大砲とスタンプ

大砲とスタンプ

武器を持たない紙の兵隊として揶揄されている兵站軍の少尉マルチナ・M・マヤコフスカヤを中心とした兵士たちの活躍を描いた戦争漫画。作中に登場する兵器のほとんどが架空のもので、各エピソード中で重要な扱いとなる兵器は、作者の解説が添えられている。

正式名称
大砲とスタンプ
ふりがな
たいほうとすたんぷ
作者
ジャンル
戦争
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊9巻
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

大公国軍兵站軍は、事務作業を中心としているため、他の兵士から紙の部隊と呼ばれ、格下に見られていた。兵站軍に所属する新人軍人のマルチナ・M・マヤコフスカヤは前線のアゲゾコ市へ駐屯する管理部第二中隊へと配属が決まった。そこで彼女を待ち受けていたのはだらきった駐屯軍の現状だった。いい加減なことを嫌うマルチナは改革を試み、個性的な第二中隊の面々と騒動に巻き込まれていく。

登場人物・キャラクター

マルチナ・M・マヤコフスカヤ (まるちな・えむ・まやこふすかや)

大公国兵站軍アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊に所属する女性将校。いいかげんなことを嫌う融通の効かない堅物で、事ある毎に「責任問題」と口にする。行動力に溢れ、上司の不正にも突っ込んでいく様から、突撃タイプライターと渾名されている。士官学校を卒業後、前線のアゲゾコ市へと赴任、事務作業に従事し辣腕を振るう。 赴任当初は第二中隊のいいかげんな指示系統に呆れていたが、経験を積むにつれて柔軟な対応にも慣れていく。好物の懐中汁粉は、実家から大量に送ってもらっている。赴任当初の階級は少尉、途中で中尉へと昇進した。戦闘に関しては素人であり、銃をまともに撃つことも出来ない。

キリール・K・キリュシキン (きりーる・けー・きりゅしきん)

大公国兵站軍 アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊所属の大尉。中隊長が殆ど現れないため、代わりに第二中隊をまとめあげている。名門軍人一族の出身だが、出世することを嫌い自ら兵站軍に志願したため、変人扱いをされている。文才に秀いで、ファンタスチカ(SF)を特に好み、自ら書いた小説を雑誌に投稿している。 仕事をサボり執筆したり、会議中に小説の構想を練ったりと仕事への情熱は薄い。しかし、思いやりがあり、部下たちの信頼は厚い。同盟先の帝国軍のことを嫌っている節がある。

スタンプ

『大砲とスタンプ』の登場する生物。イタチに似ているが、胴が異様に長く足が八本あるイタチモドキという架空の生き物。マルチナ・M・マヤコフスカヤが、アゲゾコ要塞へと向かう船の中に紛れ込んでいた。組員外としてマルチナに海へと放り出されそうになるが、情けをかけられ、それ以降マルチナと行動を共にしている。 書類にインクで足跡を付けたことから、スタンプと名付けられた。

アーネチカ・A・アルセニエワ (あーねちか・えー・あるせにえわ)

大公国アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊所属の兵長。腕っ節が強く、度胸もある女性。スラム街で育ち、一時刑務所に入っていたが、軍隊に志願し出所した。自由奔放で男好き、刑務所でも看守と関係を持ち、食料やタバコを恵んでもらっていた。事務作業を担当しているにも拘らず、読み書きが出来ずコンプレックスとなっていたが、現在ではマルチナ・M・マヤコフスカヤに指導されている。

ボリスラフ・B・ボイコ (ぼりすらふ・びー・ぼいこ)

大公国アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊所属の曹長。スキンヘッドに口ひげとあごひげをタップリと蓄え、左目を眼帯で覆っている。陸軍に所属していた、叩き上げのベテラン兵士。前線で活躍していたこともあり、勲章とメダルを併せて三つ授与されている。腕っ節も強く、第二中隊のボディーガード的存在。 若くて美人の奥さんを故郷に残している。年配者らしく落ち着いており、豪胆。

コースチャ・K・キリュシキン (こーすちゃ・けー・きりゅしきん)

大公国アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊所属の少尉。キリール・K・キリュシキンの異母弟だが、ずんぐりしている兄に比べて、スマートな体つきをしている。名門軍人の一族に生まれたことを誇りに思っており、武勲を立てることを切望している。前線への配属替えを希望するも、心配症の実母により阻止されている。 そのため、兵站軍でありながら戦闘に臨もうとし、数々の失敗を繰り返す トラブルメーカー。射撃の腕は相当のものがあるが、事務作業は苦手。

マンチコフ

大公国アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊所属の軍曹。退役後に会社を設立することを目標にしており、軍隊内で得る情報を元に株で儲けようとしているが、偽情報を掴まされることも多く、上手く行っていない。

ガブリエラ・ラドワンスカ (がぶりえららどわんすか)

アゲゾコ駐留帝国軍司令部付の大佐。大柄な女性将校。故郷に夫と子供を残している。小さなころは騎兵隊を目指していたが、男女の力の差に左右されにくいからと戦車隊を目指すようになった。国の力関係上、大公国側にも意見を通せる発言力を持つ。紙の兵隊として評価の低い補給廠管理部第二中隊を大公国軍の華と高く買っている。

スィナン・カライブラヒム (すぃなんからいぶらひむ)

大公国陸軍憲兵隊中尉。アゲゾコ出身であり、褐色の肌を持つ。大公国の軍人だが、共和国側にも通じ、双方で自分の立場の向上を企む多重スパイ。狡猾、かつ横暴な性格をしており、目的のためには手段を選ばない。

抵抗運動家 (ていこううんどうか)

共和国側の人間であり、アゲゾコを占領する大公国と帝国へのテロ行う集団のリーダー。本名は不明。寸胴で、眠たげな目をしているが、あらゆる所で暗躍する有能な男。芝居がかったことが好きで、相手にも同じような行動を強要する。

ユースフ

巧みな射撃技術を持ち、二丁の機関銃を操る共和国出身の少年暗殺者。アゲゾコにあるアッバス商会に所属していたが、廃病院襲撃の際に事を大きくしすぎたため見限られる。そこに居合わせたスィナン・カライブラヒムに拾われ、暗殺や破壊工作に従事している。

集団・組織

兵站軍 (へいたんぐん)

『大砲とスタンプ』に登場する軍隊。物資の輸送や補給などの後方支援を担当している。事務作業が中心なため、紙の兵隊と呼ばれ、他の兵士から一段下に見られている。

補給廠管理部第二中隊 (ほきゅうしょうかんりぶだいにちゅうたい)

『大砲とスタンプ』に登場する軍隊。有能な中尉によって、書類を作ること無く任務に当たっていた。中尉の後任としてやってきたマルチナ・M・マヤコフスカヤによって、書類手続きが定式化された。

場所

アゲゾコ市 (あげぞこし)

元は共和国の領地だったが、現在は大公国と帝国が占領している。共和国の抵抗軍によるテロが多発する。町を見下ろすように同盟軍の拠点、アゲゾコ要塞がそそり立っている。

大公国 (たいこうこく)

『大砲とスタンプ』に登場する国家。帝国と同盟を結び、共和国と戦争をしている。

書誌情報

大砲とスタンプ 9巻 講談社〈モーニング KC〉

第8巻

(2018-12-21発行、 978-4065140598)

第9巻

(2021-01-21発行、 978-4065199077)

SHARE
EC
Amazon
logo