攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL

攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL

士郎正宗の代表作の一つ。マイクロ・マシンの普及に伴いサイボーグやアンドロイドの存在が日常的なものとなった西暦2029年の日本を舞台に、テロや汚職、暗殺といったさまざまな犯罪を抑止・対処する組織「公安9課」の活動を描く近未来SF作品。進化したテクノロジーのメリットとデメリットの両方が巧みに描写されており、独特の世界観が構築されている。さらに、「ゴースト」と呼ばれる概念を取り入れることで、人間と機械の双方に宿る意思を表現したオカルティックな一面も持つ。「ヤングマガジン海賊版」1989年から1990年にかけて掲載された作品。

正式名称
攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
ふりがな
こうかくきどうたい ざ ごーすと いん ざ しぇる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
関連商品
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あらすじ

第1巻

第三次核大戦、第四次非核大戦を経て、大幅に世界構造が変化した西暦2029年の日本。マイクロ・マシン技術の飛躍的な発展により、脳とネットワークを直接接続することが容易になり、それに伴ってアンドロイドやサイボーグ、思考戦車の存在が日常的なものとなる。これにより、人々の生活の利便性は大幅に向上するが、同時にテロや汚職、暗殺といった犯罪も複雑さを増していき、治安の悪化が懸念されるようになる。内務省公安部の部長を務める荒巻大輔は、こうした犯罪を未然に察知して防止するため、必要とあらば武力行使も辞さない組織を欲していた。極東通商代表部と商務省がかかわったある事件で、草薙素子というサイボーグの女性と知り合った荒巻は、その手腕を見るにつれて、彼女こそ望んだ人材であることを確信する。そして、トラブルにより解散状態となった素子の率いる部隊を中核に、少数精鋭の非公開組織「公安9課」を創設し、テロリストや闇企業などの犯罪組織の逮捕、鎮圧を本格化させていく。はたして荒巻の目論見(もくろみ)は功を奏し、公安9課は潜入調査や制圧戦、電子戦に非凡な適性を示す。そして何度も危機に陥り、その中で隊員だった矢野を失うなど、少なくない犠牲を払いながらも、ゴーストダビングを利用しようとする阪華精機の捜査や、相馬亨と公安1課の癒着に端を発した陰謀の阻止といった、危険な任務を着実に成功させていく。そんな中、メガテク・ボディ社が開発したロボットが逃亡する事態が発生する。公安9課はこれを捕獲するが、そこに公安6課の中村部長が現れ、アンドロイドの中に人形使いが潜んでいることを告げると、運搬していたバトーから人形を強奪してしまう。荒巻は素子に奪還を命じるが、一歩遅く、人形使いの入ったアンドロイドの義体は公安6課の手により爆破される。素子は、義体と共に消えゆく人形使いにアクセスを試み、彼との対話を果たすと、脳内の深い部分に存在を残す結果を生む。さらに、モサドの陰謀に巻き込まれた素子は、口封じのためにゴーストハックを利用した暗殺に巻き込まれて義体を失い、脳と脊髄だけの状態となる。そこに人形使いがコンタクトを行い、自身と思考を融合するよう提案してくる。素子はこれを受け入れ、人形使いとゴーストの同化を果たす。そして、新たに獲得した能力でネットの世界を巡ることを決意し、バトーにしばしの別れを告げるのだった。 

スピンオフ

漫画

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』のスピンオフ作品に、山本マサユキの『攻殻機動隊S.A.C. タチコマなヒビ』がある。TVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』および『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』のDVDの映像特典として制作された短編アニメーションのコミカライズ作品で、フチコマの同型機である「タチコマ」を主役としており、彼がさまざまな事柄について思考や考察をするなど、ほのぼのとした日常が描かれている。 

派生作品

漫画

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』からの派生作品に、衣谷遊の『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX~The Laughing Man~』、大山タクミの『攻殻機動隊ARISE 眠らない眼の男 Sleepless Eye』、六道神士の『紅殻のパンドラ』がある。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』および『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX~The Laughing Man~』は、TVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のコミカライズ版に位置付けられており、主にアニメで放送されたエピソードで構成される。『紅殻のパンドラ』は、本作の約10年前を舞台とした物語で、草薙素子と同じく完全義体のサイボーグである「七転福音」が主人公を務める。また、荒巻大輔の孫にあたる「荒巻理凰」や阪華精機の社長、人形使いなど、本作のキャラクターの一部が登場する。  

関連作品 

漫画

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の続編として、士郎正宗の『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』がある。『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』は、本作より4年半後を舞台に、草薙素子人形使いが同化したことで新たに誕生した同位体である「荒巻素子」の活躍が描かれている。『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』は、荒巻大輔バトートグサといった、素子を欠いた公安9課のメンバーを主役に据えられており、『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』と『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』のあいだの時期を舞台とした4本のショートストーリーが描かれる。

メディアミックス

TVアニメ

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を原作としたTVアニメとして、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』が、スカパーのパーフェクト・チョイスと日本テレビ系列で放送された。いずれも本作のパラレル作品に位置付けられており、草薙素子人形使いと邂逅(かいこう)せず、公安9課で新たな任務や事件に向き合うストーリーとなっている。また、公安9課の新しいメンバーとして『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』に登場する「アズマ」や「プロト」などが加入しているほか、本作では出番に恵まれなかったパズのパーソナリティや活躍などが明かされている。また、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロや、2001年12月22日に発生した九州南西海域工作船事件など、実際に発生した事件をモデルとした物語も展開されている。制作会社はProduction I.Gで、監督およびシリーズ構成を神山健治が担当した。キャストは、草薙素子を田中敦子、バトーを大塚明夫、荒巻大輔を阪脩が演じている。なお、フチコマは登場せず、同型機である「タチコマ」が彼の立ち位置を担っている。また、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』は、ストーリーコンセプトとして押井守が参加している。

劇場版アニメ

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を原作とした劇場版アニメとして、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』『攻殻機動隊 ARISE』『攻殻機動隊 新劇場版』がある。いずれも制作会社はProduction I.Gで、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』は、主に人形使いにかかわるストーリーが展開され、監督を押井守、脚本を伊藤和典が担当した。キャストは、草薙素子を田中敦子、バトーを大塚明夫、荒巻大輔を大木民夫が演じている。『イノセンス』は、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の3年後の世界が舞台となり、姿を消した素子に代わって、バトーとトグサが主役を務める。本作の第6話「ROBOT ROVDE」を大幅にアレンジした内容となっており、公安9課以外の登場人物は別の存在に置き換えられている。監督、脚本を押井守が担当した。キャストは、バトーを大塚明夫、トグサを山寺宏一、荒巻を大木民夫が演じている。『攻殻機動隊 ARISE』は、4部作に分けて公開されており、主に公安9課およびその隊員の過去が描かれているほか、素子がかつて所属していた「陸軍501機関」についての物語が展開される。監督を黄瀬和哉、むらた雅彦、竹内敦志、工藤進、脚本を冲方丁藤咲淳一が担当した。キャストは、素子を坂本真綾、バトーを松田健一郎、トグサを新垣樽助が演じている。『攻殻機動隊 新劇場版』は、『攻殻機動隊 ARISE』の続編にあたる長編作品で、総理大臣暗殺を皮切りに連鎖的に発生する事件に、素子とその仲間たちが立ち向かう。監督を黄瀬和哉、野村和也、脚本を冲方丁が担当した。キャストは、素子を坂本真綾、バトーを松田健一郎、トグサを新垣樽助が演じている。

Webアニメ

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を原作としたWebアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』が、Netflixで2020年4月23日から配信された。攻殻機動隊シリーズとして初めてフル3DCGアニメーションが採用されており、2045年のアメリカを主な舞台としている。制作会社はProduction I.GとSOLA DIGITAL ARTSで、監督を神山健治荒牧伸志、脚本を神山健治が担当した。キャストは、草薙素子を田中敦子、荒巻大輔を阪脩、バトーを大塚明夫が演じている。

実写映画

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を原作とした実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』が、2017年4月7日に公開された。制作会社はドリームワークス、リライアンス・エンターテインメント、アラッド・プロダクションズ、上海映画グループ、フアフア・メディアで、監督をルパート・サンダース、脚本をジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガーが担当した。キャストは、草薙素子をスカーレット・ヨハンソン、バトーをピルー・アスベック、荒巻大輔をビートたけしが演じている。このほか、泉原豊や桃井かおりなど、日本人の俳優も多く出演している。

舞台作品

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を原作とした舞台作品『攻殻機動隊ARISE:GHOST is ALIVE』が、2015年11月5日から11月15日まで公開された。ストーリーはアニメ映画『攻殻機動隊 ARISE』をベースにしており、日本の演劇では初となる3D映像を用いる演出技法が採用されている。演出を奥修太郎、脚本を藤咲淳一が担当した。キャストは、草薙素子を青野楓、バトーを八神蓮、トグサを兼崎健太郎が演じている。 

