概要・あらすじ
関東最大の暴走族の七代目総長を引退した赤星大吉は、中高6年間を喧嘩に明け暮れたせいで彼女を作れなかったことに焦りを覚え、童貞を捨てるためにテレクラに挑戦する。期待に胸を膨らませていた大吉の前に現れたのは、なんと女性アイドルユニット「Eve」の美少女・舞だった。夢のような状況に戸惑いを覚えながらも、カラオケや回転寿司屋に出向き、舞とのデートを存分に楽しむ大吉。
しかし、海を見に行った2人は、そこで舞を連れ戻しに来た事務所の社長・藤堂に遭遇。初ライブをすっぽかそうとした舞を、「商品」として叱責して殴りつけた藤堂に激怒した大吉は、思わず藤堂に鉄拳制裁を加えてしまう。後日、舞にお礼を言われた大吉は、彼女の友達になることを約束。
彼女に釣り合う男になるために芸能界に入り、そこで天下を取ることを決意するのだった。
登場人物・キャラクター
赤星 大吉 (あかぼし だいきち)
関東最大の規模を誇る暴走族の七代目総長を務めていた少年。年齢は18歳。背中にドラゴンのタトゥーを入れており、それを見た者は、その瞬間に最後を迎えるという噂が流れるほど、関東全域で恐れられる伝説的な不良だった。口より先に手が出る短慮な乱暴者だが、正義感が強く、弱いものいじめや理不尽な仕打ちには、全力で立ち向かう男気のある性格。 さらに、多数のチンピラを相手にしても、簡単に勝利を納められるほど喧嘩が強い。現役時代は大吉のリーダーシップに憧れる者が数多くいた。高校生活の終わりに「新しい何か」を求めて族を引退。中高の6年で女性と付き合ったことがなく、意中の女の子にも振られてしまったため、童貞を卒業するためにテレクラに挑戦。そこで連絡をしてきた人気アイドルの舞と知り合うことになった。 舞とのデートで彼女の孤独な素顔を知った大吉は、舞にふさわしい男になるために、芸能界で天下を取ることを決意する。業界のあちこちで騒動を引き起こすトラブルメーカーとなるが、その野獣のように愚直でストレートな生き方が、多くの人々に影響を与えていくことになる。
舞 (まい)
トゥインクル娘から派生したユニット・「Eve」のメンバー。ショートヘアをしたグラマラスな美少女で、心優しい性格。若者を中心に高い知名度を誇る人気アイドルだが、親しい友人や彼氏がいない現状に、寂しさと孤独を感じている。初ライブを放置して逃走し、テレクラを通じて赤星大吉と知り合った。自分を「商品」呼ばわりした事務所の社長・藤堂を殴った大吉に淡い恋心を抱き、友達になってほしいと懇願する。 以後は芸能界入りした大吉を、陰ながら応援していくことになる。仕事場と家を往復する忙しい日々を送っていたため、回転寿司やカラオケボックスに入ったこともないなど、やや世間知らずな面がある。
堀口 将也 (ほりぐち まさや)
芸能最大手「ポリスタープロ」の社長を務めている男性。不良にカツアゲされていた息子を、赤星大吉に助けてもらったことがきっかけとなって知り合った。ビッグスターになるのが夢であると語った大吉を、藤崎恭子の共演者としてCMに出演させようとする。大吉の胆力と強運を買っており、「この世界をひっくり返せるヤツ」だとして、大きな期待をかけている。 行く先々の現場でトラブルを繰り返す大吉を、辛抱強く見守り続ける。
藤崎 恭子 (ふじさき きょうこ)
トップアイドルの美少女。多くの人を惹きつける魅力的な女性で、赤星大吉も彼女の大ファン。飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者なため、ディレクターやスポンサーのお偉方も、彼女の前では一様に低姿勢になっている。現場ではわがまま放題な言動を繰り返し、理不尽な理由でスタッフをいじめていた。その幼稚な態度を、大吉に厳しく叱責され、初心と笑顔を取り戻すようになった。 親友に裏切られ、クラス全員からいじめを受けていた暗い過去を持ち、皆を見返すために芸能人になった苦労人。自分を叱ってくれた大吉に恋心を抱き、お忍びで彼のアパートを訪れていた。
藤堂 (とうどう)
舞が所属している事務所の社長を務めている男性。「Eve」の初ライブをすっぽかして大吉と一緒にいた舞を、連れ戻しにやって来た。仕事熱心ではあるが、口止め料として大吉に金を渡そうとしたり、舞に対して「商品が恋をしちゃいけないんだよ!」と殴りつけて一喝するなど、かなり傲慢で横暴な性格。怒った大吉のパンチ1発でのされてしまう。
岡本 圭吾 (おかもと けいご)
人気アイドルグループ「ジェニーズ5」のN0.1男性アイドル。爽やかな風貌をした美男子で、業界では共演者キラーとして有名。ドラマで共演した舞を口説き落とそうとしていたが、うまくいかなかった。舞が想いを寄せる赤星大吉を排除するために、昔の仲間であるチンピラを使い、生放送内の企画で大吉を徹底的に痛めつけて、生き恥をかかせようとしていた。
北川 (きたがわ)
