堀さんと宮村くん

堀さんと宮村くん

学校では派手で目立つが、家では家事に追われるしっかり者の女子高校生と、学校では地味で目立たないが、実は派手なファッション好きな穏やかな男子高校生。そんなまったく対照的な二人が、互いの本当の姿を知った事を機に恋に落ち、仲間と共に高校生活を送っていく姿を描いた青春学園4コマ漫画。作者であるHEROのWEBページ「読解アヘン」で2007年から2008年3月にかけて連載された。続編に、本編では描かれなかったエピソードなどを収録した『堀さんと宮村くん おまけ』がある。

正式名称
堀さんと宮村くん
ふりがな
ほりさんとみやむらくん
作者
ジャンル
学園
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

高校2年生の堀京子は、学校では派手で目立つ人気者だが、家では家事と弟の堀創太の世話に追われる苦労人。当然家では化粧もできず、帰宅してからは、別人のように地味で目立たない格好をしていた。そんなある日、京子は、ケガをした創太を家まで送り届けてくれた、謎の派手な男性と知り合う。なんと彼は、クラスメイトの目立たない男子・宮村伊澄であった。学校と学校の外とでは大きなギャップがあるという共通点から、京子と伊澄はその日を境に次第に親しくなっていく。やがて二人は3年生に進級するが、その直後の新入生歓迎会で生徒会を手伝う事になった京子は、生徒会長の千石翔の策略にはまり、綾崎レミの犯した失敗の責任をなすりつけられてしまう。生徒たちの前で謝罪を迫られる京子だったが、そこで彼らの噓を見抜き、助けに入ったのは伊澄だった。伊澄の指摘により事件は解決し、京子と伊澄はまた一つ絆を深めるのであった。

第2巻

夏。生徒会での一件で、堀京子宮村伊澄の仲はさらに深まり、友人の石川透吉川由紀も交え、四人は楽しい学校生活を送っていた。そんなある日、京子は、生徒会役員の綾崎レミに「伊澄が気に入ったので、アプローチをしてもいいか」と聞かれる。自分にその決定権はないと理解しながらも、京子は「ダメ」と言ってしまい、伊澄への思いを自覚しないまま、モヤモヤとした気分で過ごす事になる。また伊澄も、同時期に透から「伊澄の思い人は京子ではないのか」と指摘されていた。そして、ある日堀家で二人きりになった京子と伊澄は、お互い非常に伝わりにくい言い方で自分の思いを伝えるのであった。

第3巻

堀京子宮村伊澄は、思いを伝え合ったものの、伝わりにくい言い方をしてしまったために、自分たちが両思いなのかどうか、確信を持てないまま夏を過ごしていた。そんなある日、京子は体調を崩し、学校を休む事になってしまう。そこに駆けつけた伊澄は、看病をしながら、今度ははっきりと告白をする。その場では返事ができなかったため、京子は後日伊澄と話す場を作ろうとするが、そんな折、堀創太から「伊澄が女性と腕を組んで歩いていた」という話を聞きショックを受ける。自分は二股をかけられていたのだろうかと落ち込む京子であったが、その女性は伊澄の友人・進藤晃一の恋人であり、伊澄は彼女がケガをしたため、支える形で歩いていたのだという。誤解も解け、とうとうお互いの気持ちを確かめようとする二人だったが、そこに京子の父親である堀京介が現れる。京介のペースに巻き込まれ、その日はそのまま堀家と伊澄の五人で過ごす事になるが、京介に交際宣言をした事で、京子と伊澄は、とうとう恋人同士になるのであった。

第4巻

ついに恋人同士となった堀京子宮村伊澄。しかし、同時期に髪を切ってイメージチェンジをした伊澄は女子にもて始め、京子は複雑な思いで過ごしていた。そんなある日、京子は沢田ほのかという2年生の女子に「伊澄と交際しているのか」と尋ねられる。京子は、ほのかもまた伊澄に思いを寄せているのだと考えるが、実はほのかの思い人とは、伊澄ではなく、なんと京子であった。意外な展開に戸惑いつつも、京子は新たな友人としてほのかを家に招き、親しくなる。さらに伊澄とほのかが同じマンションの同じフロアのとなりの部屋に住んでいる事も発覚し、ここに、奇妙な三角関係が生まれるのであった。

