封神演義外伝~仙界導書~

封神演義外伝~仙界導書~

藤崎竜の『封神演義』の外伝。女媧を倒し世界に平和をもたらした太公望の、その後の活躍や新たな出会いを描く。コミックス巻末には、登場人物を紹介する「完全キャラガイド」やカラーイラストギャラリーが収録されている。集英社「週刊ヤングジャンプ」2018年21号から2018年28号にかけて連載された作品。

正式名称
封神演義外伝~仙界導書~
ふりがな
ほうしんえんぎがいでん せんかいみちびきのしょ
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
全1巻完結
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概要・あらすじ

仲間と共に強敵・女媧を倒し、人間界と仙人界に平和をもたらした太公望は、すべての戦いを終えたあと行方不明になっていた。太公望は四不象と再会し、あちこちのパワースポットを回りながら、人間界でのんびりと暮らしていた。そんな中、パワースポットの一つで過ごしていた太公望は、かつての同胞であり「最初の人」の一人でもある神農と再会する。

神農は太公望が探していた宝貝の一つ「禁光銼」を所有していた。神農が禁光銼の力を使った事で、太公望と四不象は突然過去に飛ばされてしまう。二人が飛ばされた先は、かつて魔家四将と死闘を繰り広げた西岐の豊邑だった。太公望は過去の出来事に手を出すまいとその場を静観していたが、今度は四不象の半身が消えかかってしまう。

慌てて神農を捜した太公望は彼に四不象を助けるよう説得し、神農は禁光銼の力で四不象が消える原因を取り除いたうえで、二人を元の時空に戻す。しかし太公望達が戻った先では、稚鶏精の少年・孔宣の影響で女媧が復活し、滅んだ世界が広がっていた。太公望は孔宣を止めて世界を元に戻すため、四不象と共に再び過去の世界に向かうのだった。

登場人物・キャラクター

太公望 (たいこうぼう)

崑崙山脈出身の青年道士。元始天尊に命じられた封神計画を遂行し、最終的に女媧を倒して世界に平和をもたらした。その正体は、最初の人の一人である伏義。女媧撃破と封神計画の事後処理のあとは仲間の前から姿を消し、一人で人間界を放浪していた。相棒の四不象と再会後は、残りのスーパー宝貝と桃を探しながら、あちこちのパワースポットを回っている。 放浪中に半身の王天君に見放されて彼と分離したため、伏義としての力はほとんど失っている。

神農 (しんのう)

最初の人の一人で、かつて伏義であった頃の太公望の同胞。宝貝「禁光銼」を所有している。ふだんは自然と同化しているが、仙人などの力が強まるパワースポットでは、青年の姿になる事ができる。太公望と再会し、禁光銼の力で彼と四不象を過去の世界に飛ばす。のんびり屋で少々イタズラ好きな性格。

孔宣 (こうせん)

鳥の妖怪「稚鶏精」の妖怪仙人。背中に大きな翼が生えた少年の姿をしており、胡喜媚の弟でもある。ふだんは明るく能天気だが、非常に好戦的な一面を秘めている。時を巻き戻したり止めたりする不思議な秘術を使い、戦闘中に受けたダメージも無効化できる。母親から巣立つと同時に悠久の時間を過ごしていたため、強い孤独感や退屈感に苛まれる事がある。 このため一億年に一度のペースで「殺劫」と呼ばれる強い破壊衝動が起こり、激しい戦いや殺戮を求めるようになる。その状態で時空を行き来して過去の世界で暴れたために、未来の世界を間接的に滅ぼす原因となった。

胡 喜媚 (こ きび)

鳥の妖怪「稚鶏精」の妖怪仙人。派手な衣装をまとった少女の姿をしている。孔宣の姉であり、蘇妲己の妹分でもある。陽気で子供っぽい言動が多く、「ロリッ☆」が口癖。宝貝「如意羽衣」を駆使した変化を得意としており、変化の実力は楊戩をもしのぐ。四不象の事が大好きで、一方的に恋人宣言している。弟の孔宣の気配を感じ取り、妲己と共に太公望達の前に姿を現す。

