柿野 正隆

フリーウェブデザイナーの男性。年齢は35歳。何事も面倒くさがるタイプで、仕事への意欲は低い。妻の柿野雪映とは、結婚して7年目になるが子供はおらず、セックスレスで会話もなく、夫婦関係は冷え切っている。同じ家で暮らし、食事を共にするだけの家庭内別居状態であり、ただ離婚していないだけの俗にいう仮面夫婦の関係。新聞配達員の夏川萌とは不倫関係で、新聞の契約更新や集金で訪れる萌とは、自宅で体の関係を持つのが日常となっている。ある時、雪映に萌との不倫を知られていることに気づき、一度はおじけづくものの、開き直って萌と旅行を楽しむようになる。本編の第1巻から第4巻では、中絶するという萌に賛同し、夫婦の口座から金をおろして必要経費を支払ったが、これがきっかけとなり、萌は眠れないのを理由に頻繁に自分を頼るようになってくる。次第に萌の存在を面倒くさく感じ始めた時、雪映から夫婦の貯金に勝手に手をつけたことや、不倫の事実などを突き付けられ、泣きながら現状のつらさを訴えられたことで心を動かされた正隆は、。萌に一方的に別れを告げるメッセージを送りつけ、妻とのやり直しを心に誓う。その3か月後、雪映が妊娠。夫婦としての幸せをかみしめるが、その後ストーカーと化した萌から襲われそうになり、制止しようとしたはずみで雪映と共に萌を殺害してしまう。自ら警察に通報して自首しようとするが、雪映から止められ、新たに授かった子供のために生きて行くことを決意。萌の遺体を敷地内に埋めて処理し、夫婦で新たな人生をやり直そうとする。しかし、萌の交際相手を自称する佐野義文からの脅迫を受け、佐野を監禁したために、さらに罪を重ねることとなる。妊娠したことで精神的に強くなっていく雪映とは対照的に、柿野正隆自身は殺人を犯したことに対する罪の意識にさいなまれ、いつかすべてが明らかになるのではないかと恐れている。ifストーリーが描かれる第5巻では、萌の妊娠および中絶をきっかけに不倫関係を清算した。その後、萌の不倫をネタに金を脅し取ろうと佐野が柿野家に押し入った際、萌に雪映と教育実習生・前園健の不倫関係を暴露され、初めて妻の不貞の事実を知ることになる。その際、警察沙汰になったことがきっかけで、互いに不都合な事実には触れずにやり過ごし、波風立てずにただ離婚していないだけの夫婦関係を続けることを選択。性的な欲求は風俗を利用して済ませ、ある意味安定した結婚生活を築いている。