概要
加治屋フーズの広報部に所属する女性。年齢は24歳。加治屋フーズの社長の娘で、もうすぐ入社4年目になる。自分が社長の娘である立場から、周囲に影響を与えていることを自覚しているものの、社長の娘としてどうあればいいのか正解がわからずにいる。婚約者である橘はじめのことが大好きで、全世界に発信したいほど自慢に思っている。しかし婚約に至る経緯が特殊なものだったため、はじめには自分への気持ちがないと思っている。密かな夜の楽しみは電子コミックを読むことで、最近特にハマっているのは王道のオフィスラブ。平凡だが健気なヒロインが、会社でスーパーエリートなヒーローに出会い、恋に落ちていく物語で、その登場人物であるヒーローにはじめを、ヒロインには見た目も中身もそっくりな花澤優衣を重ね、加治屋紫乃自身は見るからに悪役的な立ち位置にあるヒーローの婚約者に当てはめ、あたかも自分の日常が漫画のストーリーとリンクしているかのように、配信されるコミックをより親身になって読み進めている。表向きには物わかりのいいお嬢様を演じているが、内心は嫉妬や憤慨など、心を乱されることが多い。学生時代には壮絶ないじめに耐えた経験があり、弱々しそうに見えて、芯の強いところがある。はじめとは、入社したばかりの頃に周囲から特別扱いされ、こっそり泣くためにやって来た資料室で出会った。もともとそこで仮眠を取っていたはじめと、他愛のない話をするようになった。当時の関係は婚約者となった今よりもずっと自然で、肩ひじ張らない友達のような関係を築き、はじめを好きになるのに時間はかからなかった。その後、社長から縁談の話が持ちかけられたことがきっかけで自分の気持ちが抑えられなくなり、はじめと結婚したいと社長に直談判。これが決定打となり、はじめとの婚約が決まった。紫乃にとって、これが生まれて初めて社長の娘という立場を利用した瞬間であり、本人としてはズルをしてしまったという認識はあるが、この婚約はもともとはじめ本人から、紫乃と結婚したいという強い打診があったことを紫乃は知らない。そのため紫乃の中では、はじめが強引に推し進められた政略結婚に応じざるをえなかったと認識しており、自分が本当に愛されているとは微塵(みじん)も思っていない。婚約して3年が経過した今でも、夜10時前には必ず家まで送り届けられ、清い関係を保っている。そんな中、はじめがいつまでも手を出さないことに業を煮やし、自分から関係をせがんだことでようやく進展する。その後は、なにかとはじめの部屋で甘い時間を過ごし、二人の愛は順調に育まれるかと思われたが、はじめの自分への気持ちを信じられず、優衣とはじめの関係を誤解し、自らが身を引くことでこの恋愛を終わらせようとしている。
登場作品
きみは面倒な婚約者 (きみはめんどうはこんやくしゃ)
兎山もなかの小説『きみは面倒な婚約者』のコミカライズ作品。加治屋フーズの社長令嬢にして広報部に所属する加治屋紫乃と、婚約者にして営業部のホープながら腹黒なところのある橘はじめの関係は、婚約して3年経つ... 関連ページ:きみは面倒な婚約者