概要
惑星、イグナージュの軌道上に位置する2本の軌道リング、イグナージュリングの交点に設けられたシャトル駅。反対側の交点にはイグナクロス九十九号駅が存在している。イグナクロス零号駅の大半は管理運行コンピューター、クレアによって運行されており、駅長である神林ミランダをはじめ、菜々子那なしのと尻子田にう子の三名という少人数によって業務が行われている。
軌道リングの性質上、各セクタを直接移動するには大量のビザが必要となって現実的でないため、円滑にセクタを移動するために必要不可欠な交通の要衝として機能している。シャトルを受け入れるプラットフォームをはじめ、駅員の保養施設であるビアンカの湯など、さまざまな施設が存在しているが、現在は使用されていない古い区画が多い。
駅は全体で4つのリングと駅本体ブロックで構成されており、最も外周に存在する大きなリングが工業生産リング。その次に大きなリングが居住区リング。そして駅ブロックとイグナージュリングの「イグナ・アウターリング」と「イグナ・インナーリング」を接続するための二つのリングが、居住リングの内側に収められている。
そして最後に、すべての構造物の中央に駅ブロックが存在する形で配されている。駅の本体ブロックは回転運動によって人工的な重力がつくられており、外周に行くほど重力がきつくなる。また、内部には豊富な植物が植えられ、地上の環境が再現されている。外光は、イグナージュから反射した太陽光をミラーで集めて居住区に取り込む形となっており、擬似的に約23時間の周期で昼と夜が再現されている。
また、このままでは不足する紫外線を補うために、人工的な発光も行っている。300年前の大戦時には、イグナージュの地表から労働者として徴収された第三観察民をはじめ、軌道警備軍などの軍人である第二観察民、観察議員を中心とする貴族、富裕層である第一観察民などといった身分の人間が居住していた。
イグナージュリングが稼働するまでの軌道上における橋頭堡としての役割を果たしており、リングのシステムに反対する地表民とのあいだに起きた大戦の舞台の一つとなった。300年前の当時には「北天宮」と呼ばれており、反対側の交点に位置するイグナクロス九十九号駅を「南天宮」と呼んでいた。
現在でこそ駅として機能しているが、本来の役割はイグナージュリング本来の役割である、惑星イグナージュの管理と監視であり、カタストロフィが避けられなくなったと判断した際に惑星初期化を決定、実行する施設である。その権限の多くはシビュラージュであるミランダに託されている。
登場作品
イグナクロス零号駅 (いぐなくろすれいごうえき)
惑星軌道上に存在するイグナクロス零号駅を舞台に、駅員達と訪れる人々の交流を描くSFヒューマンドラマ。基本的にグランドホテル方式に近いオムニバス形式で描かれるが、物語が進むにつれてイグナクロス零号駅に秘... 関連ページ:イグナクロス零号駅
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