マイ・ブロークン・マリコ

マイ・ブロークン・マリコ

平庫ワカの初連載作品にして代表作。 現代日本を舞台に、26歳のOL、シイノトモヨが自殺した親友のイカガワマリコの遺骨を奪い、逃避行を続ける物語。ある日、ラーメン屋で見たテレビニュースを通じてマリコの訃報を知ったシイノは、マリコの家に乗り込んで遺骨を奪い、彼女が生前に行きたがっていた「まりがおか岬」を目指して旅に出る。この逃避行の過程で、中学時代からの二人の関係性や、マリコが受けていた家庭内暴力の実態が明らかになっていく。本作は、女性同士の魂の結びつきをテーマに、友情や愛情の枠を超えた極限の絆を描いたロマンシス。遺骨を抱えた旅という設定で展開されるロードムービーの要素も取り入れられている。生々しい表情の描写と繊細なモノローグを用いて登場人物の内面を表現し、家庭内暴力やネグレクト、近親相姦といった社会問題を背景に、被害者が置かれる孤立した状況や社会的な支援体制の不備が描かれている。KADOKAWA「COMIC BRIDGE online」2019年7月16日から2019年12月17日まで連載。2020年に「このマンガがすごい!2021」オンナ編第4位、2021年に第24回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞を獲得。実写映画(劇場)が2022年9月30日に公開された。

正式名称
マイ・ブロークン・マリコ
ふりがな
まい ぶろーくん まりこ
作者
ジャンル
自殺
 
友情
レーベル
BRIDGE COMICS(KADOKAWA)
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作品の概要

基本情報

平庫ワカの初連載作品にして代表作。

要旨と舞台設定

現代日本を舞台に、26歳のOL、シイノが自殺した親友のマリコの遺骨を奪い、逃避行を続ける物語。

ストーリー展開

ある日、ラーメン屋で見たテレビニュースを通じてマリコの訃報を知ったシイノは、マリコの家に乗り込んで遺骨を奪い、彼女が生前に行きたがっていた「まりがおか岬」を目指して旅に出る。この逃避行の過程で、中学時代からの二人の関係性や、マリコが受けていた家庭内暴力の実態が明らかになっていく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、女性同士の魂の結びつきをテーマに、友情や愛情の枠を超えた極限の絆を描いたロマンシス。遺骨を抱えて旅をするという設定で展開されるロードムービーの要素も取り入れられている。

作品固有の表現技法と特徴

作中では、生々しい表情の描写と繊細なモノローグを用いて登場人物の内面を表現している。これにより、マリコが受けていた家庭内暴力については直接的な表現を避けながらも、その深刻さが伝わる構成となっている。また、死者との対話という形式を通じて、生と死の境界を曖昧にする演出が施されており、回想シーンと現在の場面を交互に描くことで、シイノとマリコの関係性の変遷が段階的に明かされていく。

世界観の構築と設定

作品世界では、現実的な社会問題として家庭内暴力やネグレクト、近親相姦といった要素が設定されており、これらの問題に対する社会的な支援体制の不備や、被害者が置かれる孤立した状況が背景となっている。また、死者の遺骨を巡る法的・社会的制約や、逃避行における現実的な困難も物語の重要な要素として盛り込まれている。

連載状況

KADOKAWA「COMIC BRIDGE online」2019年7月16日から2019年12月17日まで連載。

受賞歴

2020年「このマンガがすごい!2021」オンナ編第4位。

2021年第24回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞。

メディアミックス情報

実写映画(劇場)

2022年9月30日公開。監督・脚本はタナダユキ。主人公のシイノトモヨを永野芽郁、トモヨの幼なじみであるイカガワマリコを奈緒が演じる。

あらすじ

OLのシイノトモヨは、ある日仕事中に友人のイカガワマリコが自殺で亡くなったという報せを受ける。トモヨはつい先日もマリコと会ったばかりで、そこまで追い詰められている様子は感じられなかった。マリコの精神状態に気づけなかったことを悔いたトモヨは、今からでもマリコに何かしてあげられないかと考えた結果、彼女の遺骨を盗み出すことを思いつく。イカガワマリコの父親はマリコに精神的にも性的にも暴力を振るっており、とてもマリコをまともに弔ってくれるようには思えなかったからである。そこでイカガワ家に刃物を持って押し入ったトモヨは、遺骨を強奪し、生前マリコが行ってみたいと言っていた「まりがおか岬」へと向かう。しかしその途中で泥棒に遭い、遺骨以外すべての持ち物を盗まれてしまう。そんなトモヨのもとに、謎の若い男性、マキオが現れる。トモヨは、お金を貸してくれたり、何かと気にかけてくれるマキオを不審に思いながらも、まりがおか岬にたどり着くが、そこでとうとう精神的に限界が訪れ、衝動的に崖から飛び降りようとする。だがその時、生前のマリコに雰囲気の似た少女が変質者に追われている姿を目撃したトモヨは、思わず助けに向かう。

