ラノア魔法大学

ラノア王国の魔法都市と名高い街、シャリーアに存在する大学。単に「魔法大学」とも呼ばれる。魔術を学べる学府としては世界的に名高く、在学生や卒業生には自動的に魔術ギルドから会員としてのランクや資格が与えられるなど、さまざまな特典が存在する。そのため魔術の素養のある人物や、それらに興味のある人材などさまざまな人々が人種を問わずに通う。また、各国の王侯貴族も国での権力闘争から逃れるためというネガティブな理由などもありつつ通っており、所属する学生の身分や種族は上下に至るまで幅広く存在する。そのため、獣人や魔族に対する偏見も他地域に比べると非常に穏やかで、学問に対する実力や姿勢が評価の大部分を占める。一方で、他国の貴族社会からの圧力に対しては決して無縁とはいえず、卒業式における首席の座などに代表される細々した部分で、身分が優先される場合があることは否めない。学生生活は基本的に学生寮での集団生活で、学内には食堂や購買といった各種施設が存在する。また、併設された図書館には数多の書物が所蔵されており、購買で販売されているものなども含めれば、参考文献や授業に必要な各種素材には事欠かない環境が整っている。魔術を学べる学府として有名ではあるが、算術課など魔術以外の学科も存在している。そちらには商人の子供などが将来、店を継いだ時に必要とされる知識を習得するために通っており、学内では学課を問わずに自由な交流が行える。広く門戸が開かれており、入学時には試験なども必要としない。年齢などによる制限もないが、一方で多額の入学金を必要とする。また、毎年学生資格の更新があり、その度に学費を収める必要があるため、一定の財力や自身で冒険者家業などを通して稼ぐだけの実力を要求される。しかし、学費に関しては成績優秀者に対する免除や減額といった制度的補助が存在しており、ロキシー・ミグルディアは成績優秀者として在学中に減額の対象となっている。大学での在籍期間は基本的に7年と定められており、留年を含めて9年ほどが限度となっている。こと魔術を教わる課程では1年～3年までのあいだに各属性の基礎から中級までの魔術の取得が進級の条件となり、5年までには最低でも1種の上級魔術の取得が必要とされる。そして卒業には7年までに上級魔術を2種以上か聖級1種以上の取得、またはなにかしらの研究成果の発表を求められる。中級までの魔術は比較的容易に取得できるため、4年まではさしたる障害もなく進級できる者が多い。しかし、上級に分類される魔術を発動するための魔力の消費に耐えられる人物が、この時点からふるいに掛けられるため、卒業までには在学生のほとんどが進級を諦めるか、退学を余儀なくされる。