概要・あらすじ
人間と吸血鬼が共存する世界。人間をはるかに凌駕する能力を持つ吸血鬼による犯罪を取り締まるため、特殊部隊が結成された。魔都ガーデニアの最奥に存在する、血統武器を持つ吸血鬼を特殊部隊員に養成する機関千年学園。生まれつき血統武器を持たない学内では珍しい生徒だったアルドレッド・ヴァン・エンヴリオは、転校生である人間の終夜荊に出会ったことで聖槍の使い手となり、世界を破壊せんと企む集団に立ち向かうことになる。
登場人物・キャラクター
アルドレッド・ヴァン・エンヴリオ (あるどれっどゔぁんえんゔりお)
通称「アル」。生まれつき血統武器を持たない珍しい吸血鬼で、「学園長の息子だからミレニアムクラスで班長をしている劣等生」と陰口をたたかれることもあるが、本人はまるで意に介さず楽しい学園生活を送っている。熱血かつ仲間思いな性格で、同じ6班のメンバーからは信頼されている。「自分勝手が服を着て歩いている」と自称するだけあり、物事を深く考えられるタイプではないが、身体能力が異常発達しているためにケンカでは負けなし。 聖槍である終夜荊の使い手となった後は、世界を守る者となって奮戦する。荊に出会うまえは、血統武器の代わりに無数の釘を打ち付けた「釘バット」を武器として使っていた。
終夜 荊 (よすがら けい)
ミレニアムクラス6班に入った転校生で、千年学園では2人目となる人間の生徒。無口で無表情な白髪の少年。幼いころから聖槍の鞘として育てられたため、自分は物であると思い込み、感情を表に出すことがなくなった。しかし、自分をごく普通の人として扱ってくれるアルドレッド・ヴァン・エンヴリオたちと出会ったことで、凍りついた表情に少しずつ変化が見られるようになっていく。 運動全般が壊滅的に苦手で、特に走るのはとても遅い。
天草 小太刀 (あまくさ こだち)
ミレニアムクラス6班の生徒。吸血鬼で血統武器は扇型の攻撃系「紅桜姫」。黒い長髪に褐色の肌を持つスタイルのいい女の子。気が強く、戦闘の際は常に先陣を切る勇猛果敢な性格。アルドレッド・ヴァン・エンヴリオの面倒を見るなど世話好きな一面もある。
リドヴィナ・ノヴィエ (りどゔぃなのゔぃえ)
ミレニアムクラス6班の生徒。通称「リディ」。吸血鬼で血統武器はぬいぐるみ型の防御、回復系「アプサ」。血統武器である「アプサ」を肌身離さず抱いている女の子。無口で感情を表に出すタイプではないが、6班のみんなが好きなためいつも一緒に居る。アルドレッド・ヴァン・エンヴリオのことは班長と呼んでいる。
翡 西虎 (ふぇい しゃおふう)
ミレニアムクラス6班の生徒。吸血鬼で血統武器は剣型の攻撃系「翠狼」。前髪が長く常に両目が隠れている長身の男子。アルドレッド・ヴァン・エンヴリオとは幼いころからの付き合いで、昔から彼のことをヒーローだと思っている。実は一撃でアルドレッドを倒せるほどの実力の持ち主。
煉獄院・G・咲人 (れんごくいんじーさきひと)
ミレニアムクラス6班の生徒。終夜荊が転校してくるまでは千年学園で唯一の人間だった。「世界に名を轟かす煉獄院財閥の御曹司」を自称しており、12歳にして天才の名を欲しいままにしている。高慢で思い込みの激しいマッドサイエンティストでもあり、現在は対吸血鬼用のロボット「かがみもち26号」を開発している。
ラビ・フォルスナー (らびふぉるすなー)
