ハチミツとクローバー

ハチミツとクローバー

美大生の竹本祐太とその先輩森田忍は、新入生の花本はぐみに恋をする。また竹本祐太、森田忍と同じ寮の真山巧は、報われない恋をしている。真山巧を好きになった山田あゆみも、彼を振り向かせることができない。「全員片思い」の学生生活を丁寧に、時に笑いを織り交ぜて描いた少女漫画。

正式名称
ハチミツとクローバー
ふりがな
はちみつとくろーばー
作者
ジャンル
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

築25年の六畳プラス台所三畳でフロなし、浜田山美術大学まで徒歩10分で家賃3万8千円のアパートには、全室に学生が入居しており、竹本祐太もまたそこの住人だった。ある夜、竹本はアパートのみんなに招集をかけ、森田忍が14日ぶりに大量のコロッケを手土産に帰って来た事を伝える。忍は我が道をいくタイプで、特に寝起きの悪さには定評があった。翌日、そんな忍に振り回された朝の事を愚痴る竹本と真山巧に、話を聞いていた教授の花本修司は、この春から浜田山美術大学に入学した従兄弟の子、花本はぐみを紹介する。竹本は、かたわらの真山にも気づかれるほどあからさまに、はぐみに一目惚れしてしまう。だが、その竹本に今朝の礼を言いに現れた忍もまた、はぐみに一目で好意を抱く。だが、忍は小柄なはぐみを「コロボックル」呼ばわりし、その名を連呼しながら彼女のまわりをぐるぐる周り、写真を撮影しまくるという奇行に走る。その光景から、忍がはぐみに恋心を抱いている事に気づく者は、誰一人いなかった。真山は修司の紹介で仕事を手伝うようになった年上の女性、原田理花に恋愛感情を抱き、同じ4年生の山田あゆみはそんな真山にずっと恋している。あゆみは態度から恋心を真山に悟られ、ほかの男を探せとふられてしまう。あゆみは一人作品を作りながら涙を流し、それを見かけた忍は、彼なりの方法で慰め元気づける。

第2巻

竹本祐太は、久しぶりに実家に帰省した。竹本は最初に母親の職場を訪ねるが、そこで母親が過労で倒れ、早退した事を知らされる。携帯の電池も切れ、家の場所もうろ覚えの竹本は、歩きながら過去の事を思い出す。竹本は幼い頃に父親を亡くして以降、母親を支える事だけを目標にして高校2年生まで過ごしていたが、母親は合田稼頭男を再婚相手に選び、竹本には自分の事を優先して生きるよう告げていた。思った事を直球でぶつけてくる稼頭男が苦手だった事もあり、実家から足が遠のいていた竹本だったが、実家に帰ったところで稼頭男に母親が寂しがっている事を告げられ、もっと頻繁に帰って来る事を約束するのだった。

4年生の真山巧山田あゆみ、留年を重ねて同回生になった森田忍は、就職活動と卒業制作にそれぞれ向き合う。ギリギリで制作を進める真山と忍だったが、忍の兄の森田馨が現れ、儲かる仕事があると忍を連れ出してしまう。結果、忍は留年が決定。一方、真山は無事卒業を決め、藤原デザイン事務所への就職も見事に勝ち取る。あゆみは研修生として、浜田山美術大学にあと2年残ると決める。そんな中、研究のため恩師にモンゴルへの同行を勧められていた花本修司は、いっしょにいかないかとはぐみを誘うが、はぐみは友達がいる今の場所に残りたいと、彼の申し出を断るのだった。

