概要
漫画家を生業とする中年男性。1962年5月4日生まれ。うつ病に悩まされた経験があり、そのつらさを知っているため、今もうつトンネルを抜け出せず、苦しんでいる人たちの手助けをしたいと考えている。2000年の春、当時勤めていたゲーム会社で社長にウソをつかれたことで、半ばヤケになって退職。その後、知人の紹介で小さなソフトハウスに営業マンとして入社した。そこでは、ゲームの開発ツールを売るという畑違いの仕事をすることになったが、向かない仕事をがむしゃらに続けることで限界に達する。周囲からの風当たりは強く、毎日不満を突き付けられた結果、自分が何もできないダメ人間だと自己嫌悪に陥ってしまう。加えて2005年頃から、毎日続く原因不明のつらさや、絶え間なくつきまとう恐怖と不安など、謎の苦痛に蝕まれるようになる。映画や音楽、風景など、どんなモノを見ても何の感動も湧かず、心身共にすべてが灰色になってしまったかのような感覚を抱えつつ、サラリーマンと漫画家という二つの仕事に追われ、365日働きづめの日々を送っていた。そのあまりのつらさに耐えられず、自分が50歳を迎える2012年の5月4日が来たら、その日に自殺しようと心に決めた。2006年の春、精神科に通い精神安定剤を処方されるようになったが、日に日に薬が効かなくなり、服薬量を増やすように医者から指示を受ける。このまま薬が増えていくことに不安を覚え、勝手に薬をやめたところ、症状が悪化。医者に相談に行くものの、「あなたのうつ病は一生ものです」と暴言とも取れる言葉を掛けられ、医者に不信感を募らせて病院を転々とすることになった。そんな中、コンビニエンスストアで偶然手に取った、宮島賢也の『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』という、うつ病解消の本との出会いをきっかけに、うつの正体を知ることになり、そこから脱するためのヒントを得る。それからは、時間経過と共に症状が改善していき、無事に日常生活を送れるまでになった。ちょうどその頃、勤めていた会社からリストラされるが、これを前向きにとらえた結果、ほどなくして漫画家のキャリアとスキルが活かせる新しい会社で働くことになる。新しい職場では大きな成功を収めるが、そのせいで鳴りを潜めていたうつ症状が再燃。病状が一進一退を繰り返していく中で、自分の状態を悪くしている原因が何なのかを発見。うつが来るであろう日を前もって予測できるようになり、対処できるようになった安心感から、きっといつかは完全に治るという実感を得ることになった。実在の人物、田中圭一がモデル。
登場作品
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち (うつぬけ うつとんねるをぬけたひとたち)
うつ病にかかった田中圭一は、長いうつトンネルに入り込んだあと、一冊の本との出会いによって、うつを脱することに成功する。そんな自分と同じ病の人が多くいることを知った圭一は、現在もうつ病に悩む人々の手助け... 関連ページ:うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち
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