概要・あらすじ
西森葵はアパートで一人暮らしをする女子高生。ある日、親友渋谷萌から渡されたラブレターを「そんなもん渡されてもキモいんだけど」と一蹴した、学校の王子こと久我山柊聖に憤慨し、彼に文句をぶつけるが心無い言葉であしらわれてしまう。柊聖に不満たらたらの葵だったが、その直後、隣部屋に柊聖が越してくるという予想外の事態が発生する。
ある日葵は、柊聖の部屋のスプリンクラーを誤作動させてしまい、部屋中をびしょ濡れにしてしまう。自分の部屋が使えなくなった柊聖は、半ば強引に葵との同居を決め、二人は一つ屋根の下で暮らすようになる。柊聖のマイペースさや思わせぶりな行動に振り回される日々が始まるが、彼との生活の中で、葵は柊聖に恋心を抱く自分に気付き始める。
しかし、二人の恋の前には、柊聖の兄や元カノ、同じアパートに越してきたキザな眼鏡男子、そして柊聖の抱えるトラウマなど、様々な障壁が立ちはだかるのだった。
登場人物・キャラクター
西森 葵 (にしもり あおい)
ロングヘアーの高校二年生女子。父親の転勤に伴い転校させられそうになるが、友達と離ればなれになるのを嫌がったため、父親の反対を押し切りアパートで一人暮らしをしている。親友の渋谷萌のラブレターを一蹴した久我山柊聖に対し憤慨し、抗議をするが軽くあしらわれてしまう。柊聖とは同じアパートのお隣同士であり、ひょんなことから同居をすることになる。 柊聖のマイペースさや予想外の思わせぶりな行動に振り回されてばかりだが、柊聖の時折見せる屈託のない優しい表情や、積極性に徐々に惹かれていく。最初は自分の気持ちに素直になることができなかったが、周囲の人々のアドバイスや、柊聖と過ごす日々の中で、はっきりと恋を自覚するようになる。 非常に素直で思いやりのある性格をしており、友達には恵まれている。しかし、その単純さのあまり、柊聖にからかわれることも多く、時に他人の悪意ある策略に嵌ってしまうこともある。
久我山 柊聖 (くがやま しゅうせい)
高校二年生の男子。整った容姿と大人びた雰囲気から、学校中の女子に王子と呼ばれ持てはやされている。西森葵の隣部屋に越してくるが、引っ越して早々部屋が使えなくなってしまったため、葵の部屋に居候する。基本的にマイペースでつかみ所のない性格をしており、葵をからかっては楽しんでいる。 クールで無表情のため、感情を表に出すことは少ないが、時折子供のような屈託のない笑顔や、葵をドキッとさせるような優しい表情をする。葵に好意を抱いており、何度も思わせぶりな行動を取っている。しかし、過去のトラウマを払拭することができず、いまいち本気になり切れないところがある。頭脳明晰で、学校の成績は学年で2位付近をキープしている。
三条 亘 (さんじょう わたる)
金髪に眼鏡が特徴の高校3年生の男子。西森葵のアパートに引っ越してくる。以前から葵の事を気にかけており、葵と柊聖の同居関係を知った後も積極的なアプローチを仕掛けていく。柊聖との恋人になりきれない微妙な関係に思い悩む葵に優しい言葉を掛け、葵の心の拠り所になろうとする。 また、柊聖に対して挑戦的な言葉をけしかけるなど、ライバル視しているところがある。しかし、同時に葵の気持ちも尊重しており、葵と柊聖の関係を無理やり破壊するような事はせず、時に自ら身を引いてアドバイスをすることもある。葵の前では思いやりのあるキザな男性を徹底して演じているが、中学時代は今の彼からは想像できないほど荒れていた。
水野 桜月 (みずの さつき)
久我山柊聖の中学時代のバスケットボール部のOG。柊聖と恋人だった時期もあるが、とある理由から別れ、現在は柊聖の兄、久我山草樹と婚約している。後に草樹に騙されていたことを知り、傷心のあまり元カレである柊聖のもとを訪ねる。葵に対して挑戦的な台詞を何度も投げかけ心を揺さぶる小悪魔的な性格の女性。