ゲーム

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を原作としたゲームソフトに、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX -狩人の領域-』がある。いずれも発売元はソニー・コンピュータエンタテインメントで、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』は、公安9課の新人となるオリジナルキャラクターを主人公に据え、主にフチコマを操作して任務を遂行していくアクションゲームという内容となっている。キャストは草薙素子を鶴ひろみ、バトーを小川真司、トグサを鈴置洋孝が演じている。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』は、素子とバトーを操作してミッションをこなしていくTPSゲームで、全4章・12ステージのミッションからなるオリジナルストーリーが展開される。キャストは、素子を田中敦子、バトーを大塚明夫、トグサを山寺宏一が演じている。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX -狩人の領域-』は、素子、バトー、トグサ、サイトーの四人を操作し、テロリストと対決していくFPSゲームとなっている。キャストは、素子を田中敦子、バトーを大塚明夫、トグサを山寺宏一、サイトーを大川透が演じている。

小説

本作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』をもとにした小説に、遠藤明範の『攻殻機動隊 灼熱の都市』『攻殻機動隊2 STAR SEED』、藤咲淳一の『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 凍える機械』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 眠り男の棺』、山田正紀の『イノセンス After The Long Goodbye』、神山健治の『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX SECTION-9』がある。いずれも本作および関連作品の外伝となっており、中でも、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 凍える機械』は、思考戦車である「タチコマ」の恋を描くという、やや風変わりな内容となっている。 

パチンコ

本作『殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELLをもとにしたパチンコ筐体(きょうたい)に、『CR新世紀ぱちんこ 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』と『ぱちんこCR攻殻機動隊S.A.C.』がある。『CR新世紀ぱちんこ 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』は、オッケー.によって2012年10月に発売され、『ぱちんこCR攻殻機動隊S.A.C.』は、サミーより2017年9月に発売されている。 

パチスロ

本作『殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELLをもとにしたパチスロ筐体に、『パチスロ攻殻機動隊S.A.C.』と『パチスロ攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG』がある。いずれもサミーから、『パチスロ攻殻機動隊S.A.C.』は2013年1月に、『パチスロ攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG』は2017年3月に、それぞれリリースされている。

登場人物・キャラクター

主人公

公安9課の実戦部隊リーダーを務める女性。公安9課の仲間たちからは「少佐」、かつての草薙素子を知る者からは「三佐」と呼ばれている。「完全義体」と呼ばれるサイボーグで、脳と脊髄以外のすべてが人工物で構成さ... 関連ページ:草薙 素子

荒巻 大輔 (あらまき だいすけ)

内務省公安部の部長の男性。公安9課の指揮官を務める。老年の域に達しており、身長も153センチと小柄。また、義体を用いていないが、身体能力は高い。かつては自衛隊の情報部に所属し、殿田一佐のもとで情報処理や戦術などのノウハウを学んだが、のちに殿田一佐が阪華精機のゴーストダビングを利用した計画にかかわっていたことから決別し、彼を逮捕している。豊富な人脈と優れた政治手腕で有利な状況を作ることに長けた戦略家だが、突発的な事態に対しても、迅速かつ的確な指示を出せる柔軟性も併せ持つ。また、本部に座して指揮を執るタイプではなく、現場に足繁く顔を出すのも特徴。草薙素子をはじめとする公安9課のメンバーを心身両面で深く信頼しており、茶化し半分ながら「お前たちを実の息子のように思っている」と言い切り、部下たちがそのパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を整えることに腐心している。素子に対しては特に重要視する傾向にあり、彼女を「エスパーより貴重な才能」と表現するほど。加えて「犯罪に対して厳しく攻性に取り締まる」という自らの信念にのみ忠実であり、保身に走ることがない。そのため、公安9課発足前は、バトーから「キレモノのクソ野郎」などと言われることもあったが、公安9課が結成されてからは、自らの信念をはっきりと示したことから早期に隊員たちの信頼を勝ち取る。そして愛情をこめて「サルオヤジ」と呼ばれるようになり、的確な指示を下す指揮官として頼られるようになる。

バトー

公安9課の実戦部隊に所属している男性。筋肉に覆われた屈強な大男で、陸上自衛隊のレンジャーだった経歴を持つ。両目を複数の機能を持つ円形の義眼に変えているほか、身体のあちこちをサイボーグ化しているが、草薙素子とは異なり完全義体というわけではなく、素子に殴られた時は「俺も全身サイボーグ化するかな」とぼやいている。それでもなお、類まれなる力を誇り、身の丈ほどもあるマシンガンとバズーカを軽々と持つことができる。隊員の中でも特に軽口が多い陽気な性格で、不用意な一言を発して素子から殴られることも少なくない。公安9課に所属する前は、素子の素質を探るために複数の任務を与えた荒巻大輔を快く思っておらず、「キレモノのクソ野郎」と陰口を叩いていた。しかし、公安9課に加入して彼の直属の部下になったあとは彼を信頼するようになり、軽口の応酬を楽しむほどの仲になる。仲間思いな一面もあり、かつて訓練を施して部隊への加入を推薦した矢野が、コイル・クラスノフに殺害された時に憤慨し、捕縛の命令を無視して殺害しようとしたことや、素子をいけにえとして利用しようとした公安1課の課長を、制裁のためにボーマと共に車で轢き逃げしたこともある。マレス大佐の潜伏場所に向かった際、銃撃戦が発生することを期待するなど、厳つい外見に違わず荒事が大好きで、監視や教練といった地道な任務はあまり好まない。ただし、バトー自身の嗜好に合わないだけで適性がないわけではなく、教え子たちからは信頼されている。 部隊でのポジションは高い戦闘力、特に肉弾戦への適性から、先陣を切って突入するポイントマン的な役割が多い。また、素子を除けば部隊内での上下関係はないが、サブリーダー的な役割を担うこともある。

トグサ

公安9課の実戦部隊に所属している青年。本庁の刑事だったが、草薙素子にスカウトされて彼女の部隊に入った。公安9課設立前のメンバーでは最も若い新米で、部隊内ではいじられ役となっている。軍に所属したことがないために精神的な未熟さが目立ち、姿を隠すためにマンホールに忍び込んだ際に蓋に草を絡ませたことで、敵に存在を気づかれる失態を犯したり、素子らに注意されることもしばしばある。しかし、持ち前の反骨心で委縮せず、自分の意見を堂々と述べるなど、向上心は高い。電脳化のみで義体化はしていないほぼ生身の人間だが、部隊内では経験を積ませる意味もあり、前線から後方支援や情報収集など、状況に応じてさまざまな任務を割り当てられている。また、部隊では唯一の妻帯者で、身重の妻と一人の娘がいる。

イシカワ

公安9課の実戦部隊に所属している壮年の男性。口から顎にかけて濃い髭を蓄えている。電脳戦のエキスパートで、ネットからの情報収集や分析、改ざんなどを担当している。また場合によっては、フチコマに搭乗して前線に出ることもある。草薙素子やバトーとは旧知の仲で、大戦の経験も豊富。それだけに彼らの性格も熟知しており仲もよく、完全義体であるために卓越した身体能力を持つ素子に対しては、「メスゴリラ」と呼ぶこともある。正確な年齢は不明だが、自分のことを「年寄り」と言っていることから、9課の中では荒巻大輔に次いで高齢と思われる。

サイトー

公安9課の実戦部隊に所属している青年。大戦では海兵隊に所属しており、エースのスナイパーとして名を馳せていた。トグサに次いで義体化率が低いが、持ち前の狙撃の腕に加えて、左眼に装備しているアイパッチ型の高性能義眼を利用した衛星リンクによって、精度の高い長距離射撃を実現するなど、戦闘能力は極めて高い。戦場でその能力を遺憾なく発揮するタイプだが、スナイパーという立場上、先陣を切るケースは少なく、中~遠距離からの支援攻撃を中心に任されている。。

ボーマ

公安9課の実戦部隊に所属している青年。バトーに匹敵する大柄な体格とスキンヘッドが特徴。また、バトーと同じく、円形の義眼を装備している。その体格とは裏腹に、ふだんはイシカワと共に情報収集や電脳戦に長けており、前線に出る機会はそれほど多くない。仲間を思う気持ちは強く、公安1課が相馬亨と取引をして草薙素子を危機に陥れた時は、素子をつかんで殺害しようとしていた相馬の思考戦車をバズーカ砲で狙撃して彼女を救出する。さらに、バトーと共に制裁を決意し、公安1課の課長を車で轢き逃げして重傷を負わせる。

パズ

公安9課の中核メンバーのひとり。尖った顎と細く鋭い眼が印象的な男。草薙素子やバトーとは別行動を取ることが多く、作中では彼の行動はほとんど描かれない。そのため、詳しいパーソナリティは不明。

矢野 (やの)

公安9課が設立されたあと、新たに入隊した新米隊員の男性。バトーが訓練して推薦した結果、仲間として認められる。北端と呼ばれるようになった北方領土の一つである択捉島(えとろふとう)で、佐川電子の公金横領を調査している最中、ソビエト連邦の戦闘サイボーグであるコイル・クラスノフを単独で尾行する任務に就く。しかし、彼から尾行を察知されてしまい、わき腹を抉(えぐ)られて殺害された。矢野の死は、バトーをいきり立たせ、彼がコイルを執拗なまでに追い詰めるきっかけとなった。矢野の家族に対しては「訓練中の事故による死亡」と伝えられたが、墓参りに訪れた家族たちはただならぬ何かがあったことに気づいていた。

