機動戦艦ナデシコ

機動戦艦ナデシコ

地球上及び、太陽系の惑星を航行する宇宙戦艦ナデシコを舞台とした、人型戦闘ロボットが活躍する、ラブコメSFアニメ。テンカワ・アキトを主人公とするが、ナデシコのクルーを中心に他の登場人物も逐次フォーカスされ、ナデシコを巡る群像劇の色が強い作品。SF要素や、戦争に関する描写はハード寄りで、各要素は詳しく設定された上で、時には非情な現実が描かれた。物語の根幹にも関わる劇中劇として、熱血巨大ロボットアニメ「ゲキ・ガンガー3」が登場し、オープニングや一部の回が実作され、作内などで登場した。2006年文化庁メディア芸術祭10周年記念「日本のメディア芸術100選」アニメ部門46位獲得。

正式名称
機動戦艦ナデシコ
ふりがな
きどうせんかんなでしこ
制作
XEBEC
監督
佐藤 竜雄
放送期間
1996年10月1日 〜 1997年3月25日
放送局
テレビ東京
話数
26話
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
 
ラブコメ
関連商品
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概要・あらすじ

22世紀末、突如として木星方面より謎の無人兵器群が来襲。圧倒的な戦闘力で火星、月の裏側を次々に制圧し、チューリップと呼ばれる母艦による地球降下作戦が開始され戦闘が始まっていた。

そんな折、民間企業のネルガル重工は、先進的な要素を多数持つ戦艦「ナデシコ」を建造し、火星に残された人々の救出作戦を計画する。艦のクルーには「能力が一流なら性格は問わない」と言う方針の下、民間を中心に一癖も二癖もある人物ばかりが揃えられ、「ナデシコ」は出航の日を迎えていた。

その日、主人公のテンカワ・アキトは、幼馴染のミスマル・ユリカと再会し、成り行きで乗艦する事となってしまった。

アキトは「IFS処理」により、素人ながら艦載人型機動兵器「エステバリス」の操縦が可能だった為、コックとしてクルーと採用されると同時に、臨時パイロットとなり、「木星蜥蜴」と呼ばれる、異星人の無人兵器群と戦っていく事となる。

登場人物・キャラクター

テンカワ・アキト (てんかわあきと)

ナデシコ級戦艦「ナデシコ」のコック兼、艦載人型機動兵器「エステバリス」のパイロット。火星出身。ミスマル・ユリカ、メグミ・レイナード、スバル・リョーコらに好意を寄せられるなど、女性に好かれる性質。 また、ナイーブな優しい性格で、環境に振り回され思いつめる事も多い。戦艦「ナデシコ」の出航時に、幼馴染のミスマル・ユリカと再会し、成り行きで乗艦する事となった。 ナノマシンでテラフォーミングを行っていた火星では一般的だった、機器コントロール用に体内にナノマシンを注入する「IFS処理」を行っている。そのため、素人ながら「エステバリス」の操縦が可能であり、コックとして、クルーに採用されると同時に、臨時パイロットとなった。 同僚の正規パイロットの[ダイゴウジ・ガイ」とは、「熱血ロボ ゲキ・ガンガー3」というアニメについて語れる仲となったが、彼は直後に殉職し、短い付き合いとなってしまった。 ガイの死は、彼の心に傷を残し、また、過去にアイちゃんという少女を救えなかったトラウマに怯え、義務だけが空回りしていたが、守るために戦うという、正義感を持つ事で、それを克服した。

白鳥 九十九 (しらとり つくも)

「テツジン」及び「ダイテツジン」のパイロット。「木連」の優人部隊少佐。遺伝子操作を受けたB級ジャンパー。ダイゴウジ・ガイにそっくりな顔立ちで、声も似ている。誠実で堅物、純情で女性に免疫が無く、妹にも頭が上がらない。 「木連」のナデシコ襲撃に参加するが、搭乗機のテツジンが撃墜され、捕虜として捕まってしまう。その際に、操縦士の「ミナト」と恋に落ち、地球人に対する偏見を捨てる。 テンカワ・アキトとも、劇中アニメ「熱血ロボ ゲキ・ガンガー3」を通じ、意気投合した。

