概要
公安9課の実戦部隊リーダーを務める女性。公安9課の仲間たちからは「少佐」、かつての草薙素子を知る者からは「三佐」と呼ばれている。「完全義体」と呼ばれるサイボーグで、脳と脊髄以外のすべてが人工物で構成されている。義体のベースとなるボディは量産型だが、内部パーツは規格外の超高級品を使用している。その高性能な義体をあやつることで、格闘や射撃で優れた能力を見せるほか、電脳戦でも超天才電脳技術師(ウィザード)級の腕前を発揮し、ほかの義体にハッキングを仕掛けることで、その動きを先読みしたり、コントロールを奪うことも可能としている。さらに、短時間であれば脳や脊髄を内包した核をボディから切り離したままでも生存できる。かつては「草薙素子」を名乗って自衛隊に所属し、大戦で根室上陸工作戦に参加していたとされているが、その詳細は不明で、「草薙素子」という名前も偽名である可能性が高い。義理人情に厚く仲間思いの性格で、ふだんは減らず口を叩きながらも、任務ではリーダーとして最適な行動を取るよう心がけている。一方で、敵対する相手には決して容赦することなく、親子揃って悪逆非道な行為を働いていた相馬亨に対して、ドア越しに息子を撃つように誘導するなど、非情な手段を取ることも少なくない。内務大臣麾下(きか)の特殊部隊に所属していた時の作戦で、大臣から部隊を足切りにされかけたことに激怒し、ついには彼の義体をハッキングして自ら殴らせてしまったために、その報復措置として部隊の解散を言い渡される。その後、荒巻大輔に誘われ、公安9課に移籍した。移籍後は、公安9課の仲間と連携して、秘密裏にゴーストダビング装置を作り出した阪華精機の調査や素子に恨みを抱く相馬の打倒など、さまざまな任務を成功させる。さらに、日本最大級のハッカーといわれている人形使いと接触し、脳内へと呼びこむ結果をもたらす。イシカワとは旧知の仲で、その卓越した身体能力から「メスゴリラ」と呼ばれることもある。のちに、モサドによって罠にはめられ、義体を失うが、先んじて残していた核をバトーに運搬してもらうことで逃亡し、代わりの義体を得られるのを待つことになる。そこで脳内に潜んでいた人形使いにコンタクトされ、消えかけた存在を固着しつつ、互いにさらなる多様性を得るために融合することを提案される。この際、それに伴うリスクとリターンを包み隠さずに告げられると、これを承諾。人形使いと自らのゴーストを一体化させ、新たな存在として生まれ変わる。
関連キーワード
公安9課 (こうあんきゅうか)
国際救助隊という建前で荒巻大輔が創設し、指揮する内閣総理大臣直轄の特殊部隊。「攻殻機動隊」、または略称である「攻機」と呼ばれることもある。犯罪の芽の捜査と除去を目的としており、テロ・暗殺・汚職・電脳犯罪を事前に察知し、被害を根絶することが主な任務となる。国際救助隊の活動資金の八割にも及ぶ潤沢な予算があてがわれており、セブロC-25Aなど複数の銃器メーカーが開発したハンドガンやサブマシンガン、スナイパーライフルなどの強力な重火器や「京レ製 2902型」と呼ばれる高性能の光学迷彩、専用のティルトローター、そして思考戦車のフチコマといった、最先端の装備の使用を許可されている。また、構成員の全員が義体を利用する関係上、サイボーグ関連の施設も充実している。その一方で、法に触れることや、世論に影響を及ぼしかねない任務を遂行することも求められるため、その存在は極秘のものとなっている。しかしある時、人形使いの一件で恨みを抱いた公安6課と、彼らと親密な関係を持つモサドの策略により、草薙素子がテロリストの男をやむなく射殺したことをマスコミに報じられてしまう。このことで素子は世間から身を隠さざるを得なくなり、モサドが口封じのために殺害しようとしていることを察すると、義体を放棄して殺されたように見せかけ、公安9課は素子を欠きながら再出発することとなる。
登場作品
攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL (こうかくきどうたい ざ ごーすと いん ざ しぇる)
士郎正宗の代表作の一つ。マイクロ・マシンの普及に伴いサイボーグやアンドロイドの存在が日常的なものとなった西暦2029年の日本を舞台に、テロや汚職、暗殺といったさまざまな犯罪を抑止・対処する組織「公安9... 関連ページ:攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
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