サングラスをかけた映画監督の男性。世界を股にかけて活躍している映画界の第一人者。世間からは敬愛を込めて「北川監督」と呼ばれている。お笑い番組に出演していた赤星大吉を見るために、何度も現場へと足を運んでいた。大吉をオオカミの眼をした男と評し、いずれ大物になることを予見する。危険を顧みずに火災から舞を救出した大吉の男気を見込み、自身の次回作に抜擢する。
黒木 麻矢 (くろき まや)
発表したすべてのCDがミリオンセラー連発という奇跡の歌姫。アイドル顔負けの容姿とスタイルをしているミステリアスな美少女。年齢は16歳。小さい頃から歌うことが大好きな女の子だったが、両親が離婚し、ビジネスとしての歌手を強いられている現状に、心が折れかけている。そんな時にテレビで見かけた赤星大吉の力強さに憧れ、家出をして彼に会いに来ていた。 のちに精神的な問題により、声を出せなくなってしまう。
黒木麻矢のマネージャー (くろきまやのまねーじゃー)
音楽事務所に勤めている美形の男性。黒木麻矢を担当しているマネージャーで、仕事のスケジュールの管理や麻矢のケアをしていた。家出をした麻矢を心から心配している風を装っていたが、実は彼女をビジネスの駒としてしか見ていない冷血漢。家出少女だった頃の麻矢の写真を切り札として抱えており、彼女の声が出なくなった時も、勝手に引退しないように写真をネタに脅しをかけていた。 赤星大吉を単なるクズと見下しており、麻矢を取り戻そうとした大吉に、3億円という途方もない額の金を要求する。
南山 三郎 (みなみやま さぶろう)
演歌界のドンと呼ばれる大御所の男性。時代劇に出てくるような屋敷に住んでいる大金持ち。黒木麻矢を救うために3億円の大金が必要になった赤星大吉が、借金を申し出るために三郎のもとを尋ねていた。16歳の頃に事故で亡くなった初恋の娘を、今も想っており、彼女に面差しが似ている井口はるかを映画で脱がすことを条件に、3億円を貸すことを承諾する。
井口 はるか (いぐち はるか)
癒し系グラビアアイドルの女王と称されるスタイル抜群の美少女。南山三郎の半生を描いた映画で、ヒロイン役として三郎との共演を予定していた。クライマックスシーンで脱ぐことを赤星大吉から懇願された際に、自分を大吉に惚れさせたら脱ぐと約束する。裏では「新人潰しの女王」と呼ばれている性悪で、大吉を惑わして魂の抜け殻にし、業界から追い出そうと画策していた。
優季 (ゆうき)
日本を代表する女優の1人。正月スペシャル番組「24時間ドラマ」のオーディションの審査員を務めていた。おっとりした雰囲気を漂わせた、癒し系のEカップアイドル。第一次審査のテーマとして「心」を提案し、「優季が胸にギュッと抱きしめたくなる」パフォーマンスをした男性を勝ちとする旨を、参加者に伝えていた。なお、筋肉がムキムキな男性は嫌い。
久保田 大介 (くぼた だいすけ)
若い女性を中心に圧倒的な知名度を誇る人気アイドルで、爽やかな性格をした好男子。正月スペシャル番組「24時間ドラマ」の公開オーディションに参加していた。オーディション会場にいた赤星大吉の姿を見て発奮し、主演である舞の恋人役を必ず勝ち取る、と意気込んでいた。
氷室 (ひむろ)
関東最大の暴走族の八代目総長を務めていたリーゼントの男性。赤星大吉の後継者だったが、今なお残る大吉の影響を嫌がり、引退後に別の族を作ることになった。自分に従わないメンバーを暴力で締め上げ、関東の新たな支配者になろうとする。騒動を諫めるために戻って来た大吉を罠にはめ、ナイフで突き刺してしまう。「ウソでも何でもつけるヤツが強い」が持論。
清水 (しみず)
関東最大の暴走族の三代目の特攻隊長を務めていた男性。今は警察官となり、白バイを駆って無法者の取り締まりをしている。暴走車を追い詰める高い運転技術は、「交機の鬼」の異名を取るほど。現役の頃は赤星大吉も頭が上がらない存在だった。
ブラッディ・ピート (ぶらっでぃぴーと)
ハリウッドスターの男性。あらゆる国で彼女を作ってきた美形の俳優で、CM撮影のために来日していた。日本でもっとも人気がある女性として舞に目をつけ、ファーストキスを奪って口説き落とそうとする。表面的には紳士のような振る舞いをしているが、内心では日本人や女性を見下している。
集団・組織
トゥインクル娘 (とぅいんくるがーる)
国民的な人気を誇る女性アイドルグループ。舞をはじめとする、選りすぐりの美少女が集められている。メンバーは都内某所にある大きな寮で共同生活をしており、舞に呼ばれて寮を訪れた赤星大吉を痴漢と間違えた。その際に、力を合わせて撃退するなど、結束力も高い。派生ユニットの「Eve」にも舞が参加していた。
クレジット
- 原作
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吉田 滉一
- SHARE
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- EC
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