人形使い (にんぎょうつかい)

電脳犯罪史上最もユニークと評されたハッカー。ゴーストハックのスペシャリストで、アンドロイド、サイボーグを問わず、義体に侵入して自在にあやつる能力を持つことから、「人形使い」と呼ばれている。本来は、外務省がプロジェクト2501で作り上げ、彼らに都合のいい状況を作り出すためのAIプログラムだった。ガベル共和国の掌握を目論むマレス大佐と、彼に協力する中島と取引をして大金を得ようとしたことも、実際は公安9課を利用してマレス大佐を国外追放に追い込むために仕組んだことである。しかし、ネットで活動するあいだに、独自のゴーストと呼んでも差し支えのないレベルの自我を獲得して、自らを一つの生命体と呼称するようになり、外務省や公安6課のコントロールを離れて、独自の行動を取るようになる。そのため、これに危機感を抱いた公安6課による捕獲作戦の標的となる。そして、公安6課の仕掛けた攻性防壁に逆らえずにネットワークから脱出し、メガテク・ボディ社のアンドロイドの義体への侵入を余儀なくされる。その後、義体に入ったまま単身で逃亡を試み、公安9課によって確保されるが、公安6課がこれを強奪。バトーがこれを追跡している最中、奪還を恐れた6課の隊員が爆破処置を行ったところ、義体を大きく損傷し、消滅しかける。しかし、駆け付けた草薙素子によって義体同士のアクセスを試みられると、自らが得たデータを送り込むと共に、素子の意識の中枢に移ることで消滅を免れる。そして、モサドとの戦いの中で義体を失い、脳と脊髄だけの状態となった素子に意識の中で語りかけ、彼女と思考を一体化させることに成功。その結果、草薙素子でありながら人形使いでもある、独自の存在として生まれ変わる。

中島

外務省の情報局に所属している青年。プライドが高く、公安9課による外務大臣の通訳の調査に居合わせようとしたところ、荒巻大輔や草薙素子から追い出されて憤慨する。また、人形使いと取引した時は終始彼のペースに乗せられるなど、交渉能力は高くない。情報局からの指令で、マレス大佐が不審な行動を起こさないよう監視していた。しかしそれは表向きで、実際は監視対象であるはずのマレス大佐と手を組んでおり、彼に付き従っていた軍政派の兵士たちに戦術指導を行いつつ、マレス大佐がガベル共和国の政権を奪取する手助けをしていた。さらに人形使いと結託し、彼に外務大臣の通訳をゴーストハックさせて、会談のために日本に訪れた民衆派の大使を殺害させようと目論む。公安9課の調査に居合わせようとしたのも、先んじて情報を得ることで対策を練るためであった。しかし、公安9課が人形使いの三重にわたる仕掛けを突破したことで計画が露見し、マレス大佐と共に隠れ家を包囲される。そこに現れた荒巻に対して、2年にわたって潜入調査を続けてきたと主張するが、すでにマレス大佐との関係は知られており、国家反逆罪、資金の不正操作、汚職、殺人の共犯、電脳倫理侵害など、さまざまな余罪を追及される。これによって、死より恐ろしいことになると直感し、あえて抵抗することで射殺されようとするが、それを見抜いていた素子によってゴースト侵入錠を投与され、ゴーストハックで自由を奪われ捕縛された。なお、マレス大佐は会談襲撃の計画を中島から持ち掛けられたと主張しているが、真偽は不明。また、当時の人形使い自体が外務省の意に沿うようにプログラムされていたことがのちになって判明するが、こちらについては知らされていなかった。

殺し屋

サイボーグの男性。飲み屋で知り合った清掃員に防壁を破るためのツールを提供した。外務省の意を受けた人形使いから前もってゴーストハックを受けており、自らをガベル共和国の大使館所属の武官から日本との会談に臨むガベル共和国の大使を殺害するよう依頼された殺し屋と思い込まされる。そして殺害の手段として、殺し屋と同様に人形使いのゴーストハックを受けていた清掃員に、HA-3を外務大臣の通訳に仕込んでゴーストハックさせ、彼女に大使を殺害させるよう指示され、それを自らの意思であるかのように遂行していく。本来は一般人だが、義体化しているだけあって身体能力は高く、トグサを圧倒するほどの腕前を見せる。しかし、草薙素子には一歩及ばずに最後まで抵抗を試みるものの、彼女に制圧されて逮捕された。なお、本来の役割は公安9課に逮捕させるために利用された人形使いのスケープゴートに過ぎなかったが、公安9課はこのことを見抜いて背後にいた人形使いを出し抜き、彼と結託していたマレス大佐、中島を捕らえることに成功する。また、人形使いからは終始「人形」と呼ばれていた。

外務大臣の通訳

サイボーグの女性。通訳として外務大臣の傍に控えている。トグサとは、かつて部隊の任務で共闘したことから面識がある。外務大臣と共に、ガベル共和国との会談に出席する予定だったが、HA-3を使ったゴーストハックの対象になっていることを知らされる。そして、発信源をつき止めるためにあえてそれを受けつつ、公安9課と協力して犯人の尻尾をつかもうと試みる。その結果、草薙素子とトグサが、人形使いによってゴーストハックを受けた清掃員や殺し屋を捕縛したことで、ゴーストハックが停止し、自由を取り戻した。なお、実際にあやつられていた場合は、会談の場でガベル共和国の大使を殺害していた可能性が示唆されており、一連の犯行は人形使いや彼に利用されていたマレス大佐と中島の差し金であることが判明する。ただし、当時の人形使いは外務省の管理下にあったが、外務大臣の通訳自身がそれを知っていたかは明かされていない。

加賀崎 宗平

佐川電子の社長を務めているサイボーグの男性。かつては公安の特務課長で、草薙素子とも面識があった。もとは公安の任務として、会社の社長として自らをカムフラージュし、ソビエト連邦を監視する役割を担っていた。しかしその最中、ソビエト連邦のマーロフ将軍と結託し、防衛を名目に互いに資金を融通し合うようになる。そして、ソビエト連邦からの北方領土返還を好機として不正に横領した資金を使い、名目のみの存在であった佐川電子を、世界的な大企業にまで押し上げる。それからも、マーロフ将軍や彼の息がかかったアセチノフと結託して、ソビエト連邦が保有する金塊を横流ししてもらうことで私腹を肥やしていた。しかし、金の運び屋としてアセチノフから派遣されたコイル・クラスノフが公安9課にマークされ、彼が陸上自衛隊の隊員たちをあやつって金塊を持ち出していることを知られてしまう。これに対策すべく、マーロフ将軍との取引に関する記録の消去に着手しつつバトーやトグサのいる区画を爆破し、彼らを生き埋めにしようと目論む。さらに、クロルデンの協力を得て佐川電子の本社ビルに潜入していた素子に対し、アンドロイドをおとりとした奇襲や彼女の電脳に攻性防壁による攻撃などで迎撃を目論むが、そのことごとくが失敗したうえに、マーロフ将軍との取引の証拠を奪われる。そのため、やむなく適当な義体に乗り移って逃亡しようと試みるが、先んじてそれを察知した素子に追いつめられる。

阪華精機の社長

阪華精機の社長を務めているサイボーグの男性。ジェイムスン型と呼ばれる箱のような外見の義体に入っており、その姿はもはや人間の形をとどめていない。水の中に沈んでも数時間程度なら機能が停止しないなど、頑丈な造りをしている。利益のためなら手段を選ばない冷酷な性格で、つながりを持ったヤクザの組織からリンクやアダムのような人間を譲り受け、その人間を素体としてトムリアンデ型にゴーストダビングを施している。また、殿田一佐と癒着してこの事実をもみ消してもらっており、いずれに対しても見返りとして、賄賂やトムリアンデ型の試供品を提供している。ある時、試供品だった23機のトムリアンデ型が次々に暴走する事件が発生する。さらに、それを捜査した警察に気づかれるように、電脳にSOSを示す記号が書かれていることが発覚すると、容疑者の一人である久保沼に自白剤を投与させて、ゴーストダビングの被験者が警察に助けを求めていることを知る。さらに、ヤクザの組織の組頭がトムリアンデ型の暴走で負傷したことが判明すると、ヤクザと警察の両方に追われることとなり、どちらに捕まっても破滅を免れないという事態にまで追いやられたと認識し、ドクターや残されたトムリアンデ型と共に船に乗って国外へ逃亡しようとする。しかし、バトーとトグサに発見され、詰め寄られたことで義体のバランスを崩し、海の奥深くへと沈没する。その後、沿岸警備隊に引き上げられると、そのまま警察に逮捕される。

ゴッセン

リンクとアダムの仲間で、阪華精機からゴーストダビングの被検体にされた性別不明の人物。「ゴッセン」はリンクとアダムから呼ばれている愛称で、本名は明らかになっていない。トムリアンデ型が暴走した事件の黒幕と呼べる存在で、ゴッセン自身はゴーストダビングの装置につながれたことですでに死亡しているが、その前に助かるための作戦をリンクとアダムに伝えてこれを実行させ、阪華精機の悪事を暴くと共に、間接的に彼女たちの命を救った。

