BLOOD+ A

BLOOD+ A

1916年、人に化けた吸血生物・翼手を倒すため、サヤとハジはペテログラードを訪れる。王族周辺に潜む翼手に手をかけているうちに、サヤは自らが人殺しであることに責めさいなまれていく。戦い続けねばならない少女の悩みを、ロマノフ王朝時代の出来事に絡めながら描く。アニメ『BLOOD+』のスピンオフ作品で、サヤや翼手の基本的な設定は同じだが、物語はアニメでは描かれていないオリジナルストーリー。作中にはラスプーチンやニコライ2世など、実在した人物をモチーフにしたキャラクターが多数登場する。

正式名称
BLOOD+ A
ふりがな
ぶらっどぷらす あだーじょ
原作者
ProductionI.G
原作者
Aniplex
作者
ジャンル
歴史IFもの
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概要・あらすじ

1916年、ロマノフ王朝時代のロシア。人に化けた吸血生物・翼手を倒すため、翼手に対抗する組織・「赤い盾」の一員サヤハジはペテログラードを訪れる。徐々に王族周辺の人物たちと交流を重ねるサヤ。しかし彼女のターゲットになる翼手である人物を知り、戦ううちに迷いが生じて、失敗を重ねてしまう。

一方で司祭であるグレゴリー・ラスプーチンは、治療と称して難病の人々を翼手化。王族には翼手の始祖であるディーヴァが擬態して紛れ込んでおり、皇帝一家の周りには無数の翼手が湧き始める。「人殺し」と罵られながらも、サヤ翼手たちを次々に手にかける。

登場人物・キャラクター

音無 小夜 (おとなし さや)

黒髪ショートカットの少女。不死身の存在である翼手を殺すことができる。「赤い盾」から翼手探索の任を受け、ロシアの帝都・ペテログラードに、シュヴァリエ(従者)であるハジと共に訪れた。翼手化していく人間を倒す使命を持っていたものの、翼手になる前の人間のクラウディアを切ってしまったこと、今まで自分が数多くの翼手を殺し続けてきたことを気に病み、任務に失敗してしまう。 しかしグレゴリー・ラスプーチンが翼手化の薬を人々に飲ませていること、翼手の女王ディーヴァが潜んでいることを見て、抹殺するために立ち上がる。ハジには信頼を深く寄せており、ディーヴァを抹殺したら、自分を殺してほしいと彼に告げている。 彼女自身が始祖翼手で、ディーヴァと共に翼手の胎内から取り出された存在。生まれた後、繭となって休眠状態に入り、1915年の南フランスで、繭から出て活動を再開。妹のディーヴァが人類の脅威となっているため、その対抗策として「赤い盾」に育てられた。

ハジ

サヤのシュヴァリエ(従者)。彼女の血を分けられ、不死身の身体を得た、黒髪長髪の男性。サヤと共にロシアの帝都・ペテログラードに入り、翼手探索を行うことになった。チェロの演奏に長けており、腕を買われて皇宮の楽団に入団。内側から捜査を始める。翼手化していく人間を殺さざるを得ずに悩み苦しむサヤの心をなんとか助けようとするも、グレゴリー・ラスプーチンに捕らえられ、「不死の存在」の素晴らしさの見世物にされる。 その後ラスプーチンをシュヴァリエにした翼手の女王のディーヴァの存在を知り、サヤと共に抹殺しにいく。途中、サヤに、ディーヴァを殺したら自分を殺してほしいと告げられ、どんなことがあっても最後まで守りぬくことを誓う。

ディーヴァ

翼手の始祖であり、女王。サヤと同じ、翼手の胎内から取り出された妹。自由奔放な性格で、人間を次々と殺している。ペテログラードでは皇族のアナスタシア・ロマノフに化けて皇室に入り込んだ。シュヴァリエ(従者)として、アンシェル・ゴールドスミス、グレゴリー・ラスプーチン、アレクセイ・ロマノフたちに次々と血を与え、不死身の存在に育て上げた。 人類の脅威であるとされ、「赤い盾」はサヤの血が翼手を倒す唯一の手段であると考え、サヤに抹殺の任を与える。

グレゴリー・ラスプーチン (ぐれごりーらすぷーちん)

