概要・あらすじ
国内で唯一の女性F-3レーサーである椎葉ひとみは、箱根の峠をドライブ中、謎の男が乗るポルシェ928S4にレース勝負を挑まれる。それは、5年前にひとみの恋人を死に追いやった男だった。勝負に敗れたひとみは、再びその男との勝負を誓う。
登場人物・キャラクター
椎葉 ひとみ (しいば ひとみ)
モータージャーナリストであり、国内で唯一の女性F-3レーサー。年齢は27歳。愛車はアルファ・スパイダー。間宮邦彦と交際していた頃はストレートのロングヘアだったが、現在はパーマをかけている。勝気な性格で、レースで無茶な勝負を仕掛けて事故を起こすこともある。ストレスが溜まると、やたらと料理を作るクセがある。
間宮 邦彦
椎葉ひとみの恋人。日本人3人目のF1ドライバーと目されていたプロレーサーだったが、5年前に箱根スカイラインで交通事故を起こし他界した。病室で息を引き取る際、セイレンとのレース勝負で負けて事故を起こしたとひとみに告げた。
セイレン
箱根の峠で椎葉ひとみにレース勝負を仕掛けてきた謎の男性。「SIREN」というエンブレムの付いたポルシェ928S4に乗る。5年前、間宮邦彦にも箱根スカイラインで勝負を仕掛け、勝利している。
加納
椎葉ひとみが所属するレーシングチームのオーナー。オールバックに口髭のナイスミドル。妻子がいるが、ひとみに好意を抱いている。間宮邦彦が事故を起こした時に乗っていたフェラーリ328の持ち主。
金田 康子
椎葉ひとみの悪友。切れ長な目をした派手目な美女。交際も派手で、毎月のように付き合う男が変わる。ひとみとは幼稚園時代からの付き合い。大手の興信所に勤めており、ひとみにセイレンの調査を頼まれる。愛車はミニ・クーパー。
陣内
椎葉ひとみが所属するレーシングチームのメカニック。体格のいい男性で、白いTシャツにジーンズ姿。ひとみに好意を抱いている。
大倉 興平
オークラリゾートの会長を務める老人。レースファンで、椎葉ひとみのスポンサーを名乗り出る。のちにセイレンの正体と目される影佐亮の父親ではないかという疑惑が持ち上がる。
影佐 亮
椎葉ひとみからセイレンの調査を頼まれた金田康子が見つけてきたプロレーサーの男性。1951年横浜生まれ。母親はジャズ歌手のジェーン影佐、父親は不明で兄弟はいない。1978年に麻薬所持で逮捕されてレース界から永久追放され、5年前に箱根スカイラインで愛車のポルシェ928S4に乗って事故死したとされている。
その他キーワード
SIREN (せいれん)
ギリシャ神話において、河の神オケロオスの血のしずくから生まれたとされる生物。鳥の姿に人間の頭を持ち、遭難した船乗りや死出の旅に出る人々を、その美しい歌声の魔力でとりこにし、死の世界の女王のもとへ連れていく。セイレンの乗るポルシェ928S4の車体に付けられたエンブレム。
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