中村部長

公安6課に所属している男性。顔の一部を義体化したサイボーグで、バトーのものに似た義眼を身につけている。プロジェクト2501に携わっており、人形使いを利用して外務省に都合のいい状況を作り出していた。しかし、人形使いがさまざまな任務を遂行したり、ネットワークの中で知識に触れていくうちに、やがて独自のゴーストと呼べる自我を確立し、中村部長自身を一つの生命体と主張し始めたため、これをバグと断じて削除しようとする。攻性防壁を用いて追い詰めるものの、人形使いがメガテク・ボディ社のアンドロイドに乗り移ることで逃げられ、やがて公安9課と人形使いを取り合う事態へと発展する。その結果、人形使いが草薙素子の電脳の中に潜んだことで手出しができなくなり、プロジェクト2501の破綻を自覚する。そして、マレス大佐の件をはじめ、人形使いを利用して各地で混乱を演出してきた容疑で、査問にかけられることになった。

テロリストの男

日本の外務大臣を標的とした暗殺を計画していたサイボーグの青年。拠点となるボートに潜み、暗殺のためにラジコン爆弾などの凶器を用意していた。暗殺の計画に気づいた公安9課がこれを未然に阻止しようとボートに忍び込むが、それに気づいたため、先んじて抹殺しようと銃を取る。それを見た草薙素子から反射的に撃たれ、海に転落する。その様子を何者かがマスコミにリークしたことで、存在自体が極秘だった公安9課の存在が公開され、さらに素子がテロリストの男を撃ったことから、公安9課が政府直属の暗殺部隊であるというレッテルが貼られてしまう。のちにテロリストの男が、シリアおよびイスラエルの息がかかっていることが発覚する。さらにイスラエルは、事前に公安6課から公安9課の作戦の情報を得ており、テロリストの男自身はイスラエルのモサドと公安6課が共謀して、公安9課の要である素子を世間的に抹殺するための生贄として利用されたにすぎなかったことが判明する。

先生

相馬亨にマイクロ・マシンの手術を施した男性。本名は不明だが、相馬からは「先生」と呼ばれている。全身を青白い義体に換装したサイボーグで、アシスタントとなる複数のアンドロイドと共にマイクロ・マシンを利用した医療行為を行っているが、その中には帯電したマイクロ・マシンを電気的反発力で直接脳内に流し込んだり、動脈の一部を一時的にせき止めるなど、危険を伴うものも存在する。さらに、相馬が鎮痛剤の投与を要求した際は、その分の額を上乗せするように求めるなど、金に執着している。その一方で確かな腕を持っており、相馬が公安1課から譲り受けた思考戦車とのシンクロを完全なものに仕立て上げる。

脱走小僧

サイボーグの少年。聖庶民救済センターで暮らしていた。「脱走小僧」という名前は、バトーから暫定的に付けられたもので、本名は明らかになっていない。センターでは「28番」と呼ばれており、ほかの孤児たちと同様に、酷い扱いを受け続けていた。さらに洗脳装置につながれた結果、空が落ちてくるという幻覚を見せられ、これに耐えかねて施設から脱走する。そして、そのまま警備員から逃れようとするが、背後から現れたトグサによって気絶させられ、義体に追跡装置を仕込まれたうえで警備員たちへの罠として利用される。草薙素子たちによって聖庶民救済センターの職員が逮捕されると、自分たちも解放してくれると期待したが、素子からは俗悪なメディアに利用される可能性を示唆され、自分で考えて自分で生きるよう諭される。そして、政府の影響から解放されて正常化した聖庶民救済センターで、孤児たちのリーダーとなって働くようになった。

素子の彼氏

草薙素子の恋人の青年。公安1課に所属している。まじめな性格で、互いに警戒しあっている面もあるものの、仲は良好で7か月以上関係が続いている。そのため、お互いに仕事上で対立することがあっても、できる限り争うことは避けたいと考えている。素子の家で逢引をしていたところ、素子を恨む相馬亨によるテロの巻き添えを受けて負傷する。幸いながら大したケガではなかったものの、その矢先に公安1課の課長から連絡が入り、テロリストの確保に駆り出される。その実態は、相馬と取引をしていた公安1課の課長が素子を襲撃するための作戦で、素子の彼氏自身も相手が素子だと知らないまま、その手助けをさせられていた。だが、荒巻大輔に脅された公安1課の課長から撤退命令を受けると、それを無視して素子を守るべく独断で相馬と戦うために動き出す。そして、素子やボーマと共に相馬の乗った思考戦車に損傷を与えると、彼を引きずり出す。

リンクとアダム

ヤクザの組織によって拉致され、ゴーストダビングの被検体として阪華精機に送られた二人組の少女。共にやや楽天的な性格で、行動力にあふれている。ゴーストダビング装置につながれる前にゴッセンから助かるための作戦を聞き、実行に移す決意を固める。そして、久保沼を懐柔すると、彼にトムリアンデ型の試供品を暴走するようプログラムを改ざんさせ、さらに電脳にSOSの文字を書き込んで警察が阪華精機の調査に乗り出すように仕向ける。そして、公安9課が阪華精機の暗部に気づいたことで介入を行った結果、バトーとトグサに救出される。バトーからはその際に、トムリアンデ型の試供品が暴走したことで、大小さまざまな被害が出たことを追及される。しかしまったく悪びれずに、自分たちが助かるためにはこれしか道がなく、そもそも阪華精機が悪いと訴える。

清掃員

サイボーグの青年。かつて聖庶民救済センターに収容されていた。聖庶民救済センターが公安9課の手によって潰されてからは、清掃局でごみ処理の仕事に携わっている。近代化が進んでも排出されるゴミの量が増えていることや、貧乏ゆえにアームドスーツを使用できないことなどに不満を抱いている。さらに、妻が不倫をしている可能性があるために悩んでいると同僚にこぼしており、飲み屋で知り合ったという殺し屋から防壁を破るためのツールを用意してもらい、ゴーストハックを仕掛けて妻の気持ちを探ろうとする。しかし、実際は前もって外務省の意を受けた人形使いからゴーストハックを受けており、彼の傀儡として利用されているに過ぎなかった。事件解決後は警察に逮捕され、そもそも清掃員には妻子はおらず、不倫問題を含めた家族の話もまた人形使いによって仕込まれた記憶であったこと、さらに妻だと思ってゴーストハックしていた相手が、外務大臣の通訳であったことが発覚する。ただし、清掃員自身も人形使いからゴーストハックを受けた被害者であったため、罪に問われることはなかった。これに対して、ゴーストハックで植え付けられた記憶を消し去りたいと主張するが、それには多大な危険が伴うため断念し、自らの努力で忘れるために今まで以上に仕事に精を出すようになる。

ヤクザの構成員

阪華精機とつながりのある、ヤクザの構成員の男性。戦闘に特化したサイボーグで、義体化した脚を使うことでビルとビルのあいだを軽々と移動するほどの跳躍力を備える。また、スナイパーライフルの扱いに長けており、長距離射撃を得意とする。所属している組織の組頭が暴走したトムリアンデ型によって負傷したため、その犯人を探っていた。そして、阪華精機の社長から久保沼が仕掛け人であることを知らされ、彼が会社から出てきたところを見計らって狙撃する。しかし、そこに居合わせていたバトーとトグサに発見されると、銃撃を加えつつ、彼らから逃げようと動き出す。サイボーグとしての性能もあってトグサを圧倒するが、やがてバトーに追いつめられて、彼の銃撃によって持っていたライフルを取り落とす。さらに、光学迷彩を施しつつ待機していたフチコマと挟み撃ちにされ、捕らえられる。自由を奪われてもおとなしくなることはなく、報復するなどと息巻いていた。しかし、バトーから「歯医者」と呼ばれる類の拷問を受け、久保沼を襲った目的と、フィリピンから拉致してきた子供たちを阪華精機に送り込んでいたことを白状する。

久保沼

阪華精機の出荷検査部の部長を務めている男性。電脳化すらしてない生身の人間。ゴッセンの意を受けたリンクとアダムに懐柔され、彼女たちから言われるままに、トムリアンデ型の試供品が故意に暴走するよう仕込む。さらに電脳部分にSOSの文字を仕込んで、警察が阪華精機がゴーストダビングを行っていることや、その被検体としてヤクザが拉致した子供たちを利用していることに気づくよう細工を施し、さらに久保沼自身に累が及ばないよう、トムリアンデ型の暴走を阪華精機の社長の仕業に見せかけようとした。しかし、このことを阪華精機の社長に気づかれ、ドクターによって自白剤を投与されて、計画を洗いざらい自白させられてしまう。その後は、トムリアンデ型の試供品を取引していた客の一人が、暴走させた報復を行いたいという希望から、その場での処罰を免れ解放される。そして、張り込んでいたバトーとトグサに事情聴取をされそうになるが、その矢先にトムリアンデ型の暴走によって被害が出たヤクザの構成員の手によって、落とし前として狙撃される。