第5巻

夏の終わり。堀京子宮村伊澄は、いつものように堀家で楽しく過ごしていた。しかし二人で会話するうち、京子は伊澄のネガティブで闇の深い一面を知ってしまい、自分はまだ伊澄の事を深く知らないのではと考えるようになる。そんなある日、進藤晃一が両親と喧嘩をし、しばらく伊澄の家に泊めてほしいと頼み込んでくる。多くを語らない晃一を案じつつも、伊澄はしばらく晃一と同居する事になるのだった。

第6巻

秋。吉川由紀石川透に思いを寄せつつも、同じく透を思う河野桜に遠慮してしまい、思いを伝えられずにいた。そんなある日、由紀は6組の柳明音に告白される。どう断るべきか悩んでいる由紀に、堀京子は「透や井浦秀といった男性の友人に、恋人のふりをしてもらうのはどうか」と提案する。協力者に透を選んだ由紀は、明音をふる事に成功するが、由紀と透は、その後も噓がばれないように、恋人のふりを継続する事になる。一方その頃、宮村伊澄の元に、中学時代伊澄をいじめていた谷原マキオがやって来る。卒業後、自分の行いを悔いていたマキオは、伊澄と交流を持つため、伊澄の実家であるケーキショップ「伊織」に訪れたのである。結局決定的な言葉を交わす事はなかったが、二人の関係は、その日から少しずついい方向に変わっていくのだった。

第7巻

晩秋。吉川由紀柳明音に「石川透と交際している」と噓をついて交際を断ってしまってからも、明音と友人として付き合っていた。一方、河野桜は、由紀と透が交際を始めたという噂を聞き、深いショックを受けていた。ある日桜は由紀に真偽を確かめるが、由紀はどうしても本当の事が言えずに思い悩み、それから何日も学校を休んでしまう。さらに透からのメールで、由紀は桜が透に告白した事を知る。しかし、透は由紀との約束を守り、桜に真実は告げず、このまま交際しているふりを続ける事にしたのだという。由紀は透のその答えに驚きつつも、これからも無理に透と恋人にはならず、今の関係を続ける事を決心するのであった。

第8巻

冬。河野桜石川透への思いを吹っ切り明るくなり、谷原マキオも、宮村伊澄と良好な関係を築いていた。しかし、桜の急な変化を不自然に思う千石翔だけはある日それを指摘し、桜は翔に、思い人がいたが、告白する前にふられてしまった事を話す。翔は桜を励まし、桜は初めて涙を流すのだった。やがてクリスマスイヴが訪れ、それぞれが思い思いに過ごすが、堀京子は実家のケーキショップを手伝う伊澄に遠慮し、いっしょに過ごさず、伊澄が手伝いを終えてから少しだけ会う事にしていた。深夜、二人は公園で会い、雪が降る中、伊澄は京子にプロポーズする。こうして二人の関係は、また一歩前進するのであった。

第9巻

3学期が始まり、堀家には宮村伊澄千石翔だけではなく、堀百合子堀京介の友人であり、翔の父親でもある千石タケルも訪れるようになった。しかし、それがきっかけで堀京子と伊澄は、翔が厳格なタケルを恐れるあまり、交際開始から時間が経過した今でも綾崎レミとの関係を打ち明けられずにいるという事を知る。一方、吉川由紀石川透は、未だに友人とも恋人ともつかない関係を続けていた。恋愛について複雑な意見を持ち、交際に前向きでない由紀に透は戸惑うが、今すぐには難しくても、将来的に自分のすべてを与えて相手を愛するような関係になりたいと改めて告白。二人はついに交際を始めるのだった。

