概要
「あまつき」にある坂守(さかがみ)神社の主。沙門や佐々木只二郎の上役を務める男性。その正体は身代わりで、真の坂守神社の主であり姫巫女の真朱を守るために、姫巫女のふりをして暮らしている人間。そのため巫女の力はなく、また、真朱の兄という事になっているが、血のつながりもない。本名は「菖蒲」。さらに巫女は神の使いであるために、無性のものとして扱われており、男性に生まれた場合は女装、女性に生まれた場合は男装して暮らすという定めがある。
ゆえに女装をしており、周囲からは、男性だが「姫」「姫巫女」「姫様」と呼ばれている。梵天によって白緑の身体に自身の心を移され、不老不死となってからは、身体的な意味でも男性としの特徴をなくし、完全に無性となった。
前髪を真ん中で分けて額を全開にし、お尻まで伸ばした白いロングヘアを段をつけて切り、顔の両脇の髪を赤い髪飾りでまとめ、巫女服を着ている。容姿は若いが、実際は数百年も生きており、また、白緑と一つになった影響で、顔や手の一部が、蛇の鱗でおおわれている。穏やかで心優しくおっとりとした性格で、お菓子作りが得意。
また「あまつき」で現在四人しか確認されていない、「四天(してん)」と呼ばれる特別な存在でもある。そのため、本来切り離す事のできない心と体を切り離し、心を違う体に移動する力を持つ。また、その方法で、毎日まるで脱皮を繰り返すように干からびて死んでしまう身体から心を切り離し、一時的に心だけを人形に移し、身体の再生後、また元の身体に戻すという方法で不老不死となっている。
そのため、六合鴇時達が坂守神社に到着した当初は、人形に心を移している状態で現れる。坂守神社で、人々の願いにより、悪事を働く妖(あやかし)を退治しており、ある日、只二郎に命じて、鴇時達を坂守神社まで来させた事で知り合った。「銀朱」というのは名前というよりも役割に近く、自身は28代目の銀朱にあたる。
銀朱は遥か数百年前から、代替わりを繰り返して、神の子であり、未来予知の力を持つ真朱の予言を聞く仕事をしている。妖とは敵対する存在であるが、かつては梵天と親しくしており、人と妖の垣根を越えた関係を築いていた。しかし、ある日白緑から与えられた問いにより、妖は人間の怒りや憎しみといった暗い念から生まれたものである事を知ってしまい、梵天と距離を置くようになってしまった。
その後、真朱が行方不明になったのがきっかけで、坂守神社と妖の戦いが起きてしまい、白緑と刺し違える形で命を落とす。しかし、その際、梵天がショックで一度目覚め、「彼岸」での意識を取り戻した事で、漆原朱緑により、管理者権限の一部を与えられた梵天により、蘇生した。
その際、梵天同様「四天」の一員となるが、白緑の身体となった事で「天網」が見えるようになり、「あまつき」の理を知ってしまう。そのため、妖を滅ぼして「あまつき」を人間だけの世界に戻すため、鴇時の力を使って「あまつき」の在り方そのものを変えるため、鴇時を自分の仲間にしようとする。
しかし鴇時は応じず、やがて「あまつき」の現状に絶望し、鴇時達が日本橋へ向かい、坂守神社を離れた際に、死を覚悟で帝天を召喚し、天網の破壊を試みる。だがそれは失敗に終わり、帝天が「あまつき」の再設定を行った事で、銀朱の存在をはじめとする、さまざまな記憶や設定を書き換えられてしまう。その後は、鴇時の夢の中であったり、鴇時の持ち物である眼帯を通じて鴇時とコンタクトを取り、サポートをするようになる。
自身の身体は、帝天に逆らおうとした際に夜行に奪われており、「あまつき」の再設定後、鵺(ぬえ)が銀朱に変装するために利用されていた。
登場作品
関連リンク
- 関連人物・キャラクター
- 梵天