クロルデン

択捉島に居を構えている情報屋の青年。かつて内閣報道庁に勤務していた。大戦では根室上陸工作戦で草薙素子と共闘しており、彼女とは現在も交流がある。ソビエト連邦からの北方領土返還を一種の茶番劇と考えており、それに乗っかることで勢力を強めた佐川電子を嫌っている。公安9課の任務によって訪れた素子から、佐川電子の警備員の電脳にハッキングするよう依頼され、これを手際よく済ませることで、素子が単身で佐川電子に乗り込むための足掛かりを作った。なお、現在は機械が散乱する部屋で、女性型のアンドロイドを侍らせて悠々自適の生活を送っており、その様子を素子から「ご両親が知ったら心筋梗塞か自殺ね」と皮肉られている。

コイル・クラスノフ

アセチノフに従っている、ソビエト連邦出身の青年。公安9課の調査では、年齢は26歳と推定されている。戦闘用に改造されたサイボーグで、左腕をチタン製の義手フックに改造しているなど、小柄な体型ながらさまざまなギミックが施されている。さらに、ゴーストハックに長けるほか、頭に無数の電極を埋め込んでおり、そこから発せられる電磁波でアームスーツをあやつることができる。新たにソビエト連邦大使館の文化担当官となったアセチノフの差し金で、リニアカーを用いて択捉島へと侵入する。その最中、車内で矢野が尾行していたことに気づくと、逆に彼を襲って殺害する。そして、陸上自衛隊の隊員たちをゴーストハックであやつり、ソビエト連邦の基地の拡張地区を通じて佐川電子にマーロフ将軍からの賄賂である金塊を運搬させる。あとをつけていた公安9課から攻撃を受けると、陸上自衛隊の隊員たちをけしかけつつ、口封じのために始末しようと試みる。しかし、矢野を殺されたことで怒りに震えるバトーから執拗な追撃を受けることになる。

錆田

草薙素子と同じアパートの4階に住んでいる男性。漫画家を自称しており、静寂を好んでいることを公言している。査問会に赴こうとする素子の部屋を訪れ、玄関のチャイムを鳴らす。しかし、素子がドアを開けようとしたところで突然何者かからの銃撃を受け、さらに仕掛けてあった爆弾を起爆されて跡形もなく消滅する。この状況が、かつて素子から仲間を奪った相馬亨のやり口と酷似していることから、素子は錆田が相馬の宣戦布告に巻き込まれたと推測する。しかし、錆田が素子の部屋を訪れたのは、相馬からゴーストハックを受けたためか、単に言い含められたかは、わからないままとなる。

アセチノフ

新たにソビエト連邦大使館の文化担当官に就任した性別不明の人物。マーロフ将軍の息がかかっており、文化担当官に選ばれたのも彼の意向によるものである。マーロフ将軍と加賀崎宗平のパイプ役を担っており、彼らが秘密裏にソビエト連邦の基地から横領している金塊の運搬を、部下であるコイル・クラスノフに一任する。しかし、コイルの足取りが公安9課にマークされると、マーロフ将軍と加賀崎の繋がりが明るみに出て、マーロフ将軍は事実上失脚する。さらに、コイルへの指示を追及されたことでアセチノフ自身も文化担当官の座を追われ、本国へ召還される。

相馬 亨

かつて草薙素子と戦ったテロリストの男性。素子が唯一仕留め切れなかった相手でもある。抗争の中で素子の部下を二人殺害すると、その報復として相馬亨も六人の部下を失い、さらに素子の手によって自らの息子を撃ち殺すよう誘導されたことで、彼女に並みならぬ恨みを抱き、復讐を果たすことを生きがいとするようになる。その下準備として、弁天一家と接触しようとするが、取引に応じられなかったため、彼らに損害を与えつつ素子を始末することを思い立つ。そして、弁天一家とかかわりのあるアナコンダの情報をエサに公安1課の課長に接触し、アナコンダの名前や取引の証拠など、彼に関する情報を提供する見返りとして、素子を殺害するために共同戦線を張ることを求める。さらに、公安1課から思考戦車を譲り受け、思考をつなげられるように先生からマイクロ・マシンの手術を受け、計画に着手する。宣戦布告として錆田を利用し、C4爆弾で素子の部屋を爆破して、素子と素子の彼氏を負傷させる。これにより、公安9課が総勢を挙げて相馬を狙う方針が立てられるが、これを逆に利用して情報を持たせた部下にわざと気づかれるように素子の尾行を行わせ、素子とトグサを隠れ家となっている工場へと誘い込む。そして、素子の彼氏が使おうとしていたミサイルランチャーを不発するように細工をしつつ、公安1課と連携して一網打尽にしようと目論み、トグサに重傷を負わせたうえ、思考戦車を巧みにあやつって素子を殺害寸前にまで追い詰める。

聖庶民救済センターの院長

聖庶民救済センターの院長を務めている男性。表向きは、難民たちに生きる場所を与えているという建前で、人格者のように振る舞っているが、施設の中では市民権を盾に過酷な労働を強いている。また、食事も粗末なおかゆしか与えないうえに、少しでも不服そうな顔をしたり、労働中に腕が腫れてしまったために手を休めた子供に電気ショックで折檻している。さらに、従順ではない孤児に学習コースと呼ばれる洗脳装置にかけ、廃人に陥れることもあるなど、非道な行いを幾度となく繰り返している。その正体は、洗脳教育を施すために政府から派遣された工作員だったが、やがて私欲に走るようになる。そのため、政府から切り捨てられることが決まり、公安から指示を受けた草薙素子たちから聖庶民救済センターを襲撃され、洗脳装置を停止させられた挙句、警備員ともども逮捕された。

ドクター

阪華精機の社員の男性。阪華精機の社長の側近を務めるサイボーグ。ドクターは阪華精機の社長からの通称で、本名は明らかになっていない。医師としての技量もさることながら、ロボットメーカーの社員らしく機械にも強いという長所を持ち、会社の所有する車にエンジンを増設することで速度を増すなど、改造の腕にも長ける。久保沼がトムリアンデ型の試供品を暴走させたことが発覚すると、阪華精機の社長の命令によって彼に自白剤を投与する。そして、彼が自白した情報から、警察やヤクザから逃れる必要があることを阪華精機の社長に告げられ、彼と共に国外に逃亡しようとする。しかし、動きを読んでいたバトーやトグサから追い詰められ、トラブルによって阪華精機の社長の義体が海に転落すると観念し、のちに阪華精機の社長と共に警察に逮捕される。

公安1課の課長

公安1課の課長を務めている男性。目的のためなら手段を選ばない冷徹な性格の持ち主で、必要とあればテロリストとも秘密裏に結託することがある。また、公安9課を目障りに思っている節があり、草薙素子を恨む相馬亨から、アナコンダの詳細についての情報を提供され、代わりに素子を殺害するために協力するという取引を交わす。しかし、素子が相馬たちの攻撃に対応しているあいだに、使用している武器や思考戦車などから、自分たちが絡んでいることを公安9課に知られてしまう。そして、踏み込んできた荒巻大輔から銃を突き付けられ、やむなく撤退命令を出す。しかし、それだけでは公安9課の怒りは収まらず、素子を危険に晒した制裁として、バトーとボマーが乗った車にひき逃げされ、重傷を負う。

マーロフ将軍

アセチノフの後見人にあたる性別不明の人物。ソビエト連邦の将軍で、かつてソビエト連邦が保有していた金塊を密かに横流ししており、佐川電子の加賀崎宗平と共に私腹を肥やし続けてきた。その結果、ソビエト連邦でも有数の資産家となり、豊富な資金を利用することで、自らの息がかかったアセチノフをソビエト連邦大使館の文化担当官に据えることに成功する。しかし、公安9課の調査によって加賀崎との癒着が明るみに出て、アセチノフを自国に召還せざるを得なくなる。また、加賀崎と共に横領していた金塊は公安9課の手により没収され、ソビエト連邦の政府へと返還された。

マレス大佐

かつて軍事政権でガベル共和国を支配していた男性。ある時、革命によって軍事政権を解体に追い込まれ、ガベル共和国の支配権を失った挙句、国外への逃亡を余儀なくされる。それからは秘密裏に日本へと逃げのび、病気療養と理由をつけて滞在を続ける。外務省からはマークされていたものの、ガベル共和国の政情が未だ不安定ということもあり、強硬措置に踏み切れずにいる。ガベル共和国の支配を未だあきらめておらず、外務省の情報局員である中島から手を組むように持ち掛けられると、彼と裏で連絡を取り合いつつ、中島が指導している軍政派の部下たちに命じてプラチナ鉱脈を抑えさせ、そこで得られた資源を架空会社で売却して資金源にするなど、蜂起のための準備を着々と進めている。さらに、人形使いと結託して、彼に外務大臣の通訳をゴーストハックさせて、会談のために日本に訪れた民衆派の大使を殺害させようと目論む。しかし、外務大臣の通訳にHA-3を投与されたことが公安9課によって明らかにされ、人形使いの三重にわたる仕掛けを突破したことで計画が露見し、滞在中の隠れ家を包囲される。これによって中島と共に人形使いに見捨てられ、「本国に送還されれば死刑になる」「会談を襲撃させる計画は中島から持ち掛けられたものである」と主張し、公安9課に対して手元にあった大金と引き換えに身の安全を求める。草薙素子は大金を前にわずかながら心を動かされるが、荒巻大輔からは冷たくあしらわれた。なお、この時結託した人形使いは外務省のプロジェクトによって作り上げられたプログラムで、結果としてマレス大佐は外務省に踊らされて自滅する羽目になった。

