概要
イグナクロス零号駅の駅長を務める少女。身長は139センチしかなく、一見すると12歳から13歳ほどに見えるほど幼い外見をしている。イグナクロス零号駅の駅長を務めるには幼すぎる容姿のため、子供と勘違いされる事もしばしばある。外見とは裏腹につねに落ち着いた態度と頭脳明晰さで、その思慮と知性によって巨大な駅を取り仕切っている。
駅長として普段身にまとっている制服にはさまざまな機能があり、駅長帽には駅の起動錠や通信機、ビーコンが内蔵されている。同様に、ブーツには非慣性制御区であるノーマルブロック用に、オートシンクマグネットと酸素を放出して移動する簡易推進器を内蔵している。また、これらにパワーグローブをまとう事で、アンブリエルのリモート操作が可能となる。
太もものホルスターには、「コスモモーゼルM0099」という旧世紀の軍用拳銃をモチーフとした大型ハンドガンをつねに携帯している。この拳銃には、通常の銃としての機能のほか、イグナージュリングの運行を停止する暗号鍵が内蔵されており、イグナクロス零号駅の中枢にある「ミランダの庭」と呼ばれる区画へ通じるゲートの鍵ともなっている。
24年前にイグナクロス零号駅を訪れたドクトル・ガッシュが、現在とまったく姿形の変わらない神林ミランダにプロポーズをした事があるなど、謎の多い人物だが、その正体は惑星初期化の権限を与えられたシビュラージュの一人である「青の姫巫女」。300年前の大戦の頃の生まれで、もう一人のシビュラージュであるイグナクロス九十九号駅の駅長、神林イプシィとは姉妹の間柄にある。
「イグナージュリング」を設計した天才科学者の神林アダージュの娘として生まれたミランダは普通の女の子として育てられていたが、ミランダとイプシィの母親である神林アリエルの死をきっかけに、アダージュの意向でイプシィと共にシビュラージュになった。
当時のミランダは、姉妹であるイプシィと共に、父親のアダージュを、単なる父親という関係以上に愛していた。その気持ちの強さは、アダージュの教え子である天野星子が愛人の関係にあるのを覗き見た時に、星子の父親を暗殺するよう暗躍するほどに強く、アダージュの愛を手に入れるためならば手段を選ばないほどだった。
最終的に、ミランダは寝ているアダージュに夜這いを仕掛ける事に成功するが、その場面をイプシィに覗き見られてしまう。これが原因で錯乱したイプシィは、翌朝、アダージュを殺そうと拳銃を発砲する。ミランダは、凶弾から身を挺してアダージュをかばい、銃弾を頭に受けて死亡する事となる。アダージュの手によって、ミランダは死体から記憶や精神をクローンへ移植され、擬似的に蘇生される。
しかし、ミランダを貫通した銃弾で重傷を負っていたアダージュは、目を覚ましたミランダの前で息絶えてしまう。ミランダはそのまま、クローンの体が成長しきる1年のあいだ、カプセルから出る事ができず、白骨化していくアダージュを眺め続ける事となった。この時の出来事が原因で、ミランダの精神は解離性障害を患っており、駅長として成熟した人格である「ミランダ」と、父親の死を知らない幼い人格の「ミルー」に分かれている。
普段は「ミランダ」としての精神が表に出て来ているが、トラウマを刺激するような出来事が起こるとパニックを起こし、部分的に「ミルー」としての幼い人格が出て来てしまう事がある。「ミランダの庭」を守るロボットのポーシアにコピーされた人格のオリジナルである花沢ポーシアは、300年前のミランダの教育係にあたる。
また、尻子田にう子とは300年後のイグナクロス零号駅でコンテナが発掘されるまで直接の面識がなかったが、にう子の父親である尻子田大佐や、にう子以外のニューロトルーパーとはかつて面識があった。
登場作品
イグナクロス零号駅 (いぐなくろすれいごうえき)
惑星軌道上に存在するイグナクロス零号駅を舞台に、駅員達と訪れる人々の交流を描くSFヒューマンドラマ。基本的にグランドホテル方式に近いオムニバス形式で描かれるが、物語が進むにつれてイグナクロス零号駅に秘... 関連ページ:イグナクロス零号駅
関連リンク
- 関連人物・キャラクター
- 神林 イプシィ