第3巻

学園祭「浜美祭」を控え、花本はぐみは美術雑誌の取材の依頼を受けていた。取材においては、いつも通りの生活を見たいと告げられていたものの、はぐみはどうしても緊張を隠せない。そんなはぐみを気にかけていた森田忍は、彼女の使うカップにこっそり手彫りのブローチを入れ、元気づけようとする。言葉を必要としない二人の信頼関係を目の当たりにした竹本祐太は、密かに疎外感を味わうのだった。その後、慌ただしくも賑やかな日々が過ぎ、多忙な時期を終えた竹本、山田あゆみ、はぐみ、忍、真山巧らは、年末に水上バスで船旅に出る。忍からの贈り物のブローチをつねに身につけているはぐみの姿に、竹本は2年に及ぶ片思いを告げもせずに、あきらめようかと思い悩み、そんな竹本に対し、真山はそれでいいのかと問いかける。その頃、モンゴルに行っていた花本修司が帰国するが、彼は自身が不在の間に距離を縮めていた忍とはぐみの様子を見て大いに動揺する事となる。一方のはぐみは改めて忍を意識し、避けるようになっていたが、そんな中、忍は長期の仕事を受けて、誰にも告げずにロサンゼルスに旅立ってしまう。

第4巻

森田忍が渡米したあと、竹本祐太花本はぐみに、忍に帰って来てほしいかと尋ねる。だが、そんな質問に対しはぐみは、彼がやりたい事をすべてやり終えるまで待つと、しっかりとした答えを返す。そんな中、いっしょに過ごしていながら、はぐみの恋心に気づかなかった真山巧山田あゆみは、藤原デザイン事務所からの依頼作品の制作にかかりながら話し合い、恋の難しさにため息を吐くのだった。そんなあゆみの作った陶芸作品は好評で、真山は事務所の先輩である野宮匠に、作成者と話をしたいと持ち掛けられる。だが、真山は原田理花へ一途な好意を抱いており、あゆみからの告白は既に断っているものの彼女を大事に思っており、軽い気持ちで彼女に近づいてほしくないと、その存在をひた隠しにするのだった。

第5巻

ある日、原田理花のサポートをしていた同業者の男性、浅井が倒れる。心配して見舞いに行った真山巧は、そこで浅井から、終わったと聞かされていた原田デザイン事務所名義での仕事がまだ残っている事を知らされる。そんな折、藤原デザイン事務所では双子の社長がケンカをし、派閥争いが勃発していた。分社化して鳥取移動組に入れられた真山はそれを機に会社を退職し、理花の原田デザイン事務所に転職する。その頃、山田あゆみは商店街の五人の男達から一度にプロポーズされていた。今までと同じ関係ではいられなくなる事に思い悩むあゆみは、花本修司花本はぐみ竹本祐太に混乱する気持ちを語る。あゆみは心境を語るうち、商店街の男達に対して己が今抱いている気持ちは、真山が己に対して抱いているものと同じだと気づく。そんな中、竹本は卒業制作の下地になる浜美祭の作品の仕上げと就職活動に悩み、胃潰瘍を患って入院する事となる。父親の合田稼頭男と母親の合田美津子から、あと1年学生生活を続けて、将来の事はゆっくり考えるよう提案された竹本は、あえて留年する事を決意するのだった。入院中の竹本を見舞いに来た真山、あゆみ、修司、はぐみは森田忍に思わぬ形で再会する。

第6巻

花見の場で、勅使河原美和子山崎一志原田理花との関係をからわれている真山巧の姿を見た山田あゆみは、真山の気を引こうと野宮匠にアプローチをかける。だが、その場からあゆみを連れ出した野宮は、真山の気を引くためのバレバレの行動に自分を巻き込まないでほしいと辛辣な言葉を投げ掛ける。一方の真山は、あゆみが弄ばれるのではないかと心配するが、山崎と勅使河原は、野宮はそんな悪い男ではない事、むしろ真山に似ているところがある事を告げて諭す。一方の野宮はその後、真山への思いを泣きながら語るあゆみの聞き役に徹して一夜を過ごし、さらに無断外泊してしまったあゆみに、同性の勅使河原の付き添いを付けて実家に送らせるなど、アフターフォローまで気を配るのだった。

その頃、竹本祐太はやっと就職の内定を取る事に成功。だが、仲間内でお祝いのパーティを開催していた時に、内定が決まった企業が倒産するという報せを受ける。将来が見通せない事と、思いを寄せる花本はぐみの理解者にも支えにもなれないもどかしさを覚えた竹本は思い悩み、衝動的に携帯も置いたままで自転車に飛び乗り、行く先も定めない旅に出てしまう。

