サイトウ

現代日本から異世界にやって来た平凡な青年。職業は盗賊。もとの名は「斎藤」で、日本では便利屋従業員として働いていた。薄給のため待遇の話で経営者と揉（も）め事になって退職した日の夜、交通事故に遭ってしまうが、その直前に異世界に召喚され、冒険者の「サイトウ」として新たな人生をスタートさせる。濃い茶髪短髪で、異世界に来てからも作業着を着用している。生真面目な性格で、どんな時も実直で思いやりを忘れることなく行動し、気配り上手で面倒見もいい。異世界転移直後にラエルザ、モーロック、ラファンパンの三人と出会ってパーティに加わり、彼らに振り回されながらもダンジョン探索をはじめとする活動に勤（いそ）しんでいる。初登場時のレベルは17で、装備は仲間の武具各種とショートソード。主な技能は便利屋上級、小剣の近接戦闘入門。特別な個性は気が利くこと。いわゆるチート能力を持たず、運動や勉強はそこそこレベルだったが、もとの世界ではどんなことも決して一番になれない平凡な若者として生きてきた。昔から器用な手先と便利屋としての経験・知識などを活かして、扉の鍵開けや罠の解除、装備の修繕などをしながら仲間をサポートしている。魔法を使うことはできないが、優れた記憶力を活かして呪文をすべて記憶しており、呪文をすぐに忘れてしまうモーロックの呪文詠唱をサポートしたり、敵の能力に応じて仲間の武器をより有効な武器に交換したりと、次第に優秀なサポート役としてかけがえのない存在になっていく。一方で戦闘力は皆無に等しく、戦闘時はよく仲間に守られており、時には敵の攻撃に巻き込まれて足を引っ張ることもある。このように仲間を助けるだけでなく助けらることも多く、冒険を続けるうちにラエルザたちのことは、次第に家族のように大切に思うようになる。日本にいた頃よりも努力や才能を認められたり感謝される機会が増えているため、危険は多いものの異世界での生活には満足感や充実感を覚えている。人柄がよく整った顔立ちのため、ラエルザからはひそかに思いを寄せられ、迷宮探索の最中に出会ったギーブルからも一目惚（ぼ）れされるなど、男女問わず多くの人を惹（ひ）きつけている。しかし色恋沙汰には鈍く、ラファンパンからは「朴念仁」と評されている。大探索の戦闘中に記憶の一部を取り戻したモーロックにより、彼が間違えてサイトウを異世界に召喚していたことが判明したが、日本に送り返そうとすると転移直前と同じ状況に戻って死亡する恐れがあるため、日本に帰るのをあきらめてそのまま異世界生活を楽しんでいる。調理師免許を持っており、本職ほどではないが料理が得意で、異世界でもウナギに似た魚を調理して仲間に振る舞っていた。身長は171センチ。