渋谷 萌 (しぶや もえ)
西森葵の親友で黒髪ボブカットの女子高生。学校の王子こと久我山柊聖に好意を抱き、勇気を振り絞りラブレターを差し出すも「キモい」と一蹴されてしまう。しかし、サバサバとした性格もあってか失恋を引きずることはなく、むしろ、柊聖に恋心を抱きつつある葵に積極的にアドバイスを送るようになる。
久我山 絵里 (くがやま えり)
久我山柊聖の姉。柊聖に似てクールで大人の魅力あふれるしたたかな女性。鋭い観察眼を持ち、西森葵と柊聖が恋人のフリをした時は、二人の微妙な関係をひと目で見破った。男を取っ替え引っ替えしており、別れた一週間後には新しい男を見つけている。
小嶺 翔太 (こみね しょうた)
西森葵と同じ高校に通う一年生の男子。久我山柊聖の中学時代のバスケットボール部の後輩。中学3年生の時、葵の高校の文化祭に訪れ、明るく優しい性格の葵に一目惚れをする。人懐っこく積極的で、自分の気持ちを素直に葵に伝える。葵と柊聖の関係を知ってもなお、物怖じすることなく葵にアプローチしていく。
青田 ナオミ (あおた なおみ)
西森葵の高校に赴任してきたばかりの国語教師。年齢不詳。結婚活動中のようで、修学旅行に乗じて久我山柊聖に”大人の魅力”を使って数々のアプローチを仕掛ける。柊聖には軽くあしらわれるが、驚くべきポジティブさでそれを好意的に捉え、諦めるどころかその想いをより膨らませていく。
久我山 草樹 (くがやま そうじゅ)
久我山柊聖の兄であり、水野桜月の夫。スクープ専門のフリーカメラマンを生業とする男性で、今まで海外で仕事をしていた。一見すると思いやりのある人格者のように思えるが、それは人間関係につけ込み弄ぶための演技である。柊聖との距離が縮まらず思い悩む西森葵に接近し、その気持ちを利用する。
桃 (もも)
久我山柊聖の従姉妹で、中学1年生。関西弁を話す。父親がおらず、そのうえ一人っ子のため、日頃から寂しい思いをしている。昔から、従姉妹ながらに柊聖に恋心を抱いており、新参者である葵に対してはあからさまな嫉妬と敵意を見せる。葵よりも一回り幼いにもかかわらず胸の大きさは葵をはるかに上回る。
西森 健斗 (にしもり けんと)
西森葵の弟。姉と恋人同然の振る舞いをする久我山柊聖に対して強い不信感を表す。しかし、共に祭りで遊ぶ中で、柊聖に心を許すようになる。本人は否定しているが、柊聖にはシスコンではないかと疑われている。
大家 (おおや)
西森葵や久我山柊聖が住むアパートの管理人で、本名は不明。明るく朗らかな女性。西森葵と柊聖の同居にも理解を示しており、二人の恋を傍観者として楽しみながら見守っている。宏太という息子がいる。
宏太 (こうた)
大家の息子。黒髪で短髪の男の子。子供らしい無邪気な性格で、悪気はないものの、時々大人がギョッとするような大胆な発言もする。
葵の父 (あおいのちち)
西森葵の父。葵の一人暮らしに猛反対するが、友達と離れたくないという娘の訴えを渋々ながら受け入れ、特例として一人暮らしを許す。頑固者でナルシスト。日々のトレーニングとプロテインで鍛えあげられた肉体が自慢で、ボディビル大会で優勝したこともある。娘を守りたいという気持ちが強過ぎるあまり、久我山柊聖に対して非常に厳しく当たっている。
大野 波留 (おおの はる)
黒髪ショートカットのボーイッシュな女子高校二年生。西森葵の親友。中学時代のバスケットボール部で久我山柊聖に練習をしてもらったのがきっかけで柊聖に好意を抱くようになる。その長年の想いに決着を着けるため、柊聖への告白を計画している。葵と柊聖が同居していることを知らない。
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