第10巻

2月。バレンタインデーを機に吉川由紀河野桜の関係は元に戻り、堀京子井浦秀に頼まれて、秀の妹である井浦基子の受験勉強を見る事になった。京子は基子の志望校合格は厳しいと悟りつつ応援し、やはり合格は叶わなかったが、受験を機に、長らく微妙な関係にあった秀と基子の仲は修復されるのであった。そして卒業式。宮村伊澄は、京子と出会う前とは一変した現在の環境を改めて愛おしく思い、これからも京子を大切にしていこうと誓うのであった。

スピンオフ

本作『堀さんと宮村くん』には、本編では描かれなかったエピソードなどを収録した『堀さんと宮村くん おまけ』がある。こちらも本作同様HEROのホームページ「読解アヘン」で公開されたのち、スクウェア・エニックスよりコミックスが刊行されている。また、2011年10月からは「月刊Gファンタジー」で、本作を再構成し、作画に萩原ダイスケを迎えた作品『ホリミヤ』が連載されている。こちらは本作のように4コマ漫画ではなく、ストーリー漫画となっている。

メディアミックス

2012年10月から2015年3月にかけて、夏目真悟(第1話)、川畑えるきん(第2話)、平川哲生(第3話)監督による全3話構成のOVA版がリリースされた。脚本を綾奈ゆにこ、キャラクターデザインを沓名健一が手掛け、堀京子役を瀬戸麻沙美、宮村伊澄役を松岡禎丞が演じた。

登場人物・キャラクター

主人公

片桐高校2年3組に所属する女子で、のちに3年1組に進級する。堀京介と堀百合子の娘で、堀創太の姉。学校では前髪を左寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばした茶色のロングヘアをゆるく巻いている。帰宅後は前髪を... 関連ページ:堀 京子

片桐高校2年3組に所属する男子で、のちに3年1組に進級する。堀京子の恋人。学校では前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、耳の下まで伸ばした黒髪ボブに眼鏡をかけた目立たない格好をしている。帰宅後は前髪を左寄り... 関連ページ:宮村 伊澄

石川 透 (いしかわ とおる)

片桐高校2年3組に所属する男子で、のちに3年1組に進級する。堀京子と宮村伊澄の友人。前髪を眉上で短く切った、薄紫色のベリーショートカットヘアにしている。明るく素直で、協調性にあふれる性格。高校3年生の夏、京子に思いを寄せ告白しようと考えていたが、その際に京子が伊澄と親しいのに気づく。そこで、伊澄にその理由を尋ねたのがきっかけで親しくなる。 結局、京子にはふられてしまうが、その後は京子と伊澄の両方と、友人として親しく付き合っていく事になる。振られてからしばらくは、京子からはあまり関心を持たれていなかったが、伊澄とは周囲から「石川透と伊澄が交際すればいいのでは」と言われるほど仲がいい。吉川由紀とは友人として親しく付き合っていたが、高校3年生の秋、由紀から「柳明音に告白されたが、断りたいので、恋人のふりをしてほしい」と頼まれた事から、噓の恋人関係を演じる事になる。 明音が諦めて自分たちと友人関係になっても噓は続いていたが、河野桜が自分に思いを寄せていると知った事から由紀との関係についてまじめに考えるようになり、高校3年生の冬から正式に由紀と交際するようになる。 高いところが苦手で、マンションの7階にある伊澄の家を訪ねるにも一苦労している。高校3年の夏は、プールの監視員としてアルバイトしていた。なぜか、周囲の人物が猫になって登場する夢をよく見る。メロン味のアイスが苦手。

吉川 由紀 (よしかわ ゆき)