ウリバタケ・セイヤ (うりばたけせいや)

ナデシコ級戦艦「ナデシコ」の整備班班長。眼鏡姿の親父で、既婚者。町工場を経営していたが、「裏の改造屋」の能力を買われ、クルーにスカウトされた。美人だが、口うるさい女房「オリエ」から逃げるように「ナデシコ」に乗艦した。 なにかといい加減な性格だが、仕事には強いプロ意識を見せる。マッドサイエンティストならぬマッドエンジニアで、半ば黙認とはいえ資金を使い込みつつ、艦内にディストーションフィールドを貼り、敵の進行を阻止できる「ディストーションブロック」や、敵のディストーションフィールドを突破できる、エステバリス用の武装「フィールドランサー」などの兵装を開発した。 MITの受験に7回失敗した過去を持つ。

スバル・リョーコ (すばるりょーこ)

ナデシコ級戦艦「ナデシコ」の艦載人型機動兵器「エステバリス」のパイロットであり、「エステバリス」隊隊長。青みがかった黒髪を染めた、緑色の髪をショートカットにしている。短気で直情型、男勝りな性格だが、実はその裏に純情で臆病な一面を隠している。 一人称は「オレ」だが、時々「あたし」となる。色恋沙汰は苦手だが、アキトに好意を抱く。

草壁 春樹 (くさかべ はるき)

「木連」の突撃宇宙軍優人部隊隊長で中将。木星開拓で辛酸を舐めながら、地球の人々から見捨てられた人々の国「木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体」の実質的指導者。 冷静にして冷徹ながら、理想に殉じる信念を持った人物。

ミスマル・ユリカ (みすまるゆりか)

ナデシコ級戦艦「ナデシコ」の艦長。火星出身。青い瞳と、青味かがった黒髪のロングヘアーが特徴的な女性。楽天家のとぼけた性格かつ、天然気味で人の話を聞かず、行動がとにかくマイペース。結果的に、周囲が振り回される事も多い。 地球連合軍提督のミスマル・コウイチロウの愛娘。普段の行動は、「アホの子」そのものだが、艦長という役職を任じられるだけあり、記憶力に優れた戦術の天才で、語学も堪能という一面も見せる。 特に、ピンチになった時の対処能力に優れる。テンカワ・アキトの幼馴染で、彼を夢見る少女のように一途に慕っている。

ホシノ・ルリ (ほしのるり)

中立国家「ピースランド」出身。ナデシコ級戦艦「ナデシコ」のオペレーター。金色の瞳を持ち、青味が掛かった銀髪を、上結びのツインテールの髪型にした少女。冷静な性格であり、当初はクルーと関わる事も薄く無表情だったが、物語が進みクルーと関わる事が増えるにつれ、小さくではあるが、感情を表に出すようになる。 遺伝子操作によって生まれた試験管ベイビーで、コンピュータ上のデータ処理に優れる特殊な「IFS強化体質」。 ナデシコに搭載された、学習型コンピューター「オモイカネ」とは心を通い合わせている。

イネス・フレサンジュ (いねすふれさんじゅ)

ナデシコ級戦艦「ナデシコ」のの医療・科学担当。火星出身。金髪で長身の美人な女性。白衣を着ている事が多く、他クルーからは「ドクター」とも呼ばれる。他人に対しては、極めてドライな性格だが、無類の説明好き。 前職は「ネルガル」所属の科学者であり、「ナデシコ」の動力源「相転移エンジン」や、主砲「グラビティブラスト」などの艦のメインシステムの研究開発にも関わっていた。また、何らかの原因により8歳までの記憶を失っているようである。

メグミ・レイナード (めぐみれいなーど)

ナデシコ級戦艦「ナデシコ」の通信士。元声優で、看護学校に通っていた経験もある。要領がよくちゃっかりした、我が少し強い普通の少女。戦艦の通信士という仕事ながら、当事者としての実感は無く、戦争やその関係者は、自分とは違う世界の事だと考えている。 淡白な他のクルーとは違い、ダイゴウジ・ガイの死に落ち込むテンカワ・アキトに共感し惹かれ、彼を巡り、ミスマル・ユリカと、あまり上品とは言えない、恋の鞘当てを繰り返すこととなる。

