宮村 伊澄

片桐高校2年3組に所属する男子で、のちに3年1組に進級する。堀京子の恋人。学校では前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、耳の下まで伸ばした黒髪ボブに眼鏡をかけた目立たない格好をしている。帰宅後は前髪を左寄りの位置で斜めに分け、眼鏡は外し、耳や口にピアスをいくつも付けた派手な格好をしている。そのため、帰宅後の姿は、クラスメイトであっても宮村伊澄だと気づかない。

高校3年生の夏、京子と交際を始めてからは髪を切って眼鏡を外し、目が隠れそうなほど伸ばした前髪と、黒髪のウルフカットの髪型になる。堀創太からは「おにいちゃん」と呼ばれている。吉川由紀には、高校2年生の夏に帰宅後の姿を京子の従兄と勘違いされていた事があり、とっさに読んでいた漫画のキャラクターからとった「コノハ」という偽名を名乗った事がある。

さらに、最後まで伊澄とコノハが同一人物であるという事は気づかれなかった。また、母親からは「いっくん」と呼ばれている。穏やかで面倒見のいい性格で、落ち着いた中性的な口調で話す。一方で天然気味で思った事をそのまま口にしてしまうため「天然無神経」とも評されている。

ピアスやタトゥーといった派手なファッションが大好きで、耳には大量のピアス穴、腕とお腹には大きなタトゥーが入っている。しかし、周囲にはそれを知られないようにするため、髪で耳を隠し、学校ではあまり人とかかわらないように地味に過ごしていた。そのため、夏場でも絶対に肌は露出せず、厚着している。自己評価が低く、自分の事を「地味で根暗なオタク」だと捉えている。

そのため周囲から好意を寄せられても、なかなか自覚する事ができなかったが、京子と親しくなったのを機に友人が増え、次第に前向きになっていく。ある日、道で転んでケガをした創太を、家まで送り届けたのがきっかけで京子の家での意外な一面を知る。その日から創太に懐かれたのもあり、頻繁に堀家を訪れ、堀姉弟といっしょに過ごすようになっていく。

進藤晃一とは中学時代からの友人だが、晃一にだけは素直になれず、ツンツンした態度をとりがちになっている。顔が小さく、髪はサラサラで、下まつげが長い。さらに京子の中学時代の制服を着られるほど細身でもある。そのため、京子には事あるごとに女装させられそうになっている。成績はあまりよくないが、保健体育だけ非常にいいため、教師からカンニングを疑われた事がある。

好きな食べ物はシチュー。好きなアーティストはスピッツとBUMP OF CHICKENとポルノグラフィティ。家はケーキショップ「伊織」を営んでおり、高校卒業後は店を継ごうと考えている。歌を歌う事と、絵を描く事が得意。実は京子や千石翔らと同じ「あかり幼稚園」の出身だが、途中で「ひなた幼稚編」へ転園してしまったため、のちに当時のアルバムを見るまで、誰もその事実を知らなかった。