片桐高校2年3組に所属する女子で、のちに3年1組に進級する。堀京子と宮村伊澄の友人。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどの長さの亜麻色のボブヘアにしている。明るく元気いっぱいだが、やや思い込みが激しい性格をしている。一方で物事を深く考えすぎるあまり一歩踏み出せなかったり、本当に好きなものを隠したがったりする繊細な一面がある。 京子とは非常に仲がいいが伊澄に対してはよい印象を持っておらず、京子と伊澄が親しくなってもしばらくは、伊澄を根暗なオタクだと見下していた。しかし高校3年生に進級後、少しずつ親しくなっていく。高校2年生の夏、京子の従兄と名乗る「コノハ」いう謎の男性に、その正体が伊澄であると知らないままあこがれるようになるが、伊澄が高校3年生の夏に髪を切ってイメージチェンジした事から「コノハ」も見かけなくなってしまい、自然消滅的にあきらめる。 その後、石川透に思いを寄せるようになるが、すぐに河野桜もまた透に思いを寄せている事に気づく。そのため桜に遠慮して透に告白できずにいたが、高校3年の秋、柳明音に告白されて断る際、京子の提案で透に恋人のふりをしてもらった事から、そのまま透と噓の恋人関係を続ける事になる。 その後も透を思いつつも恋愛について前向きになれず、あいまいな関係を続けていたが、高校3年生の冬、透から改めて告白されて、ついに交際を始めた。お菓子作りが極端に苦手だが、透に食べさせるために練習しており、クッキーだけはうまく焼ける。 好きなアーティストはORANGE RANGE。

千石 翔 (せんごく かける)

片桐高校に通う3年生の男子で、生徒会長を務めている。堀京子や宮村伊澄とは同学年で、綾崎レミと付き合っている。千石タケルの息子。前髪を左寄りの位置で斜めに分けた、暗い赤色のストレートショートカットヘアにしている。生真面目な努力家で、自分にも他人にも厳しい性格。しかし実際はピュアで傷つきやすく、高圧的に振る舞う事で自分の弱さを隠している。 京子とは「あかり幼稚園」時代からの幼なじみで、喧嘩友達のような関係。しかし、小学校低学年までは京子にいじめられており、現在では京子の方がそれを申し訳なく思っているため、京子が自分の頼みを断りにくくなっているのを利用する事もある。ただし、現在でも基本的には京子に頭が上がらない。また、父親のタケルにも頭が上がらず、恋愛に対して否定的なタケルに、レミとの関係を打ち明けられずにいる。 さらにタケルは京子の両親・堀京介と堀百合子と高校が同じで面識があるため、幼い頃から「堀家の人間には気をつけろ」「京子には負けるな」と言われて育った。右手の手の平に、中学時代京子と学級委員の仕事中に転倒してできたほくろのような傷痕がある。 犬の事は「わんこ」蛙の事は「ゲコゲコ」など、動物を可愛らしい呼び方で呼ぶ意外な一面もある。特技は暗算。虫が苦手。

綾崎 レミ (あやさき れみ)

片桐高校に通う3年生の女子で、生徒会役員を務めている。堀京子や宮村伊澄とは同学年で、千石翔と付き合っている。髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたピンク色のストレートロングヘアを高い位置でツインテールにしている。一見可愛らしい雰囲気だが、思った事をはっきり言う正直でわがままな性格。一方で人の心の機微に敏感で、翔と河野桜という繊細で気難しい恋人と友人を、陰ながら支えている。 成績は芳しくなく、特に難しい計算などは苦手。しかし、エクセルなど、パソコンの操作は得意。3年生に進級した直後の新入生歓迎会で、生徒会に臨時ヘルプとしてやって来た京子と一緒に活動する事になる。しかし、ある日見積書の計算を間違えてしまい、翔と共に、自分のミスの責任を京子になすりつけようとしたが、真相に気づいた伊澄によって阻止された。 その後は時折京子と伊澄にちょっかいを出したりしつつも、友人として付き合うようになっていく。桜とは親友で、桜に対しては非常に気を遣う。好きなアーティストはサスケとゆず。実は昆虫類が大好きで、自室も虫の標本などであふれているが、翔には高校3年生の冬まで、虫が苦手だと誤解されていた。 最終的にはその嗜好を隠す事もなくなり、虫の話題で翔をからかったりするようになる。ただし、なぜかトンボだけは苦手。

