概要
高校卒業後、すぐに岡山から東京にやって来た青年。上京当時の年齢は18歳。黒の長髪と端正な顔立ちで、一条聖也自身が勉強家であることから「インテリ美形」と評されることがある。のちに帝愛グループの裏カジノで店長を務め、一玉4000円という難攻不落の化け物パチンコ台「沼」を生み出し、多くのギャンブラーたちを地獄に送り込んでいる。「大学に進学しなかった」と自称しているが、「進学できなかった」というのが真相で、大学に行けなかった一条と相棒の村上を見下していた、地元の知り合いを見返すために東京で成功することを夢見ている。上京後は板橋区大山のボロアパートに居を構え、ファミリーレストランでアルバイトしながら、村上と同居生活を送っている。図書館に通いながらTOEICや簿記などの勉強をしているが、今のところなにも成果は出ていない。他人をランク付けする悪癖を持ち、一条聖也自身の自己評価は非常に高い。アルバイト仲間の三好のランクは、一条の中ではペットのハムスター「モモ太」よりも低く、何かに失敗して自分を卑下することもあるが、「三好よりはマシ」という考えでメンタルを切り替えている。また、大阪の軽いノリで他人に自分の考えを押し付ける人間が嫌いで、初めは美沢とも敵対していた。なまじっか知識があるため、村上をはじめとした周囲の人間にさまざまな講釈をたれるが、感心はされても心から共感してもらうことはない。そのため、承認欲求がつねに満たされておらず、上京時から「イチ」というハンドルネームを使っているTwitterは、一条の高い意識の掃き溜めとなっている。もちろんそんなアカウントに人が集まるわけもなく、こまめに更新しているにもかかわらず、フォロワーは100人にも満たず、いいねも10付けばいい方という自己満足状態。言うことは立派で向上心にあふれているが、行動が伴っていないために往々にして理想と現実のギャップに悩みながら葛藤している。もともと頭がいいため、自分で言った言葉と行動の矛盾に自分で気づき、勝手に後悔して反省する自己完結型の思考の持ち主。後悔や反省している時は、誰が何を言っても言葉は届かず放っておくしかない。さらに、他人からバカにされたと感じると数日引きずる打たれ弱い一面もある。一方で親しい人間には面倒見がよく、村上を下に見ながらも何かと世話を焼いている。「よく考え理解する」能力を持っているが、実際に生かされているのはゲームくらいである。しかし、例えばソーシャルゲームなら運営会社の決算とガチャ排出率の関係をデータとして読み取ったり、白バイからヒントを得てTPSゲームの攻略を思いついたりするなど、「気づく」能力に長けている。
登場作品
上京生活録イチジョウ (じょうきょうせいかつろくいちじょう)
福本伸行の『賭博破戒録カイジ』のスピンオフ作品。のちに難攻不落のパチンコ台「沼」を生み出す一条聖也が、地元岡山から上京し、成り上がりを目指した青春時代を描いたコメディ。講談社「モーニング」2021年8... 関連ページ:上京生活録イチジョウ