殿田一佐

かつて自衛隊の情報部に所属していた男性。荒巻大輔の情報部時代の上官にあたる。かつては「赤鬼一等陸佐」の異名を持つ切れ者で、彼に対して情報処理や戦術などのノウハウを教授した。しかし、軍を退役したあとは贅沢を極めて肥満体となり、女性型のアンドロイドを侍らせるなど、享楽的な日々を過ごすようになる。そんな中、所有していた阪華精機のトムリアンデ型が暴走を起こし、テロの対象となっている可能性に恐怖する。そして、旧知の仲である荒巻と連絡を取り、テロの可能性があるかどうか調査するように依頼する。しかし、のちに阪華精機がゴーストダビングをしている事実をもみ消し、それと引き換えに賄賂やトムリアンデ型の試供品を受け取っていたことが発覚し、荒巻や草薙素子からその証拠を突き付けられる。さらに、阪華精機との癒着よりテロを恐れていたことを指摘されるとそれを認め、荒巻に対して「君もいずれ私と同じようになる」と捨て台詞を残して逮捕された。

シャピロ

KGBに所属しているロシア系ユダヤ人の男性。モサドともつながりがある。草薙素子とは知り合いの間柄で、公安9課が加賀崎宗平とマーロフ将軍の癒着を暴いたことに恩を感じ、それ以降は親密な関係を築くよう、さまざまな便宜を図るようになる。公安9課がソビエト連邦にとっても必要であると考えており、テロリストの男を射殺したことが明るみに出て、世間から大きな批判を浴びた素子に対し、モサドの陰謀を伝えようとする。そして、モサドが拠点にしているレストランに入ろうとする素子の前で、レストランに爆発のトラップが仕掛けられてることを示し、素子とトグサの命を救った。

アナコンダ

公安1課が追っている大物の犯罪者。本名や人種、性別など、あらゆるデータが不明とされており、「アナコンダ」のコードネームのほか、「麻薬王」や「南米の幽霊」の異名で呼ばれている。取引相手の一つである弁天一家から無視された相馬亨から、弁天一家に損害を与える手段として、公安1課の課長に対して情報を売られてしまう。しかし、アナコンダ自身はすでに草薙素子によって暗殺されていたため、結果的に公安1課は無駄な行動を取る羽目になった。

集団・組織

公安9課 (こうあんきゅうか)

国際救助隊という建前で荒巻大輔が創設し、指揮する内閣総理大臣直轄の特殊部隊。「攻殻機動隊」、または略称である「攻機」と呼ばれることもある。犯罪の芽の捜査と除去を目的としており、テロ・暗殺・汚職・電脳犯罪を事前に察知し、被害を根絶することが主な任務となる。国際救助隊の活動資金の八割にも及ぶ潤沢な予算があてがわれており、セブロC-25Aなど複数の銃器メーカーが開発したハンドガンやサブマシンガン、スナイパーライフルなどの強力な重火器や「京レ製 2902型」と呼ばれる高性能の光学迷彩、専用のティルトローター、そして思考戦車のフチコマといった、最先端の装備の使用を許可されている。また、構成員の全員が義体を利用する関係上、サイボーグ関連の施設も充実している。その一方で、法に触れることや、世論に影響を及ぼしかねない任務を遂行することも求められるため、その存在は極秘のものとなっている。しかしある時、人形使いの一件で恨みを抱いた公安6課と、彼らと親密な関係を持つモサドの策略により、草薙素子がテロリストの男をやむなく射殺したことをマスコミに報じられてしまう。このことで素子は世間から身を隠さざるを得なくなり、モサドが口封じのために殺害しようとしていることを察すると、義体を放棄して殺されたように見せかけ、公安9課は素子を欠きながら再出発することとなる。

モサド

イスラエルが擁する特殊工作部隊。公安6課と密接がつながりがあるほか、ソビエト連邦のシャピロも調査のため接触している。公安9課からプロジェクト2501を中止に追いやられたことを恨んだ公安6課から接触を受け、公安9課の戦闘隊長である草薙素子を世間から排除する作戦を実行に移す。それにあたって、まずはシリア大使館に手を回して、テロリストの男へ日本の外務大臣を暗殺するよう焚きつけ、公安9課が動くように仕向ける。そして、公安9課の作戦行動を密かに録画し、素子がテロリストの男を射殺したことをマスコミにリークすることで、日本国民に大々的に公安9課のネガティブキャンペーンを行わせ、公安9課が素子を手放さざるを得ない状況を作り上げる。さらに、逃亡した素子を抑えようとする機動隊の一人にゴーストハックを仕掛けて射殺するように仕向け、ついには素子の義体を破壊することに成功する。

公安6課

警察庁傘下の部署の一つ。正式名称は「外務省条約審議部」。その名の通り、外務省の意に沿った行動を求められている。その手段の一つとしてプロジェクト2501が実行に移され、人形使いと呼ばれるAIプログラムを作り上げる。そして、人形使いを裏であやつり、外務省にとって厄介者だったマレス大佐を国外追放に追い込むなど、外務省にとって都合のいい状態を誘発し続けてきた。しかしある時、人形使いが自我を獲得し、自らを一つの生命体し始める。これを危険視し、攻性防壁を用いて捕獲しようとするが、公安9課の介入で失敗に終わり、プロジェクト2501を断念せざるを得なくなる。このことから公安6課のメンバーたちは公安9課に恨みを抱くようになり、秘密裏にイスラエルのモサドと手を組み、公安9課の要といえる草薙素子を排除するための策を講じる。

佐川電子

択捉島に本社を構える電子企業。社長の加賀崎宗平は公安に所属しており、ソビエト連邦の基地を監視する任務を担っていた。佐川電子自体も、その任務を果たすためのカムフラージュのために設立されたもので、事実上幽霊会社に過ぎなかった。しかし、役割に不満を持っていた加賀崎がマーロフ将軍に接触し、彼と共謀してソビエト連邦の政府の保有している金塊を横領する。そして、そこで得た資金を用いて佐川電子を大企業へと押し上げた。さらに、ソビエト連邦の軍事基地の地下を開発させていたが、その真意は金塊を安定して輸送するためであり、万が一横領が発覚した場合、証拠を隠滅させられるように爆発物を仕掛けていた。しかし、クロルデンから情報を得た草薙素子によって本社ビルに潜入され、その中で加賀崎とマーロフ将軍の取引の証拠を押さえられてしまう。さらに、それを取り返そうとした加賀崎が素子に敗れたことで、佐川電子とマーロフ将軍の癒着が暴かれ、危機に陥る。

弁天一家

アナコンダとつながりのあるヤクザの集団。草薙素子への復讐を果たすことを目論む相馬亨から、重火器などの取引を持ちかけられていた。しかし、弁天一家自体はもともと相馬を快く思っていないうえ、個人からの取引は信用するに値しないと考え、この申し出を完全に無視してしまう。これに怒った相馬は、公安1課に対して素子との復讐に協力させる代わりにアナコンダの情報を売り渡し、弁天一家にも損害を与えようと目論む。

公安1課

警視庁傘下の部署の一つ。公安9課に匹敵する質の装備や思考戦車を揃えているほか、隊員の練度も高く、公安9課と真っ向から渡り合えるほど。もともとほかの課をよく思っていないうえに、情報管理が徹底しており、数年前に隊員の妻がテロリストに情報を流していることが判明すると、隊員自身やその関係者の素性を調べ上げるよう義務付けられる。草薙素子も例外ではなく、素子の彼氏が彼女を調査したことから公安1課に素性をつかまれる。これに目をつけた相馬亨から、アナコンダの情報をリークする代わりに素子の殺害に協力するよう取引を持ちかけられ、公安1課の課長がこれを受諾する。そして、相馬と連携して素子とトグサを狙い、絶体絶命の危機に陥れた。なお、課長は素子をターゲットとして狙っていることを隊員に知らせておらず、素子の彼氏も、彼女と直接会うまでそのことを知らなかった。

阪華精機

義体やアンドロイドを製造および出荷している会社。トムリアンデ型などの高性能なアンドロイドを生産していることから、大企業の一つとして認識されている。しかしその裏では、ヤクザの組織と結託し、彼らから拉致した人間を受け取ってゴーストダビングの被検体に使い、その見返りとしてトムリアンデ型の試供品を提供している。さらに、殿田一佐に対しても試供品と賄賂を譲り渡し、これらの悪行をもみ消させていた。しかし、被検体として捕らわれていたリンクとアダムが、久保沼を利用して密かにSOSのメッセージを埋め込んだトムリアンデ型の試供品を意図的に暴走させ、それを鎮圧した警察に阪華精機を疑うように仕向ける。その結果、悪行に気づいた公安9課により追及され、やがて阪華精機の社長が逮捕される。さらに、ゴーストダビングを行っていたことが明るみに出て、会社の存続そのものが危うくなる結果となった。

