「自分のことを好きだという女子は嫌い」という一癖ある性格だが、奈緒には毎日ちょっかいを出してくる。

ストーリー展開

物語は、純粋な奈緒とクールな榛名の対比を軸に進み、奈緒の友人、古沢つぐみの恋愛模様も並行して描かれる。奈緒と榛名は次第に距離を縮め、やがて恋人関係になるものの、幼なじみの登場や応援部の活動を通じた人間関係の変化など、様々な出来事が二人の関係に影響を与えていく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、学校生活、部活動、恋愛関係における葛藤を描いた学園ラブコメディ。恋愛感情や友情の変化に重点が置かれた、王道の青春ストーリーが特徴。

連載状況

小学館「Sho-Comi」2020年5号より連載。

高校入試当日、気弱になっている友達を励ますため、小坂奈緒は2個持っていると噓をついて自分のお守りを友達にあげてしまう。試験会場はピリついた雰囲気で、緊張してしまう奈緒。小刻みに足を震わせていると、後ろから来た男の子が「お守りを人にあげちゃうからだよ。ダセェ」と言ってきたので、奈緒は「お守りは関係ない」と反論した。その男の子は奈緒の手を取り、手のひらに桜を書いた。「はい。飲んで」と言われ、素直に従う奈緒。すると震えは止まっていた。よく見るとその男の子はとてもイケメンで、いらずらに微笑む笑顔に奈緒は一目惚れしてしまう。友達と共に無事星涼高校に入学した奈緒。新入生代表で挨拶していたのは、入試の時に出会った男の子、榛名圭司だった。彼は顔良し、頭良し、スポーツ万能のパーフェクト男子で、学校にモデルのスカウトが来たこともあるという。奈緒は榛名と同じクラスで隣の席になり驚く。奈緒が受験の時に助けてくれたお礼を言うと、彼は覚えていないフリをしたが、すぐに「うそ。覚えてるよ。小鹿脚」と言って笑った。奈緒は少し浮かれていたが、中庭で榛名が女の子から告白されてるところを目撃してしまう。榛名はその女の子に「ウザい。迷惑だ」と冷たく対応していて、黙っていられなかった奈緒は二人の間に入り、「彼女の気持ちをちゃんと受け止めてあげなよ」と口を出してしまう。すると榛名は「俺は自分のことを好きだと言う女子が嫌いなんだよね」と言うので、カチンときた奈緒は「あたしは一生、好きだなんて言わないから安心して」と言ってしまう。すると榛名は奈緒の腕をつかみ、顔を近づけてきた。キスされるとドキドキした奈緒だったが、髪についた花びらをとってくれただけだった。「誤解するようにわざとやったでしょ？」と奈緒が怒ると、榛名は軽く舌を出してからかうのだった。顔はいいけど、性格は最悪。好きになる前で良かったと思っていた奈緒だったが、榛名に話しかけられたり、目が合うとドキドキしてしまい、彼を知れば知るほど、好きになっていることに気づく。自分から「好きだなんて言わない」と言ったことを後悔し始める奈緒だった。