概要
「四天(してん)」と呼ばれる特別な存在で、妖(あやかし)を統べる天狗の妖。「あまつき」において現在四人しか確認されていない。露草とは、共に白緑のもとで育ったため、兄弟のような関係。そのため露草の事は弟扱いしている。さらに特に強い力を持つ妖の総称である「天座」の現在のトップでもある。髪型は、前髪を左寄りの位置で斜めに分け、胸の高さまで伸ばした黄緑色のストレートロングヘアを、左側に集めて耳の下の高さで一つにまとめている。
口と耳にピアスを開け、口から耳までつないだチェーンのピアスをしている。クールで落ち着いた雰囲気で、中性的な口調で話す。銀朱には、出会った当初「白緑」と名乗っており、白緑からは「鶸」と呼ばれていた。
さらに銀朱に名乗る前は、梵天の正体が、妖の「おとろし」ではないかと疑われた事から「おとろしもどきさん」と呼ばれていた事もある。空五倍子からは「梵」と呼ばれている。正体は「彼岸」の人間で、10年前から消息不明となっていた「千歳コーポレーション」の跡取り息子の千歳緑。千歳緑として将来を嘱望されていたが、10年前、萌黄の仲間に誘拐未遂をされてしまう。
その際に負ったケガで頸椎を損傷し、指一本動かせない身体となり、それ以来ずっと新橋病院に入院していた。そのため千歳一族は長男である緑を救い、跡を継がせるために全力で脳波の研究を推し進めるようになり、「あまつき」が開発された。その後「あまつき」が仮想空間であると知らずに、梵天としての人生を生きるようになり、ある時、妖の敵である銀朱を殺そうと、坂守(さかがみ)神社を訪れる。
しかし、銀朱には逃がされ、その後何度も出会って交流を重ねるうちに、人間と妖の垣根を越えて親しくなっていく。だが、ある日、妖の正体に気づいた銀朱から距離を置かれてしまい、会えなくなってしまう。その後、真朱が行方不明になった事がきっかけで人間と妖の戦いが起き、その結果、銀朱と白緑が死亡した事により、ショックで「彼岸」の世界に一度目覚めてしまう。
その際に「あまつき」が仮想空間であった事を知り、また一部始終を見ていた漆原朱緑により、管理者権限の一部を与えられるという形で「四天」となった。それによって銀朱の心を白緑の身体に移すという形で不老不死にする力も得たため、銀朱は現在の姿になった。
その後は「あまつき」の全容を知るものとして妖をまとめ、「あまつき」の崩壊を防ぐ活動をしていたが、六合鴇時という、「あまつき」において唯一ログイン経緯が不明で、「あまつき」のプログラムに縛られず行動ができ、プログラムされた運命を変えられる存在が現れた。そこで、鴇時が唯一の希望であると感じ、自分の仲間になるように誘う。
鴇時はそれに応じなかったものの、鴇時と少しずつ良好な関係を築くようになっていた際、梵天の目論見に気づいた帝天、つまり朱緑により管理者権限の一部を奪われて「四天」としての資格を失い、何の力もない妖にされてしまう。しかし、それでも「あまつき」に関する知識は残されたため、朱緑の監視をかいくぐりながら、鴇時達に情報を与えようとする。
そして新橋病院にて、ついに「あまつき」と自分の正体を鴇時と仲間に打ち明けるが、それが原因で朱緑に捕獲され、行方不明となってしまった。梵天としての姿において、幕末の世界にはないピアスを口にしていたのは、「彼岸」では口につけたピアスに似た装置で体調管理やコンピューター操作が行われていたが、それが命綱に等しい存在であり、「あまつき」でも似たものをつけていないと安心できなかったため。
また、極端に食事に関心が薄いが、それも「彼岸」では栄養チューブでの食事しかしていなかったため。そして、たまに長時間の睡眠が必要になるのも、「彼岸」にある本体の体力がもたず、気を失うように眠ってしまう事があったためである。
登場作品
関連リンク
- 関連人物・キャラクター
- 銀朱