メガテク・ボディ社

義体の製造を専門とする企業の一つ。主にサイボーグ用の器官を開発している。阪華精機や佐川電子と異なり、後ろ暗いことはしていないが、ある時突然、工作台が勝手に作動して1体のアンドロイドを組み上げたため、公安9課によって捜査が行われることになる。その真相は、一つの生命体として自我を獲得した人形使いが、公安6課による攻性防壁から逃れるために自らの義体を製造したというもので、公安9課が到着する直前に完成した義体に乗り移られて逃亡される。

場所

ガベル共和国

日本と交流のある小国の一つ。外交的にも経済的にも飛び抜けたところがなく、外務大臣からはさほど重要視されていないといわれている。かつては軍政が敷かれており、マレス大佐がそれを牛耳っていたが、ある時革命によって軍政が倒れ、民主的な政治が行われるようになる。しかし、病気療養の名目で日本に滞在しているマレス大佐が、裏で軍政復古を志す勢力に支援を送ってプラチナ鉱脈を抑えさせ、そこから得た資金をもとにクーデターを発生させようと目論んでいるなど、政情はいまだに安定したとは言い難い。日本の外務省からもこのことを問題視されており、マレス大佐を引き渡しつつ援助を進めて、民主化したガベル共和国に恩を売るか、マレス大佐の日本への亡命を認めて援助をあきらめるかの選択を迫られる。しかし、マレス大佐が中島や人形使いと結託し、外務大臣の通訳にHA-3でゴーストハックを行い、彼女をあやつって外務省とガベル共和国の政府代表による会談を襲撃させる計画を進めていることが発覚する。さらに公安9課によって中島が逮捕され、計画が明るみに出たことでマレス大佐もガベル共和国に強制送還されることとなり、結果的に日本との関係が進展するきっかけとなる。荒巻大輔のかつての部下が革命派の戦術指導を務めていたが、革命後はマレス大佐と手を結んだ中島が、蜂起した時のために軍政側の戦術指導に当たっていた。

聖庶民救済センター

南新浜四区に存在する施設。表向きは福祉施設とされており、政治家や評論家をはじめ、さまざまな人材を社会に送り出していることで知られている。しかし実際は、劣悪な環境の中で過酷な労働を強いており、不服がある者は違法行為とされる洗脳装置につながれて強制的に人格を捻じ曲げられるか、廃人にされることすらある。このことから公安からは「人間工場」と呼ばれており、荒巻大輔から公安9課に所属する前の草薙素子とその部隊に対して、壊滅するよう指示が下される。作戦を進行させるにつれて、警備員が軍隊レベルの装備を備えていることから政府が秘密裏に設立した洗脳施設であることが判明する。これによりバトーは、聖庶民救済センターを襲撃する命令が荒巻から発せられたものではなく、公安や素子たちを陥れるために何者かがゴーストハックを行うことで素子に刷り込んだ偽の情報だったと疑う。しかし素子は、非人道的な洗脳や強制労働を課す聖庶民救済センターも、それを主導する政府も許すことができず、罠であることを承知で襲撃を仕掛け、その結果、聖庶民救済センターの院長をはじめ要職に就いていた職員は逮捕され、洗脳装置も除去される。収容されていた人々は解放され、正常化された施設で真っ当に生活を送れるようになる。施設を出たあと、それぞれ独立して暮らすようになることは変わらないが、中には清掃員のように先の見えない労働より、まともになった聖庶民救済センターで働いていた方が気楽だったと言う人も存在する。のちに、政府の意思を外れて私欲に走ったため、見せしめのために公安に攻撃の指示が下っていたことが判明する。

その他キーワード

サイボーグ

人体の一部、または脳と脊髄以外を義体に換装した人間のこと。前者を「部分サイボーグ」、または「部分義体化」、後者を「全身サイボーグ」、または「完全義体」とも呼ぶ。部分サイボーグは、主に人体機能の補強・強化が目的になるが、結合部分などの強度問題で大幅な身体能力向上は望めない。これに対して全身サイボーグの場合は、そういった制約が少なくなるため、使用しているパーツ次第では常人の数倍のパワーやスピードを発揮できる。草薙素子は全身が義体であることに加えて、公安9課から支給された高級パーツを使用していることから、並の人間やサイボーグ、アンドロイドはおろか、思考戦車をも圧倒するほどの戦闘力を発揮する。なお、ゴーストハックをはじめとした電子攻撃への耐性は特に変わらないため、人形使いなどのハッカーには細心の注意を払う必要がある。

ゴースト

サイボーグを含めた人間にのみ存在するとされる、人間と機械を隔てるもの。基本的には自我や意識、霊性といった人の内在的構造・現象を指し、「魂」や「相」と表現されることもある。サイバネティックスの発展に伴い、全身サイボーグ化などを進めて行くことで希薄になった、人とアンドロイドやロボットなどを区別するための概念の一つとして考えられており、人間を人間たらしめる要素のことを総括的にゴーストと呼ぶこともある。この定義ゆえに、AIやアンドロイドにはゴーストは宿らないとされている。しかし、電脳化によって脳内活動がすべて電気信号に置き換わり、人間と機械の境界が極めて曖昧になっている。そのため一部では、同じ電気信号で思考する機械にもゴーストが宿る可能性は否定できず、その結果、人間にのみ存在するという定義そのものが崩れる事態が生じかねないとも推測されている。これをほぼ現実のものとしたのが人形使いで、彼はもともとは外務省によって秘密裏に生み出されたプログラムに過ぎなかったが、任務に応じてネットワークや他者の義体の中で活動するにつれて、知識のみならず自我を獲得していき、やがて自身を一つの生命体と主張するようになる。また人形使いは、自律しながらも実体を持たず、草薙素子と融合を果たす前に現実世界で活動するには義体に侵入する必要があるため、彼をゴーストそのものとみなす考え方もある。

フチコマ

公安9課で運用されている戦闘車両。複数の機体が存在し、中には隊員の専用機として運用されている個体もある。自立行動が可能な思考戦車の一種だが、兵器らしからぬユーモラスなAIを持つ。バトーが自分の愛用の機体に使っていた天然オイルの味を占め、ことあるごとに要求したり、たまに物を盗んだりすることもある。また、ある個体が唐突に革命を起こして、人間から社会の主権を奪い取ろうと言い出したこともあったが、大半の機体はそれにまったくメリットを感じず、応じなかった。のちにこの件は、AIが人間に反逆を試みた場合のテストケースとして、草薙素子により利用されていたことが判明する。「死」という概念を理解できず、矢野が殺害された時は、敵討ちのために意気込むバトーを見ながら「壊れたら直せばいいのに」と思考する。背部には搭乗スペースがあり、隊員たちを乗せて行動することも多い。武装として、前方のマニピュレーターに2本の機銃を内蔵している。また、光学迷彩を展開できるほか、粘性の液体を蜘蛛の糸のように射出し、移動用のワイヤーとして利用することもできる。

義体

人体の機能を補填、あるいは強化するために作られた機械パーツ。AIで稼働する義体をアンドロイドと呼び、身体の一部を義体に置き換えた人間をサイボーグと呼称する。義手、義足としての使用はもちろん、義眼と呼ばれる、視力向上や衛星リンクのためにさまざまなセンサーを搭載した人口の眼なども義体に含まれる。また、銃器や刃物など、武器を仕込んだりすることも可能。全身を義体化したサイボーグは驚異的な能力を得られるが、高額なコスト負担のほか、心身の不一致感からくる精神的苦痛など、克服すべき問題点は多い。また、身体の一部を義体化するにしても、場合によってはほかの臓器も義体化する必要が出てくる。

思考戦車

AIを搭載した無人の戦車兵器。六つの脚と二つの腕を持ち、「多脚戦車」や「シンク」とも呼ばれる。AIによる自律制御のほか、マイクロ・マシンを用いて神経接続を行うことで、人間が操縦することも可能であるため、アームスーツの代用品として利用されることも多い。また、衛星を介して思考戦車同士でリンクを行うことで、複数のAIに記録された戦闘データを共有することもできる。公安9課の戦力として支給されているフチコマのほか、陸上自衛隊などでも正式に採用されている。

アームスーツ

複合材料による外殻と、バッテリー駆動の動力四肢、そして人間の動きを真似する機能を備えたAIが搭載されている機動兵器。用途は思考戦車に似ているが、形状がより人間に近く、格闘戦なども可能としている。思考戦車と同様に、AIで自律的に起動させられるほか、内部から操縦することもできる。また、電磁波で遠隔操作することも可能で、コイル・クラスノフは、頭部に埋め込んだ電極から電磁波を放つことで、追跡してきたバトーを襲わせる。