第7巻

自分探しの旅を続け、ひたすらに北を目指していた竹本祐太は、その途中で全国の寺や神社などを修復して回っている修復士の集団と知り合う。そこで竹本は、壊れてしまった自転車の購入費用分を働かせてもらう事になった。家事全般が得意な竹本は、炊事洗濯から雑用まで大活躍し、修復士達に重宝されるが、棟梁やしんさん六太郎達に、自分の気の済むまで旅を続ける事を勧められる。こうして竹本は、しんさんの自転車をもらって再び北を目指し始めるのだった。そして8月30日、竹本は浜田山美術大学へと帰還する。そのあいだ、山田あゆみは新たに知り合った原田理花から仕事の注文を受け、花本はぐみ花本修司の勧めで夏の子供絵画教室の教師を務めるなど、それぞれの道を見出していた。夏の終わり、はぐみ、修司、真山、森田、竹本、あゆみら仲間達と共に過ごす夏祭りの夜。竹本はついに、はぐみに告白する。

第8巻

竹本祐太花本はぐみに告白した。竹本への明確な返事はなかった事からふられたという結論に至り、それでも思いを伝えきった事で、竹本自身は清々しい気持ちになっていた。藤原デザイン事務所山崎一志と野宮匠は、分派として異動する事となった鳥取で、ひたすらに仕事をこなしていた。そんな中、野宮は思いを寄せる山田あゆみが、原田デザイン事務所からの仕事を受けており、あゆみをふった真山巧や、その真山の思い人である原田理花といっしょに働いている事を知る。無理に明るい声で電話を受けるあゆみを心配した野宮は、鳥取から東京まで車を飛ばしてあゆみを慰めに向かう。だが、同時にあゆみは気を利かせた勅使河原美和子に、鳥取へ行くよう指示を受けており、不運にも入れ違いになってしまう。その後、どうにかあゆみに会う事ができた野宮は、これまで自身が貫いてきた大人の恋愛のセオリーに反し、衝動的にあゆみに告白する。その頃、真山は、事故死した夫を思い続けて死を願い、自身を大事にしない理花の行動に目を瞑り続けていたのを止め、彼女に生きてほしいと思いの丈をぶつけるのだった。

第9巻

竹本祐太は卒業制作ともいえる浜美祭の作品をぎりぎりで完成させる。一方で花本はぐみは、自身の表現への欲求の赴くままに制作に打ち込む事と、将来の安定を秤にかけ、進路を思い悩んでいた。そんな中、美しく完成した竹本の作品を褒めるはぐみに、竹本はどうして花本修司に好意を伝え、これからもいっしょに美術作品の制作の支えになってほしい、と本心を打ち明けないのか尋ねる。一方、修司は、はぐみと同様に秀でた才能を持つ森田忍ならば、彼女の悩みに寄り添えるのではないかと考え、忍に助言を求める。だが、忍はもともとはぐみの近くにいなかった自分にできる事はないと言い残し、浜田山美術大学を離れてしまう。時を同じくして、真山巧原田理花のサポートをするためにスペインへと旅立つ。そして山田あゆみは、そんな真山を落ち着いて送り出せるほどに、過去の自分の片思いに決別しつつあった。そんな中、はぐみは事故に遭い、制作者として生きる事が危ぶまれるほどの深い裂傷を、右手に負ってしまう。

第10巻

花本修司は重傷を負った花本はぐみのリハビリに協力するため、そしてはぐみが負担に思わないようにと、彼女に内緒で浜田山美術大学に休職願いを提出する。そんな中、真山巧からはぐみのケガの事を知らされた森田忍は、入院先に駆けつけてはぐみをさらい、何も残せなくてもいっしょにいてくれるだけでいいと告白する。そんな忍のいつもと違う言動から、ほかに気がかりがあると察したはぐみは、投げ出す事はいつでもできると逆に忍を励ますのだった。そしてはぐみは、負担を強いる事になるからと希望を伝えるのを躊躇していた修司に、これからの人生を私に下さいと告げる。

