概要・あらすじ
演劇部に所属する三浦糸は、高身長に凛々しい顔立ち、おまけにハスキーボイスも兼ねているとあって、男役を演じては女子たちのハートをわし掴みにしていた。ある日、絶世の美女と噂の転校生、天野真琴が入部してくるのだが、圧倒的な演技力と存在感に糸は釘付けになってしまう。男勝りで女子とは群れない糸だったが、真琴とだけは気が合い行動を共にするようにまる。
しかし、糸はひょんな事から真琴が男であるという事実を知ってしまうのだった。
登場人物・キャラクター
三浦 糸 (みうら いと)
登場時は高校2年生。桜ヶ丘高校演劇部の女子部長。身長177cmの短髪で、学校では男子の制服を着ている。男系家族で育ち、家は空手道場という事もあってかなりの男勝り。見た目の凛々しさから女子のファンが絶えない。並外れた運動神経を持ち、将来はアクション女優になることが夢。真が家庭の事情で女性に扮している事を知り、卒業まで真の正体を隠し通す協力をする事になる。 容姿も中身も異なる真と恋人関係になり最初は戸惑うが、持ち前の明るさと純粋さで純愛を貫こうとする。真からの一途な愛を一身に受け、徐々に女性らしく変貌していくことになる。
成田 真 (なりた まこと)
主人公糸の恋人。実家が拳法道場で、女系家族の中で唯一の跡継ぎとして育てられた。しかし本人は役者になるのが夢で、父とは長いこと対立している。度重なる説得の末、高校生活を女で演じ通せれば独立を認めるという条件を与えられた。転校先の桜ヶ丘高校では天野真琴と名乗り、糸と共に演劇部の顔として主役を張っている。 元々の美貌もさることながら、演技の才能はプロも認めるほど。並外れた身体能力と意思力の持ち主で、糸のピンチを何度も救う。いつもクールで機転の利く性格だが、大好きな糸のことになるとすぐ焼きもちを焼いて不機嫌になってしまう。イギリスの血を引くクヲーターで、ブロンドヘアと真っ白な肌が特徴。 始めは糸より小さかった身長も、最終的には追いこしてしまった。
坂本 豊 (さかもと ゆたか)
主人公糸に惚れて追いかけまわす人物。修学旅先の北海道で糸に出会う。家庭の事情で短距離走の選手になる事を諦めていたが、糸の一喝で再び夢を追う決意する。糸を追って桜ヶ丘高校に転校してきたが、すぐに真琴にも惚れて堂々と二股宣言をする。かなりのマゾ体質で、糸に厳しい言葉を浴びせられる度に快感を感じている。
成田 茜 (なりた あかね)
真の姉。成田姉弟の三女で22歳。特殊効果専門のメイクアップアーティストをしており、真の女装もプロデュースしている。家族の中で唯一真に協力的で、糸と共に最高の理解者である。自分のことより他人を第一に考えてしまう優しい性格。自分が婿養子を見つけることで真の跡取り問題を解決しようとしていたが、政略結婚の話がでた直後、悠斗に出会い恋に落ちてしまう。
飯塚 隆世 (いいづか たかよ)
真の婚約者。10歳の時親同志の意向で真の婚約者となる。歳は糸たちの一つ下。超お嬢様で、いつもボディーガードを従えている。真が糸に想いを寄せているの知り、桜ヶ丘高に転校して二人の仲を切り裂く決意をする。兄の隆史が、汚い手を使って糸たちの邪魔をするのと違い、けじめがあって誇り高い性格。 あくまで自分の実力で真を振り向かせようとしており、役者になりたいという真の気持ちも尊重し応援している。はじめは糸に激しく対抗心を燃やすも、徐々にその気持ちは尊敬に代わっていき、最後は憧れるようになった。
時 操央 (とき みさお)
主人公糸の先輩。演劇部のOBで元部長。現在は大学に通うが、事あるごとにの母校に顔を出しては後輩の演技指導に当たる。実力は本物だが自信過剰で他人に厳しく、後輩からは鬼畜と恐れられている。女遊びが激しいが特に長身美人が好みで、糸もそのターゲットになってしまう。力づくで糸を自分のものにしようとするが、その度に男の姿をした真に邪魔されてしまう。
野村 つぐみ (のむら つぐみ)
主人公糸の追っかけ。筋金入りのお嬢様。演劇部の後輩である糸の大ファンで、演劇よりも糸目的で部活に顔を出す。糸の相手役になってラブシーンを演じることばかり考えている。糸といつも一緒にいる真に対抗心を燃やし、しつこく素性を嗅ぎまわっていた。奇妙なアイテムを発明するのが趣味で、学校で誘拐事件が起きた時もそれらが大活躍した。
飯塚 隆士 (いいづか たかし)