河野 桜 (こうの さくら)

綾崎レミの友人で、片桐高校に通う3年生の女子。生徒会役員を務めている。堀京子や宮村伊澄たちが高校3年生になってから登場するため、学年と年齢は同じ。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして切り揃え、顎の高さで切りそろえた抹茶色のボブヘアに眼鏡をかけている。胸が大きくスタイルが非常にいい。生真面目でクールな印象だが、素直になれない性格。 高校3年生の夏、書類をばらまいてしまい困っていたところを石川透に助けられて以来、透に密かに思いを寄せている。しかし、透は京子を好きだと知り、思いを告げられずに友人として接していた。だが、高校3年生の秋、透が京子ではなく吉川由紀と交際を始めたと知り、その頃には由紀と友人になっていた事もあり深いショックを受ける。 しかし、千石翔の励ましもあり、最終的には透への思いを吹っ切って、性格も以前より明るくなった。レミとは中学時代から友人で非常に親しいが、自分とは対照的に可愛らしく積極的なレミにコンプレックスも抱いている。アイドルの宮村アサミに少し似ている。好きなアーティストは椎名林檎と東京事変。

進藤 晃一 (しんどう こういち)

宮村伊澄の友人で、八阪高校に通う2年生の男子。伊澄たちの通う片桐高校より1ランク上の進学校・八阪高校の生徒だが、2年生の時にたばこが原因で留年してしまい、現在は2回目の2年生として、伊澄たちよりも1学年後輩になってしまっている。前髪を真ん中で分け、オレンジ色の髪をウルフカットにしている。明るく人懐っこい、分け隔てない性格で、女性と下ネタが大好き。 だが、留年してしまった事から、恋人の一条千佳との交際を千佳の両親に反対されており、悩んでいる。伊澄とは中学時代に出会い、当時孤立していた伊澄に進藤晃一の方から積極的に話しかける形で親しくなった。卒業後は伊澄と会っていなかったが、伊澄が高校3年生の夏に偶然街で出会ったのを機に、再び付き合うようになっていく。 しかし、あまりにも頻繁に伊澄の自宅にやって来るため、伊澄には少し鬱陶しがられている。高校はアルバイト禁止だが、隠れてピザ店で働いていた事がある。しかし、すぐにバレて辞めさせられ、厳重注意されてしまった。苦手な食べ物はチーズ。好きなアーティストはBUMP OF CHICKENとASIAN KUNG-FU GENERATION。 好きな教科は現国。

沢田 ほのか (さわだ ほのか)

片桐高校2年5組に所属する女子。堀京子と宮村伊澄達が高校3年生になってから登場するため、学年と年齢は1つ下にあたる。前髪を真ん中で分け、胸まで伸ばした灰色のロングヘアで、左目尻にほくろがある。以前から京子に思いを寄せていたが、京子たちが高校3年生の夏、京子が伊澄と交際を始めたと知り、ショックで二人に別れるように迫った事がきっかけで知り合う。 その後和解し、京子と友人になり、親しくなっていく。伊澄の事はライバル視していたが、出会った直後に実は伊澄と同じマンションの同じフロアのとなりの部屋に住んでいる事が分かったのと、伊澄が亡くなった1歳年上の兄に雰囲気が似ている事から、次第に心を許すようになっていく。最終的には伊澄と、兄妹のような関係になり、また、伊澄に対しては敬語を使わず、「宮村」と呼び捨てにしている。 男性と子供は苦手だが、伊澄に対してだけは普通に話せる。好きな教科は英語。

谷原 マキオ (たにはら まきお)