ビーナス

趙公明の妹である、雲霄三姉妹の長女。本名は「雲霄」。筋肉質な肉体に金髪のロングヘアで、ナース衣装を身につけている。かつて太公望が趙公明と戦った際に敵として出現したが、戦いの最中に太公望に惚れて以来、一方的に彼の婚約者を自称するようになる。趙公明が封神されたあとは行き場がなくなって妹達と共に太公望の味方となり、彼に尽くしながらさまざまな面でサポートするようになる。 過去の世界では兄の趙公明と共に太公望の前に姿を現す。過去の世界では太公望と初対面だが、彼とのあいだに運命の出会いを感じていた。

スープーパパ

四不象の父親。霊獣・スープー一族が住む「スープー谷」に、妻のスープーママといっしょに暮らしている。口元にはヒゲが生えており、パイプ煙草を吸っている。かつては元始天尊の乗り物として働いていたが、激戦で負傷して引退となり、代わりに息子の四不象が奉公に出された。

魔家四将 (まかよんしょう)

かつて西岐の豊邑で太公望達と激闘を繰り広げた妖怪仙人で、魔礼青、魔礼紅、魔礼海、魔礼寿の四人組。太公望達を倒すために豊邑の民を巻き込むなど、冷酷で残虐な性格。四人が合体すると、周囲に毒を撒く四つ首の幻獣になる。九竜島の四聖に匹敵する実力を持つが、四聖とは異なり聞仲には従わず、目的のためであれば手段を選ばない。

燧人 (すいじん)

最初の人の一人で、かつて伏義であった頃の太公望の同胞。太古の地球に降り立った際、祝融や神農と共に地球の生物に同化し姿を消したため、固有の姿を持たない。太公望が探している、ビッグバン発生の力を持つスーパー宝貝を所有している。

祝融 (しゅくゆう)

最初の人の一人で、かつて伏義であった頃の太公望の同胞。太古の地球に降り立った際、祝融や燧人と共に地球の生物に同化し姿を消したため、固有の姿を持たない。太公望が探している、地球を破壊するスーパー宝貝を所有している。

その他キーワード

禁光銼 (きんこうざ)

神農が持つ宝貝。最初の人が残したスーパー宝貝の一つでもあり、太公望が探し続けていた。周囲の者を過去の世界に飛ばす力を持つ。またモニターに変形し、過去や未来の出来事を映す事もできる。

最初の人 (さいしょのひと)

地球に住む人類の始祖。「始まりの人」とも呼ばれる。伏義、女媧、神農、燧人、祝融の五人が存在し、いずれも宝貝の元となった「スーパー宝貝」を所有している。かつては異星に住んでいたが、進みすぎた文明と強大な力によって故郷が滅亡したため、太古の時代に地球に来訪し、地球を新たな故郷とした。本来は宇宙人の姿をしているが、大半は地球に降りた際に、地球の生物や自然と同化した。 ただし、パワースポットでは人間の姿に変身できる。

稚鶏精 (ちけいせい)

時空を飛来できる、非常に珍しい鳥の妖怪。悠久の時を生きるため、胡喜媚や孔宣のような妖怪仙人に育つ事が多い。幼少期は親鳥のもとで過ごすが、巣立ったあとは過去と未来を行き来しながら長い時間を生きるため、時おり強い孤独感を覚える者も多い。稚鶏精の羽に触れた者は時間的な退行を起こし、赤ん坊の姿に戻ったり存在自体が消滅する危険がある。

ベース

封神演義 (ほうしんえんぎ)

藤崎竜が『PSYCHO+』に続いて、集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載した代表作。原作は安能務訳の『封神演義』。殷王朝時代の古代中国。傾国の美女妲己と軍師太公望の戦いを描いた作品。史実の殷周革命と仙人... 関連ページ:封神演義

書誌情報

封神演義外伝~仙界導書~ 全1巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2018-07-19発行、 978-4088910444)

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