ミレニアムクラス3班の班長。吸血鬼で血統武器は黒い双剣型の攻撃系「ニヨルド」。アルドレッド・ヴァン・エンヴリオを劣等生と呼びながら、強烈にライバル視をしている眼鏡をかけた男子。吸血鬼が人間と慣れあって生きることを許せないと考えており、双つ月夜の始まった日に同族喰いを行って力を増幅させ、アルドレッドたちを襲撃した。
カイン・ヴァン・エンヴリオ (かいんゔぁんえんゔりお)
千年学園の学園長でアルドレッド・ヴァン・エンヴリオの父親。サングラスに長髪で黒ずくめの格好をしている。口調は軽くふざけた言動も目立つが、扉である魔都ガーデニアの一角、千年学園をまとめあげる実力者。千年前に起こった戦闘や聖槍についても精通している。
セティエーム
千年前に封印された絶望の虚都から出てきた吸血鬼。通称「セティ」。ロングコートを纏った男子で、シックスとは幼いころからの友人。シックスに絵本を読んでもらったり、話を聞いてもらえないとすぐに怒るなど、まるで子供のような性格をしている。
シックス
千年前に封印された絶望の虚都から出てきた吸血鬼。黒い長髪にオッドアイで、肩に大きな黒い鳥を連れている関西弁を話す男性。セティエームとは幼いころからの友人で、子供のような性格のセティエームの面倒をずっと見ている。
場所
千年学園 (せんねんがくえん)
アルドレッド・ヴァン・エンヴリオ達が通う学園。圧倒的な力を持つ吸血鬼による犯罪を抑制するために、吸血鬼法務管理局が作った特殊部隊員を育て上げる養成機関。それゆえに世界各国から優秀な能力を持つ吸血鬼が集められている。
魔都ガーデニア (まとがーでにあ)
人間と吸血鬼が共存する世界と、吸血鬼の住む絶望の虚都を隔てる扉(ゲート)である街。千年前に禁忌を犯した吸血鬼を強力な結界で閉じ込めた扉を形成しているのは、五芒星を描くように建設された「大聖堂」「市庁舎」「警察庁」「駅」「千年学園」である。双つ月夜の影響で結界が緩んでおり、アルドレッド・ヴァン・エンヴリオ達はこの扉を守るために日々奮闘している。
絶望の虚都 (でぃすぺあーほろう)
吸血鬼達の故郷。人間と共存する以前、吸血鬼は生きるために扉を通り、血を求めて人間界まで来訪していた。しかし、長い歴史の中で生まれた人間と吸血鬼の混血であるダムビールが人間と協力し、人間界側から扉を封印してしまう。人間界との往来が不能になり、絶望の虚都に閉じ込められた吸血鬼は生き残るために共喰いをしていた。
その他キーワード
血統武器 (けっとうぶき)
吸血鬼の血統に伝わる力を物質として形成し、それを媒体として発揮される特殊な能力の総称。吸血鬼ならばほぼ必ず備わっている能力で、アルドレッド・ヴァン・エンヴリオのように血統武器を持たない吸血鬼は大変珍しい存在である。
聖槍 (ほーりーらんす)
千年前に世界を支配しようと立ち上がった一部の吸血鬼による禁忌の暴動を収めるため、教会が作った絶対的な威力を誇る対吸血鬼兵器の名称。聖なる力を定着させ、槍へと形成させるための鞘は生身の人間である。聖槍は強大な力を持つため、扱える者は生来血統武器を持たない吸血鬼のみ。操縦者は槍の鞘である人間の血を吸うことにより、聖槍を扱うことが可能になる。
双つ月夜 (ふたつつきよ)
千年に一度起こるとされる、月が軋みながら2つに分かれてゆく現象。完全な双つ月夜になるには14日かかる。吸血鬼の魔力を増大させるパワーがあり、強大な力を得た吸血鬼達は人間界を支配しようと扉の破壊を目論む。千年前に人間と吸血鬼の争いが起こった時期も双つ月夜の最中であった。
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