登場人物・キャラクター

竹本 祐太 (たけもと ゆうた)

手先が器用だが優しく不器用な美大生。建築科の学生で、群馬県出身。花本はぐみに一目ぼれし、恋心を自覚しないまま仲良くなる。父親を早くに亡くしたため、働く母親を支えようとがむしゃらに頑張ってきた。しかし母親が再婚したため人生の目標を見失う。故郷から逃げるように東京に来て、美大に入学した。 真面目で努力家なので人には好かれるが、世渡りが下手で迷いが多いため卒業制作や就職活動もうまくいかない。自分を空っぽだと認識し、衝動的に自転車で突然旅に出てしまう。

花本 はぐみ (はなもと はぐみ)

油絵科の学生で、長野県出身。小柄で愛らしい容姿で、森田忍に「コロボックル」「ネズミーマウス」などとと呼ばれる。美術の才能は体に反比例しており、ダイナミックな作品を作る。絵画や彫刻など多作であり、いずれも高い評価を受けているが、有名になることへの興味は低い。故郷にいた頃は友達もおらず、絵ばかり描いていた。 恋愛方面のキャパシティはゼロで、また将来への不安も抱えている。学生生活最後の浜美祭で、強風に煽られたガラスの下敷きになり重傷を負ってしまう。

森田 忍 (もりた しのぶ)

彫刻科を8年かけて卒業し、その後日本画科3年に編入する。竹本祐太達と同じ美大に通う先輩で、破天荒な性格の問題児。ただし意外と人を気にかけており、特に山田あゆみにはさりげない優しさを見せることが多い。驚異的な芸術センスを持っていり、同じく天才肌の花本はぐみに惹かれるが素直に表現できず、ちょっかいばかり出してしまう。 たびたび姿を消し、しばらく帰ってこないことがあるが、実は兄である森田馨と共に、ある計画を遂行しているためであった。

真山 巧 (まやま たくみ)

建築科の学生で、石川県出身。人当たりも要領も良いメガネ男子。花本修司を通して出会った原田理花に惹かれ、彼女の元でアルバイトをしていた。卒業後、一旦藤原デザイン事務所に就職するが、それは原田梨花を傍で支えるための準備でもあった。山田あゆみに告白されるが、友達のままでいることを選択する。 5人組の中では比較的常識人で、花本修司同様に他の人のお守り役になることがある。また律儀なのか寂しがり屋なのか、忙しくても集まりには駆けつけるタイプ。

山田 あゆみ (やまだ あゆみ)

陶芸科の学生で、後に研究科に進み、助手となる。東京都の浜田山商店街育ちで、山田酒店の娘。周りからの愛情を受けて、まっすぐ育った。ロングヘアの美女で性格も良く、おまけに美乳美脚の持ち主。しかし、真山巧への思いだけは叶えられなかった。野宮匠のアプローチを受けるが、どうしても真山巧が忘れられずに苦しむ。 花本はぐみの親友でなり、彼女の姉のような存在でもある。酒癖が悪かったり、一風変わった奇怪な料理を作ったりするのが玉にキズ。

花本 修司 (はなもと しゅうじ)

浜田山美術大学の教授。面倒見が良く、教え子から慕われている。従兄弟の子である花本はぐみを溺愛している。原田理花と原田とは大学時代の親友で、ずっと一緒にいた。彼らの事故後は半分抜け殻のようにになっていたが、花本はぐみが来てからは、自分自身を取り戻すようになった。 人に教えるのが上手な反面、画家としては挫折しており、自分の果たせなかった夢を花本はぐみに託してしまいそうになる。彼女の怪我の後、全てを支えるために大学を辞める。

原田 理花 (はらだ りか)

