概要・あらすじ
西海村の悪ガキ戸川万吉は一の子分ラッパとともにケンカに明け暮れる毎日。村に療養にやってきた岡野友子と仲良くなるが、その岡野友子が脱獄囚に人質にされる。単身乗り込んで岡野友子を救い、一躍名を挙げた戸川万吉。
周囲の悪ガキはそれをよく思わない。それはやがて大きなケンカに発展するが、戸川万吉は持ち前の男気で悪ガキどもをまとめ上げる。岡野友子の父の誘いで上京を決意した戸川万吉は、水戸正江通称のっとり屋・水戸のおばばと知り合う。
戸川万吉は底知れぬ大人のケンカにひきこまれてゆく。
登場人物・キャラクター
戸川 万吉 (とがわ まんきち)
10年前父を失って以来、母親の女手一つで育てられる。頭はよくないが度胸は一番。脱獄囚退治をきっかけに、頭角を現す。海雲寺の和尚に諭され、本当の勇気に目覚めた戸川万吉は千人もの子分を得たものの、単身東京に乗り込む。 水戸正江と出会い、大人のケンカの世界を垣間見た戸川万吉。乞食の総大将や、伝説の相場師坊谷津光五郎らを味方につけ、日本一のガキ大将への道を歩む。
久保 銀次 (くぼ ぎんじ)
戸川万吉]の右腕。通称「眼帯の銀次」。神田神保町生まれの江戸っ子だが、両親を失い、遠縁を頼って松川幸太郎の家に身を寄せる。松川幸太郎の依頼で西海中学を乗っ取る計画だったが、戸川万吉の人柄に惚れ込み子分となる。 以後は常に戸川万吉の側に付き従い、上京時や少年院でも一緒であった。右目を眼帯で隠している。
ラッパ
戸川万吉の一の子分。戸川万吉が身を起こす前から慕っていた。戸川万吉がケンカをするときに景気づけに突撃ラッパを吹きならす。子分が増えてからもジャリ組を率い、一の子分の座を主張し続ける。
岡野 友子 (おかの ともこ)
西海村に療養にやってきた足が不自由な少女。戸川万吉と親しくなる。脱獄囚の人質となったところを戸川万吉に救われ、その際に足の障害を克服する。岡野建設の社長令嬢で、父親も戸川万吉を気に入り、上京を支援する。
水戸 正江 (みと まさえ)
通称、水戸のおばば。ひょんなことから戸川万吉と出会い、その器の大きさで戸川万吉を恐怖させる。水戸グループを束ね、強引な会社買収を行うのっとり屋としても高名。岡野友子の父が経営する岡野建設を買収し乗っ取る。 そのことで戸川万吉とは敵対する。
坊谷津 光五郎 (ぼうやつ みつごろう)
乞食の総大将のもとで頭(かしら)を務める男。その正体は株の神様と言われた伝説の相場師。戸川万吉の器の成長に期待し、軍師として戸川万吉を助ける。
海雲寺の和尚 (かいうんじのおしょう)
本名、法名不詳。西海村の高台にある寺の住職。合気道の達人で戸川万吉を軽くあしらう。戸川万吉に目をかけ、様々な助言でその成長を促す。また戸川万吉が増長したときは叱咤し、迷ったときは本道を示す。
松川 幸太郎 (まつかわ こうたろう)
西海村のとなり町のボス。180人からの不良を動員する力がある。西海中学を支配下に置くべく策をめぐらすが、戸川万吉との180対1のケンカに負けて、配下ともども子分になる。
綱村 鉄次 (つなむら てつじ)
右瞼に大きな傷のある巨漢。腕っぷしの強さは戸川万吉に匹敵する。戸川万吉の人気に嫉妬しケンカを挑むも敗れる。以後も執拗に戸川万吉の敵になろうとするが赤姫山の決戦で器の差を知る。
クレジット
原作
男一匹ガキ大将 (おとこいっぴきがきだいしょう)
主人公戸川万吉が多くの子分を従え、日本一の男になるまでの姿を描いた、本宮ひろ志の初期の代表作。物語後半は、世界の株相場に進出して活躍するが、現在入手可能な単行本では、作者の意向により富士の裾野の決戦以... 関連ページ:男一匹ガキ大将