怪しげな術を用いて、政治にまで関与するようになった人物。皇太子のアレクセイ・ロマノフの病気を治したことで、宮廷に受け入れられるようになった。実際は翼手の女王ディーヴァのシュヴァリエ(従者)で、治療という名目のもと、人体実験を行って翼手化の薬を開発していた。皇帝ニコライ二世と皇后アレクサンドラは、彼の優しげなセリフと、アレクセイ・ロマノフの治療の確実さに心酔し、寵愛していた。 ところが彼をシュヴァリエにすることに飽きたディーヴァが、アレクセイ・ロマノフをシュヴァリエにしたことで、捨てられてしまう。また彼の前任のシュヴァリエ、アンシェル・ゴールドスミスに、身体の再生が追いつかない状態になるまで拳銃でずたずたに撃たれ、瀕死に追いやられる。 モデルは同時代の実在人物、グレゴリー・ラスプーチン。

アレクセイ・ロマノフ (あれくせいろまのふ)

ニコライ二世の子供で、ロマノフ王朝の正統な皇位継承者。生まれつきの難病に悩まされていた少年。第四皇女のアナスタシア・ロマノフと仲が良かった。アレクセイ・ロマノフを治療できるのはグレゴリー・ラスプーチンのみだったため、ニコライ二世と皇后アレクサンドラはラスプーチンに心酔し、国を傾けることになる。 アナスタシア・ロマノフに化けていたディーヴァに、三代目のシュヴァリエ(従者)として選ばれ、サヤと戦うことになる。モデルは同時代の実在人物、アレクセイ・ニコラエヴィチ・ロマノフ。

アナスタシア・ロマノフ (あなすたしあろまのふ)

ニコライ二世の第四皇女。おてんばな性格で、病弱なアレクセイ・ロマノフを連れまわして叱られることが多い。実際は翼手の女王ディーヴァが化けた姿で、皇室に取りいっていたグレゴリー・ラスプーチンを二代目のシュヴァリエ(従者)としていた。モデルは同時代の実在人物、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。

ビクトル

ハジとサヤが入団することになった皇宮楽団のバンドマスター。2人をチェリストとして迎え入れる。実際はグレゴリー・ラスプーチンの手下として動いていた。ラスプーチンがハジを捕まえた際は、サヤに代理を務めるように言うなど、裏工作を働いてた。サヤの血に不死身の秘密があると考え、彼女の血を口にする。

アンシェル・ゴールドスミス (あんしぇるごーるどすみす)

翼手の女王ディーヴァの最初のシュヴァリエ(従者)。世界中の戦争の裏で、資金や武器を調達し提供している死の商人。反皇室組織で、反ラスプーチン派のフィリップス・ユスコフ公爵、ドミトリ・ロマノフ大公に近づき、資金の協力を申し出ると同時に、処刑が必要であると言う。二番目のシュヴァリエであるグレゴリー・ラスプーチンには「兄さん」と呼ばれており、殺害に失敗した2人にかわって、ラスプーチンを拳銃で身体の再生が追いつかない状態になるまで撃ち続け、川に投げ捨てた。 翼手薬研究を裏で牛耳っている張本人。

クラウディア

皇宮楽団に所属するフィンセントの妹。サヤがペテログラードについてから、はじめて仲良くなった少女。身体が昔から弱く、兄のコネでグレゴリー・ラスプーチンの治療を受けていた。しかし彼女は翼手化が進んでおり、サヤに殺害される。

デヴィッド

翼手殲滅組織「赤い盾」のエージェント。サヤの任務を支援するのが使命。一人の人物ではなく、サヤの活動支援者が代々引き継いでいる名前。ペテログラードでは、人間から翼手になりかけているクラウディアを斬れずにいたサヤを支援した。

その他キーワード

翼手 (よくしゅ)

『BLOOD+A』の用語。人間の血液を吸い、肉を食うことで生きている生物。強靭な腕と脚を持つ。コウモリと猿をあわせたような顔をしており、中には羽を持つものもいる。撃っても切っても死なず、すぐに再生してしまう。殺すためには、サヤの血液が必要。グレゴリー・ラスプーチンが翼手化の薬を開発し、治療と称して難病の人々に投薬、人体実験を行って、翼手を増やし続けていた。

赤い盾 (あかいたて)

『BLODD+A』の用語。翼手殲滅組織。実のところ翼手を倒せるのはサヤしかいないため、彼女を支援するのが主な活動になっている。1883年に起きた生物実験の惨劇以降つくられた組織で、組織長はジョエル、支援者はデヴィッドの名を代々受け継いでいる。

クレジット

原作

ProductionI.G , Aniplex

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