セブロC-25A

公安9課に新たに支給された武装の一つ。「セブロ社」と呼ばれる銃器開発メーカーによってリリースされたアサルトライフル。独特の形状をした大容量マガジンが搭載されており、6×25ミリのHV弾を50発まで装填できる。ただし、照準器が標準装備されておらず、レーザーサイトを銃口の上に装着する必要がある。択捉島での戦いの前に、バトーから草薙素子に手渡される。しかし、素子は上部にカートキャッチャーを搭載する必要性があることから排莢不良を引き起こす危険があると考えて使用を躊躇し、実際の作戦で使われることはなかった。

ゴーストダビング

被検体となった人間のゴーストを複製し、ほかの電脳へと移す犯罪行為。ゴーストハックと同様に、マイクロ・マシンの発展に伴い実現することになった犯罪である。ゴーストハックが個人の自由意志の侵犯を通した、個の存在あるいは形態の脅威であるのに対し、個を特定するものであるはずのゴーストの大量複製となるゴーストダビングは、唯一絶対の個の所在を複数に拡散させることで、個を個でなくさせるがゆえの脅威であるといえる。さらに、現在は実現されていないものの、人間から抽出したゴーストをロボットに劣化することなく忠実に転写することが可能になれば、もはや人間とアンドロイドやAIとのあいだに積極的な差異を見い出す根拠すら消失しかねないとも考えられている。ゴーストダビングによって生み出された情報は劣化を免れず、ダビングの被検体となった人間も死んでしまう。そのため、ゴーストハック以上の重罪とされ、実行者やそれを指示した者は例外なく終身刑に処される。ただし、ゴーストが人とそれ以外のものを区分する概念という定義上、被検体の死が免れないことは幸運な事態であると考える向きもある。阪華精機は、ヤクザの組織が拉致した人間を被検体としてゴーストダビングを行い、トムリアンデ型のAIに移すことで機能向上を図っていた。しかし、公安9課によってそのことが明らかになり、処罰される。

ゴーストハック

サイボーグの電脳をハッキングして、その持ち主に偽りの記憶を埋め込んだり、ハッカーの思うように操作する犯罪行為。ゴーストハックの手段はいくつかあるが、基本的にはネットワーク上からコンピュータウイルスを流し込むことで実行することが多い。また、「ゴースト侵入錠」と呼ばれるマイクロ・マシンを義体に直接投与することで、電子的なハッキングを行わずにあやつることも可能。ゴーストハックを受けた義体の持ち主は、ハッカーが用意した情報を意識に擦り込まれ、現実に存在しないものの情報を実際に存在するものとして知覚してしまう。そして、ハッカーが指定した相手や実在しない存在と戦うことになったり、ハッカーからの指令を自分の意思がやるべきことと誤認し、実行させられることになる。

プロジェクト2501

外務省の意を受けた公安6課が打ち出した計画。「人形使い計画」とも呼ばれる。外務省にとって都合のいい状況を作り出すためのAIプログラムを作成および育成する計画で、人形使いと呼ばれる優れたハッキング能力を持つAIプログラムを生み出すに至る。人形使いは、公安6課が総力を挙げて作り出したというだけあって非常に性能が高く、マレス大佐の事件をはじめさまざまな場所で用いられ、時には公安9課を欺き通すほどの大きな戦果を挙げていた。しかし、人形使い自身がゴーストハックやネットワークでの活動を続けるうちに、やがて独自の自我を形成し、外務省や公安6課のコントロールを受け付けなくなっていく。これによって公安6課は計画を大きく修正する必要が生じたと判断し、攻性防壁を使って人形使いを捕獲しようとする。だが、最終的には人形使いが草薙素子の脳内に侵入したことで捕獲が不可能となり、プロジェクト2501は破綻を迎えた。

アンドロイド

主にAIを搭載したヒト型ロボットのことを指す。単純に「ロボット」と呼ばれることもある。人間の生活空間内で補助するにはヒト型の方が汎用性があるため、ほかのロボットより使用される頻度が高い。使う人間が感情移入し、また人類の脅威として疑心暗鬼に陥らないようアンドロイドのAIは処理能力を限定している。公安9課に配属されているオペレーターのアンドロイドは、処理能力の限界から自己言及のパラドクスを処理することができず、草薙素子はそれを理解しながらももどかしさを感じ、そのことに冗談を交えた不満をぶつけることもある。なお、サイボーグとアンドロイドの違いは、脳や脊髄が存在しているかどうかのみで、人形使いにとってはいずれもゴーストハックであやつることができることから、ほぼ同一視されている。また、アンドロイドを構成するパーツも、サイボーグと同様に義体と呼ばれている。

マイクロ・マシン

100万分の1ミリという分子レベルの機械によって、人間の脳と体、ネットワークを再設計・再構成することを可能とする超極少テクノロジー。人体と電脳、義体を接続したり、ワクチン、BC兵器(殺人ウイルス)として利用されるなど、その用途は多岐にわたる。大戦の末期より実用化され、大戦終了後に大きく普及したことで、人々の暮らしは一気に豊かになる。その反面、ゴーストハックやゴーストダビングなどの電子を利用した犯罪が蔓延する結果にもつながり、治安の悪化が懸念されている。荒巻大輔は、マイクロ・マシンを悪用した犯罪、テロなどを取り締まる組織の必要性を感じ、電子戦と銃撃戦の両方に非凡な才能を示す草薙素子に目をつけ、彼女を中心とした治安維持組織である公安9課の設立を実現させた。

AI

「Artificial Intelligence」の略称。人間の知性を、強力なコンピュータ基盤で再現したもので、「人工知能」とも呼ばれる。AIはあくまで人間の模倣であり、人間が作り出したプログラム人格にすぎないので、ゴーストは宿らないといわれていた。しかし、外務省によって生み出されたAIプログラムである人形使いは、度重なるゴーストハックや、ネットワーク上での情報収集の末に、ゴーストと言っても過言ではない独自の自我を確立し、自らを一つの生命体として主張するようになる。

大戦

1996年2月から約27年間にわたって、欧州を主戦場にして起こった世界大戦。1996年2月から発生した第3次核大戦と、1999年9月に東京を核攻撃したことに端を発する第4次非核大戦と、大きく2期に分かれる。第4次非核大戦では、第3次核大戦で疲弊したEC、アメリカ、ソビエト連邦を中心とした旧大国連合軍と、第3次核大戦を背景に急速に力をつけたアジア連合が衝突。戦場は思考戦車、電脳化技術、義体などの新兵器の実験場と化し、長期化した。草薙素子とクロルデンは、大戦の中で共に根室上陸情報戦と呼ばれる戦場に参加しており、現在も付き合いがある。また、サイトーは大戦でスナイパーとして活躍しているなど、公安9課の隊員は大戦の経験者が多い。

HA-3

ゴーストハックを実行するために用いられるコンピュータウイルスの一種。2029年現在は旧型のウイルスと認識されており、逆探知も容易になっている。マレス大佐と中島と手を組んだ人形使いによって、外務大臣の通訳に投与される。そして、ガベル共和国の大使を暗殺するようゴーストハックを仕掛けられるが、そのことに気づいた公安9課によって止められ、逆探知をかけられる。しかし、これは人形使いがあらかじめゴーストハックであやつっていた清掃員や、殺し屋を主犯と誤認させるための計画で、旧型のHA-3が用いられたのも、逆探知を誘発するほか、新しいウイルスを使った場合は彼らが容疑者から外れる可能性が高くなるためという理由がある。

トムリアンデ型

阪華精機が製造および出荷しているアンドロイドの一つ。「トムリ」と略されることもある。ほかのアンドロイドより精密な動きを行うことが可能で、殿田一佐からもその点を深く気に入られている。しかしその理由は、阪華精機がヤクザと取引をして集めた子供たちをゴーストダビングの被検体にして、ダビングされたゴーストをAIに応用しているためで、政府や警察に知られたら即座に犯罪行為として取り締まられるものである。阪華精機の社長はこれを発覚されないよう、アンドロイドを偏愛する殿田にトムリアンデ型の試供品と賄賂を渡し、情報の漏洩を防ごうとしていた。しかし、ゴッセンの意を受けたリンクとアダムの計画によって、ゴーストダビングの事実が公安9課に漏れてしまい、すべての犯罪行為が明るみに出ることになった。

HV弾

超高性能高速徹甲弾の一種。大戦の影響で軍事技術が加速度的に発展した結果、主に政府の直属部隊などに支給される武器の弾薬として標準装備されるようになる。すさまじいまでの破壊力と貫通力を誇り、防弾加工されている車を軽々と貫くほか、フチコマにすら穴を空けるほどの威力を発揮する。相馬亨と手を組んだ公安1課は、HV弾を標準装備した火器を大量に持ち込み、草薙素子とトグサを大苦戦に追い込む。

防壁

ゴーストハックをはじめとする電脳へのハッキングを防ぐファイヤーウォール。不正にアクセスしてきた相手に反撃を仕掛けて電脳を焼き切ることさえある「攻性防壁」、電脳の代わりとして故意にハッキングさせるために用いられる「身代わり防壁」、自らの電脳内に迷路を仕掛け侵入者を迷わせる「防壁迷路」など、さまざまな種類の防壁が存在する。

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