宮村伊澄の中学時代のクラスメイトで、樫高校に通う3年生の男子。前髪を額が見えるほど短く切って真ん中で分け、青みがかかった灰色のウルフカットにしている。中学時代、特に理由もなく伊澄をいじめており、当時クラスで飼っていたウサギが、谷原マキオが餌を与え忘れたせいで死んだ際も、罪を伊澄になすりつけた。そのため卒業後伊澄に対して深い負い目を感じていたが、たまに街で顔を合わせてもつい攻撃的に振る舞ってしまうという、最悪の状態に陥っていた。 しかし、高校3年生の秋、意を決して伊澄の実家であるケーキショップ「伊織」を訪れ、卒業後初めて普通に伊澄と会話したのを機に、少しずつ関係が良好になり、友人関係となっていく。兄の谷原ヨウジには、伊澄が「いずみ」という女性的な名前であるため女性と勘違いされており、マキオには友人ではなく恋人ができたのだと思われている。 以前伊澄が堀京子といっしょにいる時に絡んだために京子に撃退された事があり、以来京子を非常に恐れている。

柳 明音 (やなぎ あかね)

片桐高校3年6組に所属する男子。堀京子と宮村伊澄達が高校3年生になってから登場するため、学年と年齢は同じ。前髪を真ん中で分けて、右側だけを目が隠れそうなほど伸ばした赤茶色のショートカットヘアにしている。非常に美形で目立つが、ややとぼけたところのある、おっとりとした性格。物腰柔らかく、京子たちのような同い年の人間にも敬語で接する。 高校3年生の秋に吉川由紀に告白するが、どう断るべきか悩んだ由紀から「石川透と交際している」と噓をつかれ、それを信じて身を引く。その後は友人として由紀たちと付き合っていく事になる。視力が悪いが眼鏡やコンタクトレンズはしていないため、よく電柱などにぶつかっている。京子たちと親しくなるまでは友人があまりおらず、高校3年生の秋以降、交友関係が広がっていく事をとても喜んでいる。 男性だが、女性アイドルの宮村アサミに非常によく似ている。

井浦 秀 (いうら しゅう)

片桐高校3年1組に所属する男子。堀京子と宮村伊澄の友人で、井浦基子は妹。京子や伊澄たちが高校3年生になってから登場するため、学年と年齢は同じ。前髪を目の上で切った、抹茶色のショートカットヘアにしている。明るく元気な性格の、京子たちのグループのムードメーカー的存在。しかし家では物静かなため、基子には暗い人間だと思われている。 基子とは以前は仲がよかったが、自身が高校3年生の冬までは距離ができてしまっていた。しかし、基子の高校受験を機に再びコミュニケーションを取るようになり、少しずつ以前の関係を取り戻していく。

溝内 (みぞうち)

堀京子と宮村伊澄のクラスメイトで、片桐高校3年1組に所属する男子。京子や伊澄たちが高校3年生になってから登場するため、学年と年齢は同じ。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばした暗い水色のセミロングヘアにしている。京子に密かに思いを寄せており、寒がっている京子にセーターを貸すなど親切に接する。 しかし、それを伊澄に嫉妬され、追い払われてしまう。

井浦 基子 (いうら もとこ)

井浦秀の妹で、中学3年生の女子。堀京子や宮村伊澄たちが高校3年生になってから登場するため、学年と年齢は京子達の3つ下にあたる。前髪を目の上で切った、抹茶色のショートカットヘアにしている。クールな雰囲気を漂わせた物静かな性格。かつては秀と仲がよく、お互いの部屋を仕切るふすまも開けているほどだった。しかし、ある日井浦基子の方が冷たい態度を取ってしまったのを機に距離ができてしまい、以来、秀に嫌われていると思っていた。 しかし、高校受験を機に、秀が自分を非常に案じており、京子を家庭教師として紹介したり、受験のお守りをくれたりした事などからそれが誤解であったと分かり、少しずつ元の関係に戻っていく。進学希望先は東高校であったが落ちてしまい、滑り止めの片桐高校に通う事になった。

堀 創太 (ほり そうた)

