小蘭の視点から描かれる中華ファンタジー
本作は、日向夏の小説『薬屋のひとりごと』の外伝の一つで、原作の主人公、猫猫の友人である小蘭を主人公に据えている。物語は、かつて貧しい村娘だった小蘭の過去にせまりつつ、彼女と猫猫を中心に、後宮の人々が織りなす日常を描いている。4コマ形式のショートコメディを交えながら、ほのぼのとした温かい雰囲気で展開される。
後宮で懸命に生きる小蘭の成長と日常
小さな農村で弟妹たちに囲まれて育った小蘭は、13歳の冬、両親に売られる形で後宮の下働きとして働くことになった。慣れない仕事が続く過酷な環境の中でも、かつて貧しい暮らしで痩せ細り、飢えを経験してきた小蘭は、まじめに働けば寝床や食事にありつけると前向きに考えていた。そんな健気な思いで懸命に仕事を続ける小蘭は、同じ時期に後宮にやってきた猫猫と出会う。噂話やおしゃべりが好きな小蘭は、トラブルに巻き込まれたり首を突っ込んだりする猫猫を心配しながら、彼女をはじめとする同僚や友人たちと楽しい日々を過ごしていく。
薪運びの騒動を機に夜狗と知り合う
猫猫は翡翠宮の下女として異動し、冬が訪れた後宮での生活が始まった。小蘭たち下女は過酷な薪(まき)運びを任されていたが、管理を担当する宦官(かんがん)たちの怠慢により、薪は大きく、生乾きのままで、運搬は非常に困難だった。そこで小蘭は、薪を小さく切ってもらうよう少年宦官の夜狗に声をかける。夜狗は奴隷出身で周囲から冷遇され孤立していたが、小蘭は偏見なく接し、二人は次第に親しくなっていく。しかしその矢先、以前から「踊る幽霊」の噂が絶えなかった後宮で、女性の転落死事件が起こる。
登場人物・キャラクター
小蘭 (しゃおらん)
茘帝国の後宮で働く下女。年齢は14歳。茶色のロングヘアを前髪を揃え、三つ編みにしている。明るくおしゃべりで、つねに前向きに振る舞い、周囲を和ませるムードメーカー的な存在。学がなく読み書きはできないものの、好奇心と向上心が人一倍強く、人の長所を見抜く独特の観察力を持っている。かつては名前もわからない小さな農村で家族と暮らしていたが、13歳の時に親に売られ、後宮で働くことになったという過酷な過去を持つ。同じ時期に後宮にやってきた猫猫とは親しい友人関係にある。噂話が大好きで後宮の情報に詳しいため、猫猫にとって数少ない友人であり、貴重な情報源でもある。
夜狗 (やく)
茘帝国の後宮で働く宦官の少年。小蘭と同年代で、中性的な容姿をしている。もとは国境付近から連れてこられた奴隷出身であるため、同僚の宦官たちからは煙たがられ、冷遇されている。本名を忘れてしまったため、自ら「夜狗」と名乗っている。文字は書けないが、ほかの宦官に教わり、名前だけは書けるようになった。生意気でデリカシーがなく、まるで野良犬のような性格の持ち主。周囲から嫌がらせを受けながらも、仕事にはまじめに取り組み、密かに現状からの成り上がりを夢見ている。薪を管理する宦官たちとのトラブルをきっかけに小蘭と知り合い、のちに彼女の窮地を救ったこともある。
クレジット
- 原作
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日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)
- キャラクター原案
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しの とうこ
関連
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