隆世の兄。極度のシスコンで、隆世にくっついて桜ヶ丘高に転校してきた。妹のために真と糸の中を切り裂こうと動き回っている。そのやり方は卑劣で、演劇部の活動をめちゃくちゃにしたり、真の女装をバラして実家に送り返そうとしている。
伊藤先生 (いとうせんせい)
主人公糸が所属する演劇部顧問。宝塚のファンで、糸に男役をやらせる事に快感を覚えている。かなり凝った脚本を書き、実現不可能な演出に部員を困らせている。糸だけじゃなく、美しく華のある真も溺愛している。
尾崎 与四郎 (おざき よしろう)
主人公糸の親友。演劇部では糸と共に男部長として部員を引っ張っている。糸とは中学からの腐れ縁で、男女を越えた間柄。あまりの仲の良さに部員以外の生徒からは付き合っているという噂まで流されている。一年の時から同じ演劇部の美咲に惚れており、校内放送で大々的に告白し成功した。 軽くていい加減に見えるが、やる時はやる男。
成田 真澄 (なりた ますみ)
真の父親。中国拳法道場師範。49歳。唯一の男である真に道場を継がせるため厳しい英才教育を行ってきた。その道では有名な権力者で真が女として高校に入学できたのもそのため。子供を想う優しい気持ちはあるが、独断主義で愛情表現が乏しいため真や娘たちから反発ばかり買っている。糸と関わっていく内に、、真の夢に対する真剣な想いに気づかされ、影ながら応援するようになる。
成田 椿 (なりた つばき)
真の姉。成田姉弟の次女で24歳。美少年好きで弟の真を溺愛している。真を手放したくないあまり、父親と協力して俳優になる夢を諦めさせようとしている。教師という職を利用し、真の様子を監視するため桜ヶ丘高校に赴任するが、真の演技に対する姿勢を目の当たりにして心境に変化が現れる糸との関係も知ってしまったが、全てに目をつぶり真の夢を応援する事にした。
成田 里紗 (なりた りさ)
真の母。イギリスと日本のハーフ。45歳。父親が独断主義なのに対し、子供たちの意見を尊重しようとする。普段は献身的な妻だが、子供にうまく愛情表現できない夫に叱咤する場面もしばしば。
成田 桜 (なりた さくら)
真の姉。成田姉弟の長女で25歳。独断主義の父に反発し19歳の時画家の男性と駆け落ちした。自分のせいで家庭の負担を押し付けられた真とは長いこと気まずい関係になっていたが、糸の計らいで関係を修復する事ができた。
三浦 竜也 (みうら りゅうや)
主人公糸の兄。悠斗は双子の弟に当たる。三浦家の長男で空手道場の跡継ぎ。一家の中では父親より厳しく、兄妹たちに対する愛情もかなり強い。得に糸の事は目に入れても痛くない存在で、彼氏の選定は自分の責任だと思っている。糸と同じく激しい性格で、怒って暴走したら止まらない。大学の留学生クリスに猛アタックされ結婚した。
三浦 光子 (みうら みつこ)
主人公糸の祖父。武道の達人だが少女趣味があり、歳にそぐわない恰好をしている。糸の母親皐月が天涯孤独になった時、引き取って娘のように育てた。皐月を部外者扱いする親族から皐月をかばい続け、息子五郎との駆け落ちをこっそり援助した。
三浦 悠斗 (みうら ゆうと)
主人公糸の兄。三浦兄弟次男。竜也は双子の兄。一家の中でも一番大人で穏やかな性格。高級ホテルのコックをしており、普段から家族の弁当や食事を担当している。真の姉である茜と両想いになるも、母親を失ったトラウマから誰かを愛することに臆病で上手く愛情表現できずにいる。
三浦 皐月 (みうら さつき)
主人公糸の母親。15歳で天涯孤独の身となり、光子に引き取られた。光子の息子である五郎と激しい恋に落ち18歳で駆け落ち結婚。交通事故で若くして亡くなってしまった。
三浦 悟朗 (みうら ごろう)
主人公糸の父親。明るく幸せな家庭を築きたいという亡き妻の想いを引き継ぎ、子供たちのよき理解者になろうと努める優しい父親。息子たちには厳しいが、唯一の女の子である糸を溺愛している。普段は頑固で大人げない性格だが、最後は子供たちの気持ちを尊重する。
三浦 竜良 (みうら たつよし)
主人公糸の弟。三浦兄妹の末っ子。いつも使いっぱしりで不満を感じているが、デカくて強い兄や姉を前に言いなりになっている。糸とは喧嘩ばがりしているが、実は姉想いであり、好きになる人もどこか糸に似ている。
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