登場人物・キャラクター

シイノ トモヨ

東京都に住む会社員の女性。年齢は20代半ば。茶髪のボブヘアで、ややガラが悪く蓮っ葉な雰囲気を漂わせている。イカガワマリコとは幼なじみで、マリコからは「シイちゃん」と呼ばれていた。クールに振る舞っているが強気な性格で、衝動的な行動を取りがちなところがある。また、マリコのことになるとすぐに感情的になり、トラブルを起こしたこともある。学生時代からマリコの不幸な境遇を理解し、自分にできる範囲で支え続けていた。しかし、マリコが自分の気を引くためにわざと依存的な行動を取ることに負担を感じていた。それでも友人として親しく付き合っていたが、マリコが突然自殺し、その事実を受け入れられずに苦しんでいる。そこで、せめてマリコの遺骨を粗暴なイカガワマリコの父親から救い出そうとイカガワ家に押し入り、遺骨を強奪して旅に出る。旅を始めてからも気丈に振る舞っていたが、自分の心の支えがマリコだと改めて自覚し、自分になんの相談もせずに自殺したことに深く傷ついている。両親は離婚しており、その点もマリコと共通していた。中学生の頃から喫煙しており、やや依存気味。

イカガワ マリコ

東京都中野区に住む女性。シイノトモヨの幼なじみ。亡くなった時の年齢は26歳。学生時代から亡くなるまでずっと「福寿荘」という木造アパートの1階に住んでいた。ボサボサのボブヘアで、やせた体型の薄幸で影の薄い人物。左目尻に大きなほくろが一つあり、右手首には大量のリストカットの跡がある。ふだんは明るく振る舞っているが精神的に非常に不安定で、特に親しい友人であるトモヨに対しては依存気味である。小学生の頃に母親が出て行って以来、イカガワマリコの父親と二人暮らしで、肉体的および精神的、性的に暴力を振るわれて育つ。そんな地獄のような日々の中でトモヨだけを心の支えにしており、もしトモヨに恋人ができたら自殺すると言って困らせていた。また、わざと暴力的な男とかかわってトモヨの気を引いたり、怒らせたりして、つねにトモヨを振り回していた。その後、4年前に父親がタムラキョウコと再婚したことで、少し落ち着きを取り戻した。しかしある日、大量の睡眠薬を服用したうえで自宅の4階のベランダから転落して亡くなった。そこまで追い詰められていたことを、親友のトモヨにはいっさい話していなかった。手紙を書くのが好きで、トモヨには学生時代から頻繁に手紙を送っていた。

タムラ キョウコ

東京都中野区にあるアパート1階に住む中年女性。イカガワマリコの義母。目つきが悪いうえに不愛想で、一見すると近寄りがたい印象を与える。しかし、実際は話好きで面倒見もいい。イカガワマリコの父親とは4年前に結婚したが、彼の粗暴な人間性には苦労させられていた。そんな中、マリコが自殺し、イカガワ家を訪れたシイノトモヨと出会う。この時、トモヨが自分と面識のないことを利用してセールスのふりをしたために、騙されて自宅に招き入れてしまう。

イカガワマリコの父親 (いかがわまりこのちちおや)

東京都中野区にあるアパート1階に住む中年男性。イカガワマリコの父親。マリコの母親とは離婚しており、4年前にタムラキョウコと再婚した。ぼさぼさの髪に無精ひげを生やし、だらしないうえに不潔な人物。短気で暴力的な性格で、気に入らないことがあるとすぐに周囲に暴言を吐いたり暴力を振るったりする。マリコが小学生の時に妻が出ていき、以来マリコには日常的に暴力を振るったり、虐待して奴隷扱いにしていた。さらにマリコが高校生の頃、彼女を強姦した。その後妻は戻ってきたものの、この事実を知った妻は再び出て行き、マリコとの関係はさらに悪化した。また、この関係を知っているシイノトモヨとも仲が悪い。マリコが自殺し、その死を受け入れられずにいたところ、自宅にトモヨが現れ、マリコの遺骨を奪おうとするトモヨと争いになる。

マキオ

東京都から高速バスで10時間ほどの場所にある「まりがおか岬」の近くに住んでいる若い男性。ぼさぼさの髪で無精ひげを生やしており、全体的にもっさりとした容姿をしている。マキオ自身はシイノトモヨに名乗っていないが、持ち物に「マキオ」と記名してあったことから、トモヨはその名前を知った。半年前、まりがおか岬で自殺決行したが失敗に終わる。そのため、偶然出会ったトモヨを自分と同じ自殺志願者ではないかと考え、心配している。以来、泥棒にお金を盗まれたトモヨにお金を貸したり、トモヨが自殺しないようにまりがおか岬までついて行ったりと、何かと世話を焼いている。見た目に反して心優しい性格で、突然飛び出していったトモヨの代わりに遺骨を預かったり、野宿しているトモヨが変質者に襲われないように朝までそばにいたりと、非常に面倒見がいい。

書誌情報

マイ・ブロークン・マリコ KADOKAWA〈BRIDGE COMICS〉

(2020-01-08発行、978-4040642468)

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