原田デザイン事務所の経営者兼デザイナー。ショートヘアの儚げな美人。旧姓江上。原田と花本修司は大学時代の同級生で、人見知りする彼女が唯一なついていた存在である。原田と結婚し、原田デザイン事務所で共に幸せな時間を過ごした。しかし彼女の過失による交通事故が起こり、原田は帰らぬ人となってしまい、自らも足を負傷してしまう。 それ以来人に心を閉ざし、夫の残した仕事にのめり込むようになる。真山巧を頼りにしており、彼の恋心にも気付いているが気づかないふりをする。

野宮 匠 (のみや たくみ)

藤原デザイン事務所のエースで、真山巧の先輩。長髪でメガネをかけている。冷静でさわやか、かつ仕事ができる。女子のメモリー満載の携帯電話を海に投げ捨てるなど、かなりのモテ伝説がある。仕事の関係で山田あゆみと知り合い、彼女に近づいていく。真山巧を思い続ける彼女を大人のやり方で徐々にふりむかせようとするが、真山巧や山田あゆみの純粋さに影響を受け、最後は直球で彼女に告白することとなる。

森田 馨 (もりた かおる)

森田忍の兄。お金が好きなビジネスマンで、会社の社長でもある・ふらりと弟の前に現れ、彼を各地の高額アルバイトへと派遣する。冷徹になろうとするが根が優しいため、自分が行おうとしている計画に対して自責の念を抱いている。また、才能のある父や弟にコンプレックスや疎外感を感じていて、同じような思いを抱えていた根岸達夫によくなついていた。 祐木奈江が好き。

原田 (はらだ)

原田理花と花本修司の同級生。孤高の存在であった原田理花をなつかせ、結婚まで至った。原田デザイン事務所を立ち上げ、デザインセンスはあるが口下手な原田理花に代わり、対外的な仕事をしていた。多くの人に愛される存在で、非常に有能な人物だったが、交通事故で他界。その存在は原田理花と花本修司を過去へ縛るものとなってしまった。 また、野宮匠は原田の仕事ぶりをお手本にしているという。

勅使河原 美和子 (てしがわら みわこ)

藤原デザイン事務所勤務の姉御的存在。メガネをかけた知的な美人だが、中身はオヤジ化している。いつもリーダーとじゃれあっているように見えるが、仕事の腕は確か。山崎一志で遊ぶのを半ば生きがいとし、常人では着られないファッションに挑戦させるが、彼が次々と着こなしてしまうのが不満である。 料理が得意。

山崎 一志 (やまざき かずし)

藤原デザイン事務所の、真山巧の先輩。野宮匠とは同期。ツンツン頭が特徴の優しい男性で、中学高校は男子校、大学は工業系専攻と男子まみれの人生を送ってきた。勅使河原美和子のことが好きだが、彼女に全く気付かれていない。どんな服でも着こなしてしまうスタイルの持ち主で、雑誌の「おしゃれチャンプ」に選ばれたことも。

リーダー

『ハチミツとクローバー』に登場するキャラクター。藤原デザイン事務所の飼い犬。オス。普通の犬なのでしゃべれないが、漫画上では感情が独特な文字で表現される。散歩とごはんと勅使河原美和子が大好き。リーダーを拝むと商談がまとまるというジンクスがある。

合田 美津子 (あいだ みつこ)

竹本祐太の母。夫に先立たれ、女手一つで子供を育てていた。看護婦で、病院のスタッフや患者達に慕われている。入院患者の合田稼頭男に告白され、その熱意に押され再婚した。息子同様生真面目で人のために無理をし、倒れたこともある。

竹本 祐一 (たけもと ゆういち)

竹本祐太の父。昔から虚弱体質で、病気がちだった。竹本祐太が中学生の時に亡くなり、彼が回想するシーンで登場する。

合田 稼頭男 (あいだ かずお)

合田美津子の夫で、竹本祐太の義理の父。豪快で男らしく、不器用ながら愛を告白し、合田美津子の心をとらえた。竹本親子が他人行儀で接することを気にする。

しんさん

竹本祐太が自転車で一人旅に出た際、彼を見つけた。修復士で、全国を回っている。大学を出た後で自身も自分探しの旅に出かけ、現在の仕事に出会った。頭が良く、面倒見のいい好青年。