堀京介と堀百合子の息子で、堀京子の弟。近隣の幼稚園の年長組に所属している。京子たちが高校3年生になるのと同時に、小学校へ進学する。前髪を眉上で短く切り、灰色の髪全体をツンツンに立てた髪型をしていたが、物語が進行するうちに髪が伸びていく。明るく素直で無邪気な性格。ある日帰宅中に犬に追いかけられ、驚いて転び怪我をしたところを宮村伊澄に保護され、家まで送ってもらう。 その際、姉の京子と伊澄が高校のクラスメイトである事を知り、また伊澄に会いたいと京子にせがんだ結果、伊澄は堀家を頻繁に訪れるようになる。そのため、伊澄が大好きで「おにいちゃん」と呼び慕っている。小学校入学後、京子と伊澄がお互いに好意を寄せているにもかかわらず仲が進展しないのにじれており、わざと不在がちにする事で二人の距離を近づけようとしていた。 同じ幼稚園で、その後同じ小学校に進学する奥山有菜とは非常に親しく、京子と伊澄との関係も含めて相談に乗ってもらっている仲。しかし、泉圭吾など、有菜以外の友人には、伊澄があまりにも頻繁に堀家を訪れているため、京子と伊澄が創太の両親であると誤解されてしまっている。 伊澄のタトゥーに憧れているが、伊澄には「タトゥーは悪魔との契約の証」として止められている。

堀 百合子 (ほり ゆりこ)

堀京子と堀創太の母親で、堀京介の妻。旧姓は「小柳」で、結婚前からの友人である千石タケルからは、今でも「小柳さん」と呼ばれている。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアをしている。目が細く、いつも笑っているように見える。明るくおおざっぱな性格。京介とは別居しており、子供たちと三人で暮らしていた。 しかし、京子が高校3年生の夏を機に京介が家に頻繁に遊びに来るようになり、実質四人で暮らしている状態に戻っていく。仕事が非常に多忙なため留守がちで、そのため宮村伊澄が堀家によく遊びに来るようになっても、しばらくはその存在を知らなかった。しかし、ついに伊澄と出会ってからは、伊澄を非常に気に入り、親しく付き合うようになる。 京介とは高校3年生の頃に知り合い、ある日、校内で煙草を吸っていた京介に注意した事がきっかけで話すようになった。その後、京介の高校卒業を待って結婚し、20歳の時に京子を産んだ。

堀 京介 (ほり きょうすけ)

堀京子と堀創太の父親で、堀百合子の夫。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした灰色のウルフカットにしている。容姿全体が創太と非常によく似ており、宮村伊澄には、創太を成長させたような姿と評されている。京子が高校3年生の夏までは、ほかの家族三人とは別居していた。しかし、ある日偶然京子たち三人の住む家に帰って来ていたところ、京子に会いに来ていた伊澄と出会う。 そこで二人が交際を始めた事を知り、伊澄を気に入り、親しくなる。その後は、頻繁に家に帰って来るようになり、最終的には四人で暮らしているのと変わらない状態になる。百合子と交際を始めたのは自身が高校1年生の時で、18歳の時に京子が生まれた。

千石 タケル (せんごく たける)

千石翔の父親で、堀百合子と堀京介の友人。前髪を真ん中で分けた、暗い赤色のストレートショートカットヘアに眼鏡をかけている。まじめで厳格な性格。百合子と京介とは高校が同じ。特に百合子とは学年も同じで、いっしょに生徒会活動をしていたなど、堀京子と翔と似た関係だった。高校3年生のある日、百合子に仕事を押し付けていたところを、当時高校1年生だった京介に怒られ、そこから三人で付き合うようになる。 基本的に百合子と京介に対して辛辣だが、お互い子供が生まれた現在でも関係は続いている。

関連

ホリミヤ

原作者HEROが公開していたWEBコミック、『堀さんと宮村くん』をベースとした作品。お互いの秘密を知った堀さん(堀京子)と宮村くん(宮村伊澄)が、互いに惹かれ合う様子を描いた青春日常漫画。荻原ダイスケ... 関連ページ:ホリミヤ

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