ダイゴウジ・ガイ (だいごうじがい)

北海道出身。ナデシコ級戦艦「ナデシコ」の艦載人型機動兵器「エステバリス」のパイロット。自信過剰で自分勝手。自分自身やシチュエーションに酔い、人の話をこれっぽっちも聞かない性格だが、機転は利き、パイロットとしての技量も確か。 ダイゴウジ・ガイは本人が主張する「魂の名前」であり、本名は山田二郎。劇中アニメ「熱血ロボ ゲキ・ガンガー3」を聖典とする重度のアニメオタク。 「エステバリス」の操縦にも、ゲキ・ガンガーを重ね合わせ、単なる兵装の使用などにも、必殺技の掛け声を上げる。物語序盤、地球連合軍の軍人の脱出を目撃した際に、銃で撃たれあっけなく死亡し、その死はテンカワ・アキトの心に傷を残した。

その他キーワード

ナデシコ

『機動戦艦ナデシコ』の登場メカ。ナデシコ級一番艦「ナデシコ」民間企業のネルガル重工が計画建造した、火星奪還作戦「スキャパレリプロジェクト」のための艦船群のネームシップ。主機に、ネルガル重工が、火星で発見した相転移エンジンを2基搭載し、補助機関として、核パルスエンジンを4基搭載する。 ブリッジユニットに教育型コンピューター「オモイカネ(思兼)」を搭載する事で、航法システムや兵装管制などを含む艦内のあらゆる部分の管理が自動化され、小人数で艦をコントロールする事が可能となっている。 ブリッジユニットは、下部船体と分離可能で、脱出艇としても機能する。主砲として、重力波を敵に叩きつけるグラビティブラストを装備。 副砲としてレーザー砲を2門、その他、ミサイルなどを多種を複数搭載する。艦載機として、人型機動兵器「エステバリス」や、強襲揚陸艦「ひなぎく」を搭載する。 物語後半、建造中に破壊された、4番艦「シャクヤク」用の「Yユニット」と呼ばれる装備を、艦首に無理矢理接続して、相転移エンジンを2基増設し、相転移砲の運用を可能にするなど、性能のパワーアップを果たした。 全長298m、全高106.8m、全幅148m、総重量37,530トン、収容人員214名。

エステバリス

『機動戦艦ナデシコ』の登場メカ。「ネルガル重工」が企画した火星奪還計画「スキャパレリ・プロジェクト」用に開発された、全高6mクラスを基本とした人型機動兵器シリーズの総称。母艦からの重力波ビームによるエネルギー供給と、エネルギーバッテリーの搭載により、ジェネレーターを必要とせず、また、特殊樹脂の装甲で、機体の小型・軽量化を実現している。 コクピットブロックを中心に、重力波ビームの受信アンテナ「グラビカルアンテナ」や、予備電源、緊急用のソーラーセイル、頭部ユニット等の機体主要部を纏めた、「アサルトビット」をコアとして、各種状況用のフレーム(四肢ユニット)を換装するシステムが取られている。 操縦システムには、パイロットのイメージを、体内に入れたナノマシンから直接機体に伝達する「IFS管制方式」を採用しており、「IFS処理」を行っている者なら素人でも、機体を思い通りに操縦する事が可能。 四肢と胴体外殻を形成するフレームには、「陸戦フレーム」、「空戦フレーム」、「砲戦フレーム」、「0G戦フレーム」、「月面フレーム」などが存在し、また、コレとは別に実験機や、カスタム機も劇中に複数登場した。 エネルギーや演算能力を提供する母艦が必ず必要なため、運用条件に多少の問題はあるものの、その汎用性や、高機動性、高戦闘力は、従来の戦場を一変させる力をもっており、極めて優秀な人型兵器であった。 名前の由来は、ナツザキフクジュソウの英名。

クレジット

監督

ストーリーエディター

作画監督

音楽

服部隆之

アニメーション制作

XEBEC

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