六太郎 (ろくたろう)

しんと同じく修復士だが、まだ下っ端である。18歳のヤンキーで、家のため有無を言わさず仕事に出された。そのため大学を出て自分探しの旅に出ている竹本祐太を甘っちょろいと思っている。甘いもの好き。

森田 司 (もりた つかさ)

森田忍と森田馨の父。森田技研の社長で、天才的な技術者。豪快な性格で、人を惹きつける存在だったが、そのまぶしさが根岸達夫の闇をこじ開ける悲劇を招いてしまい、会社を買収されてしまう。その後のことは描かれていないが、おそらく故人となっている。容姿は現在の森田忍そっくり。

根岸 達夫 (ねぎし たつお)

森田司の幼馴染で仕事のパートナー。老いた母を看病し、自身も重い病を抱えていた。心の隙間の闇をつかれ、森田司の会社をフロイド・エレクトリック社に売ってしまう。

ローマイヤ先輩 (ろーまいやせんぱい)

マッチョな体と大きなハート、実家が農家というバックグラウンドで、後輩男子たちのハートを鷲掴みにした。その人徳は着ぐるみを着ていてもあふれてしまい、ヤンキー高校生も虜にした。なお、本名は明かされていない。

徳大寺先生 (とくだいじせんせい)

花本修司の恩師で、京都の大学の先生。新しい本を作る際に花本修司を誘い、一緒にモンゴルや中国、京都へ行く。モンゴル相撲のチャンピオンになったことがある猛者。

丹下先生 (たんげせんせい)

森田の担当教授で、小柄なおじいさん。森田の才能と暴走の間で常に揺れ動き、彼を甘やかすまいと厳しく接するが、遂に卒業制作を受け取る。

ピータールーカス

ハリウッドの大物監督。肥満体型のユーモラスなおじさんで、「チャミーン」という擬音語で登場する。

場所

浜田山美術大学 (はまだやまびじゅつだいがく)

竹本祐太達の活動拠点兼ホームグラウンド。花本修司、原田理花、原田は卒業生である。武蔵野美術大学がモデルとなっている。

(りょう)

竹本祐太、森田忍、真山巧が在学中に住んでいた場所。「6畳プラス台所3畳、フロなし、大学まで徒歩10分。築28年家賃3万4千円。朝日が眩しい東向き」というモノローグ通りの場所。

原田デザイン事務所 (はらだでざいんじむしょ)

原田と原田理花が二人で立ち上げたが、夫亡き後は原田理花が一人で経営していた。現在は真山巧が手伝っている。

藤原デザイン事務所 (ふじわらでざいんじむしょ)

真山巧が就職した所で、人気のあるデザイン事務所。藤原毬夫と「藤原類二」という双子のオカマが経営者。二人がけんかをして一時、東京都と鳥取県に拠点が分かれたことがある。それがきっかけとなって真山巧は退職し、原田デザイン事務所に押し掛け入社した。

浜田山中央通り商店街

山田あゆみの地元。活気はあるが、駅の反対側にできた大型スーパーの脅威にさらされている。ここの三代目はみんな山田あゆみのことが好きで、大挙して告白したが、全員撃沈した。

アニメ

ハチミツとクローバーⅡ

古いアパートで貧乏生活を送る美大仲間の竹本祐太、真山巧、森田忍。竹本祐太と森田忍は花本はぐみに恋心を抱くも、その思いをうまく伝えられない。美大を卒業した真山巧は、片思い中の建築デザイナー・原田理花のも... 関連ページ:ハチミツとクローバーⅡ

ハチミツとクローバー

古いアパートで貧乏生活を送る男子美大生の竹本祐太、真山巧、森田忍は、美大の教員から、花本はぐみを紹介される。彼女に恋をした竹本祐太と森田忍は不器用ながらもアプローチをスタート。 一方、真山巧は、建築デ... 関連ページ:ハチミツとクローバー

SHARE
EC
Amazon
logo